以前デジカメの記事を投稿した時に、掲載予告をしたがデジカメの画素数について、改めて考えて見た。
なぜかと言うと600万画素で一時画素数拡大の競争がコンパクトデジカメでは一段落していたが、一昨年カシオが1000万画素クラスを出して予想外に売れた為、昨年他社も同様に1000万画素クラスを販売したからである。
一方記憶するメモリーカードの値段も劇的に安くなっている為、つじつまは合うが、再度本当に1000万画素クラスが必要かを自分なりに分析してみた。
かなり以前からL版なら120万画素でも十分で、400万画素もあれば、A4版も可能といわれていたがその根拠をまず検討して見る。
以下の表に、各L版とA4版のサイズを示し、画素数と印刷時の大きさを示した。印刷の元になるのは、DPIであるが、つまり1インチ当たり何ドットで出力するかであるが、通常200DPIもあれば十分だ。つまり1ミリメートル当たり8ドットの出力であり、かなり高精度な出力である事が分かる。
最も最近のスキャナーやプリンターは1,000DPI~2,000DPIになっているが、DPIが高ければよいというものでもない。出力する機械によるが、通常の印刷等の媒体は、網点で分解する為、200DPIの解像度であれば、実質は600DPIクラスの出力となり、これでも人間の目では、十分識別できない(網点はモノクロ階調表現やカラー出力を黒の面積、或いは基本色の配置で出力するもの)。
従って、DPIで入出力のパラメータを指定する場合は、通常200DPIか300DPIが標準になっているはずである。
L版 | A4版 |
140万 画素 |
200DPIで 印刷 |
400万 画素 |
200DPIで 印刷 |
|
横サイズ |
89ミリ |
210ミリ |
1,024ドット | 130ミリ | 1,750ドット | 222ミリ |
縦サイズ |
127ミリ |
297ミリ |
1,360ドット | 173ミリ | 2,300ドッド | 296ミリ |
さて、上記の表からも、通常L版であれば、140万画素~200万画素もあれば十分であり、A4版でも400万画素もあれば十分である事が分かる。逆にいまのコンパクトデジカメの主流になっている、500万画素~700万画素はL版対応ではなく、A4版まで対応していることになり、L版で印刷する場合はかなりの無駄(ドットの間引き処理)をしている事になり、場合によっては、かえって印字品質が悪くなる事になる。
従って、コンパクトデジカメや、高機能コンパクトデジカメで1000万画素を利用する意味はどこにあるのか?
タダでさえ、L版以外で印刷する事は少ない中で、A4版での印刷は余程な場合のみになると思うし、私自身L版でさえも、人の為にしか印刷していない。HDDの中に念の為保存しておくか、ブログ用である。
結論から言うと一般の人が、趣味等で特殊な事例で使わない限り、1,000万画素のコンパクトデジカメを使うメリットは一つしかない。つまり、必要な所のみをクリッピング(切り取る)するとか切り取る事によるズーミング機能(PanasonicのEX光学ズーム)である。しかし大半の方は必要でない機能と考える(この機能(1000万画素)を生かすことはできない)。と思うが、さていかがなものでしょうか?
日本人の一般の商品を購入する傾向として、実際は使う事もないし、使いこなせないが、あえて高機能型の無駄の多い機種を念の為に購入する傾向がこのデジカメの高画素化をうながしているのではないだろうか?プロが使う一眼では別だと思うが・・・。
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