goo blog サービス終了のお知らせ 

★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

楽しき君子は民の母か

2023-07-20 02:40:26 | 思想
詩云、楽只君子、民之父母。民之所好好之、民之所悪悪之。此之謂民之父母。詩云、節彼南山、維石巌巌。赫赫師尹、民具爾瞻。有国者、不可以不慎。辟則為天下僇矣。詩云、殷之未喪師、克配上帝。儀監于殷。峻命不易。道得衆則得国、失衆則失国。

楽しき君子は民の父母、とはよくいったもんで、そこまで実の父母が頼りないのであろうか。たしかにそうかもしれない。かかる父母たちがほんとの君子的な父母になろうとすると、例えば、戦争中に発行されていた『愛国婦人』みたいなかんじになるであろう。最近、そのあたりをめくっていたら、大塚英志が注目していたガスマスクの広告がでてきた。モダンでどことなくSF臭がする。



したのものなんかも、まるで江戸川乱歩の表紙である。



戦闘婦人たちのイラストや、長谷川町子の翼賛家族的な漫画がおどるなか、広告はモダニズムの薫りを残しながら、婦人たちを民の母であれ良い母であれ銃後を守れと言っていた。いつの時代もプロパガンダの周囲はノイズだらけだ。ほんとの暴力はいつもみえない。


最新の画像もっと見る