御神渡りベルリンの壁は健在なり 飛花落花まごうことなきスッカラカン ソーラー電池何本溜めても夏は来ず スサノヲの蚯蚓退治はまだ三度目 春黄金花(カネゴン)に問ふカネは喰ったあとどうなった 吉岡禅寺堂は俳句でパントマイムをやっていた 春猫の集会無言のまま終わる 子規庵の落花はこの世だけのこと ふらここやポールシフトは始まっている 長テーブルに饂飩敷き詰め桜散る
これは戦争とは違う戦争西東忌 西東忌渡る世間は鬼ばかり この痛み冷やしても無駄三鬼の忌 吉田拓郎並の転居数三鬼の忌 西東忌生きてればホームレスに違いない 乳房はすでに人体パーツ西東忌 西東忌戦後の戦後次の虚空 猫嫌いは同族ゆえか三鬼の忌 投石機の瓦礫と化せり三鬼の忌 火の無い所に煙は立たず三鬼の忌
エイプリルフール字数合わせに精進す エイプリルフールお釈迦様しか知らぬこと(NHKeテレ「ブッダ最期のことば」) 出口のない切なさを知るエイプリルフール エイプリルフールかつぎ屋は職業だった エイプリルフール来世の研究しています エイプリルフール初出場の初優勝 エイプリルフール誓子の好きにやれ エイプリルフールエスカレータで転んだり エイプリルフール芥川の「地獄変」やってみた エイプリルフールやってみたが無駄だった
万愚節松山は俳句の聖地なり 万愚節携帯持たぬ人と会ふ 万愚節富士山麓に鸚鵡鳴く 爆心地のマラソン大会万愚節 「震災句集」に東電社員万愚節 万愚節獄門台の二つの首 サクラサク万愚節ならサクラチル 万愚節また生きている死んでいる ニンニク味噌ダレ豚バラ定食万愚節 競馬成金はもともと金満万愚節
満開の花こそよけれ空の飢え 咳をしては夜の桜の行方知れず 亜空間を漂う枝垂れ桜かな 北乃きいの「ハルフエイ」でも桜は咲いていた 火力では何故ダメなのか花の闇 かつて三百六十五歩のマーチと桜かな ウイキペディア桜無き世の儚さとは 西行桜リハビリ杖でさようなら 小野田さんの帰還した日の夜の桜 夜桜にソーシャル・ダンスの似合わぬ理由 夜桜を揺すれば人も空も消ゆ