素振りブログ。

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注目株。

2015年11月12日 22時00分19秒 | 日記
チャンピオンで先週はじまったSF漫画「AIの遺電子」

かなり注目しています。
今週もなかなか面白かったね。ラストに救いがありましたし。

話を簡単に説明しますと。
人間に混じって、自我を持つ人工知能を搭載した人造人間が、人間と同等の権利を有して闊歩している世界が舞台で。
主人公はそんな世界で人造人間専門の医者をしてて、彼らの機械ゆえの悩みや苦しみに立ち会っていく。
そんな話ですな。

1話目は「人格のバックアップが何故違法なのか?」って話で。
そういう法律が作中であるんですな。

人造人間は自由に自分の身体のパーツを交換しても良いけど、頭だけは交換不可。
内容のバックアップを取ることも許さない。

そういう法律があるんですね。

何故そんな法律があるのか。
それについて、1話使って説明するわけですよ。

妻が頭を強打した際に、違法の「人格バックアップ」をやってしまった人造人間夫婦との対話の中で。

バックアップを取った際、夫婦はそのことについて深く考えてなかったんですけど。
トラブル(人格バックアップをした際、知能回路にウイルスが侵入。遠からず知能回路がダウンし、二度と再起動しない状態になる)が起きて。

いよいよバックアップの出番かな、というときに。

ハタと気づくわけですわ。

果たして知能回路のフォーマットを行った後、バックアップした人格を再インストールした自分は、前の自分と同じ自分なのか?
と。
結果、患者である妻はウイルスにやられて人工知能が停止するまで放置して欲しい、と主人公に願うわけです。

人格のバックアップを行うと、人造人間の生命の尊厳が失われてしまう。
いくらでもやり直しがきき、潰れてしまっても入れ直せばOK、なものに、何の尊厳があるんだろう?

そういう理由で、「人格のパックアップ禁止」という法律があるんだな、と。
1話読ませて読者を納得させる流れが面白かったですね。

(無論、犯罪の天才的才能を持った人格を持つ人工知能を、コピーして集団で犯罪されたらマズイだろ、ってのもあるわけですが)


で、2話目の話は人造人間の噺家で。
蕎麦を食う芸をちゃんとやれるようになるために、お腹の空く身体にしてくれ、と頼んでくる。
主人公が拒否すると、彼は主人公に見切りをつけてヤブ医者に頼んで望みを叶えるんですけど。

ヤブなんで、身体を改造せず、知能回路の満腹中枢を弄って誤魔化して、要望を叶えただけでして。
そのせいで、満腹状態で飢えに飢え、倒れてしまう。

で、自分に施された改造を知って「あぁ、自分には無理なんだ。満足に蕎麦も食べられない自分じゃ」と人間と人造人間の限界を感じて泣くんですけど。

それを聞いた師匠(人間)が「俺だって生まれつき蕎麦は食えないんだ。だから、美味そうに食ってる奴を参考にしている」と。
勝手に決め付けるな、限界を。

そういってるようで、グッときましたねぇ。