【 Photo by Yoshinobu Tashiro 】
夏の朝
公園に向かう道
必死に走る
ビーサンの音
ニュースが始まったから
いつも通りの遅刻
麦わら帽子は嫌いだ
すぐ脱げてゴムが喉を締めるから
いつも走ってた
一人で走ってた
麦茶と太陽とスイカしかなかった
普通の夏の日
絵日記にも
作文にも残っていない
記憶にも思い出にも残らない
そんな日ばっかりだった
今はそんな夏が
懐かしい
テレビから聞こえる
甲子園の歓声 追悼のサイレン
ヤブ蚊と セミと
夜 網戸に止まるカナブンと
独りになるから嫌だった夕焼けと
いつまでも終わらない宿題
こんな写真も残っていない
日付も何もわからない
長い長い一瞬の夏が
今 無性に懐かしい
あの日のボクは
今のボクを見て 何と言うのだろう
夏に走れなくなった
汗が気持ちいいと思えなくなった
この ボクを
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