獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(16)

2023-11-29 01:22:19 | ガーシー

ガーシーには嫌悪感が先に立つほどだった私ですが、ガーシーのおかげで救われたという人もいたのですね。
また彼は家族思いで、母や妹には今でも慕われているようです。
ガーシーについて、好奇心がわきました。
ガーシーはどのように育ったのでしょうか。
彼なりの正義とはいったいどういうものなのでしょうか。

そこで、ガーシーの自伝的な本があるというので読んでみました。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(幻冬舎、2022.07)

かいつまんで読んでみたいと思います。

(目次)
□序章 ジョーカー誕生
□第1章 逃亡者
□第2章 しゃべりだけで成り上がる
□第3章 芸能界への扉
□第4章 アテンダーという裏稼業
■第5章 酒と女とカネと反社
□第6章 死なばもろとも
□第7章 社会の不満が生んだ怪物

 

第5章 酒と女とカネと反社
□芸能人におごりまくるタニマチ「タレントおじさん」
□芸能人を経済的に支える反社会的勢力
□裏のパパ活リストで見た「■■■■■■」「■■■■」の名前
□超人気女優のパパ活
■1日1億円が動く「社長麻雀」
■一見さんは入れない紹介制の賭け麻雀店
■イカサマ麻雀でブチギレた
□カネにきれいな芸能人
□カネに汚い芸能人
□モテる男の条件
□モテまくる山下智久とDAIGO
□「スター」と「ホシ」を分けるモノ
□自分流を貫く山田孝之
□本物の役者とアーティスト
□勝負時は誘惑を断て
□「港区女子」の悲しき末路
□「港区女子」が反旗を翻す恐怖の日
□広瀬アリスをマジギレさせたRADWIMPSの桑原彰
□芸能人とつきあうための一番の近道
□港区を守るグレーな存在

 


1日1億円が動く「社長麻雀」
女の子はパパ活でカネを稼ぎ、男はギャンブルでカネを熔かす。
「令和の虎」(YouTube チャンネル)に出演していた林尚弘(「武田塾」)、「晴れる屋」社長「トモハッピー」(齋藤友晴)、植本涼太郎 (StockSun 執行役員)の賭けポーカーが、ちょっと前に大騒ぎになった。連中は書類送検されたり活動休止に追いこまれたりしたもんや。
俺は賭けポーカーには関心はないが、違法な賭け麻雀ならさんざんやってきた。ギャンブラーの世界では「社長麻雀」と言われるジャンルがある。一部上場企業の社長や若い起業家が、プライベートな席で巨額の賭け麻雀をやるんや。
大王製紙元会長の井川意高さんはカジノで106億円熔かしたことで有名やけど、同じくらいの大金をスってる社長連中もザラにいる。
成功者になるような人は普通じゃない。頭のネジがぶっ飛んでる。刺激中毒なんやろうな。あの有名IT企業の社長だって最近までものすごいケタの賭け麻雀をやってたで。まあ誰にも迷惑かけんと身内で楽しんでるだけやから、そない悪いことじゃないと思うけどな。
負けが込んで、自分の持ち金が底をつくと「ハコテン」とか「ハコ割れ」とか「ドボン」と呼ばれる状態になる。スッテンテンになってカラの箱だけが残るから「ハコ」と言われるわけや。
社長麻雀では「ハコ」がなくなると数百万円を失う。カネ持ちは負けが込んでもどんどん種銭を追加できるから、1日中麻雀をやっとると4000万~5000万円が動く。六本木には、1日1億円が動くキ印麻雀もあると聞く。
1億円の現金をジュラルミンのアタッシェケースに入れて持ち歩くのは、物騒でかなわん。そこで社長麻雀に慣れてる連中は、キャッシュやなくて仮想通貨で精算するそうや。仮想通貨ならその場でスマホを操作してスッと送金できるし、銀行にキナ臭い入出金記録も残らん。

 

