ミュージアム巡り MOMAT 番外編_クリスタル花瓶

　日本のクリスタルグラスの育ての親、各務鑛三さん(1896～85)
の作品「クリスタル花瓶」(Crystal vase、1962)があった。
　オールドクリスタルなので無色透明な輝きは失われているが、皇
室御用達の「カガミクリスタル」の創始者として、超高級ホテルの
調度品にも、また披露宴の引き出物としてもカガミクリスタルは人
気がある。
　各務さんは1919年に満州にてドイツ人の名工、ルドルフ・イー
ナーに師事しクリスタルのグランヴィール加飾法を学ぶ。1927年
にはドイツに留学してウィルヘルム・フォン・アイフ教授に学び、
ガラスのカット、グラヴィール、イントブラスト、エッチングの技
術を習得。
　家にもカガミクリスタルのカットグラスがあり、気分を変えてス
コッチのオンザロックを頂く時もあり、このグラスを傾けると少し
心が豊かに穏やかになった気分を味わえる。
（MOMAT：千代田区北の丸公園1-1）