社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

松岡圭祐『千里眼 キネシクス・アイ 上下』

2010-01-30 08:01:01 | 趣味(読書)

松岡圭祐『千里眼 優しい悪魔 上下』の続き(実際はこの間2009年春にハードカバー+DVD版、2009年10月に本編の前作に相当する書籍が出版されているが・・・)となる松岡氏の『千里眼シリーズ』最新作となる。このシリーズは、角川書店の文庫版の書き下ろしシリーズの10作目となる。つまり

  1. 千里眼 The Start
  2. 千里眼 ファントム・クォーター
  3. 千里眼の水晶体
  4. 千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮
  5. 千里眼の教室
  6. 千里眼 堕天使のメモリー
  7. 千里眼 岬の正体 上・下
  8. 千里眼 シンガポール・フライヤー 上・下
  9. 千里眼 優しい悪魔 上・下(松岡圭祐『千里眼 優しい悪魔 上下』
  10. 千里眼 キネシクス・アイ 上・下

と言う事になる。岬美由紀とメフィスト・コンサルティングのダビデと前作で決着しており、このキネシクス・アイでは完全に機械至上主義のノン=クオリアとの戦いとなっている。

下巻の最後に久本 隆氏がこのキネシクス・アイについて解説されているが、私も同じような感想を持った。つまりハードカバー版の千里眼シリーズやクラシックシリーズに比較して、この千里眼 The Startから始まるシリーズはかなり、エンターティンメント性からすると、小粒と言うか、あっさりと言うか切迫した緊張感と爽快感に欠けており、ちょっとそのスケールが小さくなっていた気がする。それがこのキネシクス・アイでは完全に、戻ってきており、その行き詰る緊迫感と絶望、やられたかに見せて、それを必死で乗り越え、最後は爽快に打ち倒す。そして、意外性も合わせて、一番最初の『千里眼』に匹敵する面白さに仕上がっている。最初の『千里眼』の絶対悪というべき主犯は岬美由紀の師である『友里佐知子』だったが、今回も、その意外性は絶大だ。しかも岬美由紀の小学6年生の時から始まり、その複線が貼ってあり、しかもこのキネシクス・アイの上下では終わらず次のシリーズへと続くかの様だ。

いづれにしても、上下巻共あっという間に、いっきに読める作品だ。

千里眼1

書 籍:『千里眼 キネシクス・アイ 上』
まつおかけいすけ
著 者:松岡 圭祐 
発行年:2009年10月25日初版発行
発行所:株式会社角川書店
価 格:552円(税別) 縦1段組み340ページ

裏面あらすじ紹介 暴風とゲリラ豪雨に襲われる能登半島。河川が氾濫し、橋を流され孤立状態に陥る人々。折りしも、小6の頃に旅客機事故で死亡した同級生親子の慰霊に来ていた岬美由紀は、救助活動に参加し、多くの被災者を救う。しかし、その上空に黒い影が・・・・・・!
災害はノン=クオリアの無人ステルス機が放った降雨弾が原因だった!!ひとり立ち向かう美由紀だが、なぜか”機械”にすべての行動を読まれてしまう・・・。美由紀、絶体絶命の危機!!
千里眼2

書 籍:『千里眼 優しい悪魔 下』
まつおかけいすけ
著 者:松岡 圭祐 
発行年:2009年10月25日初版発行
発行所:株式会社角川書店
価 格:552円(税別) 縦1段組み331ページ

裏面あらすじ紹介 美由紀の「千里眼」まで読み取る機械。それは「キネシクス・アイ」と呼ばれるノン=クオリア最新技術だった!ターゲットのどんな思考や感情も見逃さない”眼”が美由紀を追い詰めていく。能登半島の豪雨は手始めに過ぎなかった。最強の降雨弾の標的は首都・東京!東京を海中に沈め、100万人以上の犠牲者を出す惨事を、陰謀に気づいた美由紀は止めることが出来るのか!過熱するノン=クオリアとの戦い。新シリーズ第10弾!!

今回は私的あらすじの代わりに、キーなる登場人物を紹介しておく事にする。

  • 岬美由紀:紹介省略、今回は小学6年生からの話からスタートする。
  • 岬隆英、岬美代子:岬の両親。交通事故で亡くなるが、その原因は謎で、鷲見将輝が何かを・・・。
  • 黒岩裕子:美由紀の小学生からの親友。
  • 朝比奈宏美:美由紀と同じ臨床心理士。裕子と共にノン=クオリアにさらわれ人質となる。
  • 鷲見将輝:ロボットメーカーのワシミ工業社長。岬隆英の会社を買収し、倒産させるが、美由紀が編朗が親に嘘をついて遊んでいる事を見抜いた事から、岬隆英の会社を救う事を約束した。
  • 鷲見編朗(アムロ):鷲見将輝の息子。
  • 鷲見里奈:鷲見将輝の妻であり編朗の母親。 鷲見親子は、編朗をロシアに留学させる為、飛行機で向かう途中、飛行機事故で亡くなる。しかし将輝と編朗は・・・。
  • 下家一佐:岬美由紀の航空自衛隊時の上司。能登半島の豪雨で、岬に応援を求めと同時に、ノン=クオリアとの対決に岬に手を貸し、岬に一時自衛隊に戻る事を許す。そして岬はF15Jに乗り、無人ステルス戦闘機を追う。
  • 久保田彰浩:蒲生の後輩の警部補。岬を好きで、ノン=クオリアとの戦いに手を貸す。
  • 杉浦香織里:驚異的な確立で予報を的中させていた気象予報士。妹を人質に取られ、沼然の奴隷となっていたが、美由紀に助けられる。
  • 沼敷然孝:事前に送られてくる天気予報のデータを元に、香織里を使って、予報を当てさせ、香織を奴隷と化していた。
  • 益山俊成:第6航空師団整備補給群、修理隊の変人。海上自衛隊との合同訓練の最中、護衛艦ごとノン=クリアに、つかまるが、同僚3人と抜け出し、ノン=クリアの天気予報情報を基に、沼敷を使って、荒稼ぎしながら、杉浦香織里の妹を救い出していた。その後久保田と共に、美由紀を助けるが、なんとその正体は・・・。

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