一見さんは入れない 
紹介制の賭け麻雀店

なぜギャンブラーは身ぐるみはがされるまでカネをむしり取られ、それでもなおやめることができひんのか。負けが込んで崖っぷちまで追い詰められ、ヒリつきながら 一発逆転したときのカタルシスはハンパやない。あのヒリヒリした破滅願望を味わい たくて、敢えて絶望の淵に身を置いて博打を打つんや。
時給900円のバイトをやりながら暮らしている学生にとっては、1万円を張るだけでも相当ドキドキする。年収1000万円の人にとっては、5000円や1万円を張っても博打をやっとる気にならん。
俺の場合、100万円や200万円を張ったときのドキドキ感を味わいたくて、勝負に出てまう。
なにしろトランプや麻雀牌をめくりながら、もし負ければたった数秒で200万円がなくなるんや。全身が内側からジリジリ焼かれていくようなあの高揚感は、ほかではよう味わえん。絶対に手をつけてはいけないカネに手をつけてからがギャンブルなんや。
全財産をもっていかれて完全に負けたときは、帰り道で我を忘れてブチギレる。エレベーターの壁をどつき、送迎のお兄ちゃんにボロカス文句を言って当たってまう。 当たり散らす対象はそれくらいしかないんやから、どうしようもない。
家に帰ってきて呆然としながら風呂に浸かると「ああ、やってもうたな……」とつらい気持ちになる。寝ようと思って横になっても、目が冴えてちっとも眠れずイライラしとる。
トランプや麻雀牌が頭の中でずっと巡ってて、結局、あの手この手でカネを作ってまた博打をやりに行ってまう。それがギャンブル依存症というやつや。
数百万円も負けたとき、持ち金が底をついとるからといってトンズラなんてできん。 店に入るときにはパスポートや免許証などIDカードを提出してコピーを取られるし、住所や連絡先は必ず訊かれる。
偽名で店に入るなどありえん。そもそも違法賭博をやっとる店には、誰かから紹介してもらわなければ一歩も入れん。もしトンズラなどしようもんなら、紹介者が保証人としてカネの取り立てに遭うわけや。

 


イカサマ麻雀でブチギレた

俺みたいなギャンブラーからカネをむしり取るため、イカサマをやる悪徳業者もいる。今はだいぶ少なくなったが、15年くらい前まではイカサマ麻雀はパチンコ店並み に普通にあった。実際、この目でイカサマ麻雀の現場を見つけたことがある。
株式会社ライバーの飯田祐基と、■■■というプロの麻雀師がおる。コイツらと麻雀をやっとったら、飯田と■■■が下に手を伸ばし、お互いがほしい牌をパスしてる様 子を見つけてもうたんや。
飯田のアホは、コッソリ牌を渡すつもりがボロッと床に落としよった。俺はブチギレて、飯田の胸ぐらをつかんでガン詰めした。
「お前、何やらかしてんねん!」
「何もしてませんよ。牌を落としただけです」
「お前、そんな牌そこから出てくるわけないやろう!」
麻雀牌を投げつけ、飯田の胸ぐらをつかんで引きずり回した。大騒ぎしていると、用心棒みたいなヤクザがワラワラ集まってきてえらい騒ぎになったもんや。俺は被害者やから、ヤクザにとやかく言われる筋合いはない。取り巻きのヤクザのことなんて気にせず、飯田を追及し続けた。飯田は「本当にゴメンなさいゴメンなさい! オカネは返しますから!」と言って、泣きながら土下座したもんや。
イカサマ麻雀のせいで俺がむしり取られた金額は、総計2000万円に達していた。イカサマでハメたからには、イカサマ分はきっちり返してもらわんと筋が通らん。ところが飯田のアンポンタンは、現金を1000万円しかもっとらんと言いよる。
最終的に、イカサマ抜きでサラの勝負をしようということで話がついた。結局、イカサマなしでも勝負に負けて、スッテンテンになってもうた。イカサマがあろうとなかろうと、種銭がゼロになるまで徹底的にカネを賭けてまう。それがギャンブル依存症患者の性なんや。

 


解説
ガーシーの語る裏社会の話は、聞いている分には面白いですが、あまり近づきたくないですね。

ガーシーを英雄視する若者も、ヤケドをするので、決してマネをしてはいけません。

獅子風蓮



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