市内直行が待たれるＡ’ＲＥＸで金浦空港へ

Ａ’ＲＥＸ仁川空港駅の自動券売機



仁川国際空港駅のメイン改札

　前回訪韓したときは航空券とホテルのパックだったので、ソウル市内まではバスだったのでＡ’ＲＥＸ(空港鉄道)はチラ見程度たっだが、今回は自力で市内へ行くことになる。前回使ったＴ-moeyカード(日本のパスモみたいなもの)を持ってきているのでまずはチャージをしなければならない。自動販売機があったが充電(韓国語ではチャージのことをこう言う)できないようなので駅員を探したが見当たらない。よくよく探すと反対側(仁川空港から仁川空港駅に向かって右側の改札)に駅員のいる改札があるではないか。そこで20000ウォンをチャージしてもらい改札を抜ける。成田とは違い、その駅には人影はまばらで、空港から降りた人たちはどうしているんだろうと思うくらいである。確かに電車は金浦空港までしか行かないので、そこからソウルの中心街に行くのは結構面倒くさい。それに私の前回のようにツアー観光客はバスならホテルにも土産物屋にも楽に連れて行けるのでこういう現象が起きているのだろう。実際、ソウル駅に行くのですら最低2度は乗換えが必要になるのである。そのような状況であれば企業体を変更し、ＫＯＲＡＩＬが買収せざるを得なかったのであろう。



中にはコンビニ（ＧＳ２５）もあるのだが…



ホームは2面４線、ただ現在は1面のみ使用

　今回Ａ’ＲＥＸに乗るにあたり、ひとつのミッションがあった。それは普段乗ることのできない区間に乗ることであった。
　現在、Ａ’ＲＥＸは金浦空港駅と仁川国際空港駅を結んでいるが、仁川国際空港駅のひとつ先にある車両基地があり、その中に臨時駅が設置されている。夏の間(今年は4月17日～10月31日)、海水浴場が近くにある龍游駅まで臨時列車を「Green-Eco Train」として運転しているのだ。臨時列車は金浦空港－仁川国際空港を1時間に1本ノンストップで運転している直通列車を延長運転する形で運行されている。
　運転時間は　　
　　金浦空港発(8:00〜19:00)→龍遊着(8:35〜19:35)
　　龍遊出発(8:48〜19:48)→金浦空港着(9:35〜20:28)

　しかし、私が空港駅に着いたのは12:35、次の電車まで1時間近くあり、それを待っていると案内所で買ったＫＴＸに間に合わないので、仕方なく断念し、金浦空港へ向かうことにした。 



「Green-Eco Train」のポスター



ホームドアがあるので写真撮影には不向き



　どこかの観光地みたいに切符(特に外国の)が貼られている。中には日本のものも



国民銀行の広告は金妍兒(キムヨナ)



　直通列車の車内は2人がけ簡易リクライニングシート



ドア付近のしきりには電光掲示板とモニターを設置

9月4日　仁川国際空港13:00発　金浦空港行き編成

↑　金浦空港

１１０１(乗車車両)
１２０１
１３０１
１４０１
１７０１
１８０１(半室荷物車)

↓　仁川国際空港

　空港アクセス鉄道とは思えないほどの乗車率で乗客は定員の半分も乗っていない。車内のアナウンスは韓国語のほか英語、日本語、中国語で行なわれている。出発して程なく、女性車掌による検札だがT-moneyを見せれば事足りた。天気が悪いだろうと思っていたソウルの空は晴れて残暑がの真っ只中であった。お客さんは少ないのだが、韓国人の割と年のいった夫婦は携帯で大声でガンガン電話している。韓国の人は周りを気にしながら電話するということがないようだ。私は韓国語が分からないが、周りの人には内容が筒抜けだと思うのだが。



　高速を走る車とのデットヒート



瀬戸大橋のような永宗大橋を渡る



　仁川空港を出て28分、金浦空港の地下ホームに直通列車は到着した。日本のスカイアクセスに比べれば物足りない感じのＡ’ＲＥＸであるが、現状に手をこまねいているわけではない。今年の年末には待望のソウル駅乗り入れが実現、一気に使い勝手が良くなる。そして、将来的には1012年以降に地下鉄９号線が、2013年にはＫＴＸも同線に乗り入れるという。開業当初はかなりずさんな計画で建設され、その尻拭いが大変なようだが、折角のルートなので韓国の玄関につながる鉄道として活況を呈することを期待したいと思う。たぶん、自分も鉄道にこだわっていなければリムジンバスを利用していただろうと思うからだ。