社会不適合者エスティのブログ

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三低男子の婚活事情 49ページ「味方を救うにはまず敵から」

2019年02月10日 | 三低男子の婚活事情
ベルガはシュトゥルーデルと共に魔弾砲を阻止する事に成功し、

ボルゴたちは駆けつけた警察に逮捕される事になったのである。

フォレノワール巡査部長「あなたたち3人を、器物損壊の現行犯で逮捕します。」

ボルゴ「ふっ、希望は潰えたか。」

グラント「おのれ、お前たちはジパングを滅ぼさなかった事を後悔する事になるぞ。」

アルバート「そ、そうだ。後悔するぞ。」

ベルガ「心配するな。あんたらの仇は必ず取る。黒杉内閣は僕が倒す。だからそれまで待っていてくれ。」

ボルゴ「そうするよ。今1番力を持っているのは君だからね。」

フォレノワール巡査部長「さあ、行きますよ。」

ドボシュトルタ「ベル、何故この事を私にもヘレンにも黙っていたんだ?」

ベルガ「執政官同士が論争になったら魔弾砲を撃つ日を早められる可能性があった。だから発射時刻ギリギリまで伝えないようにしていたんだ。敵を欺くにはまず味方からって言うだろ?」

ドボシュトルタ「やれやれ、そういうところは昔から変わってないな。」

シュトゥルーデル元帥「それよりも、これでまたジパングから攻撃を受ける口実を作ってしまったな。俺はいつでも出撃できるぜ。」

ドボシュトルタ「また他の将官たちに怒られるぞ。」

シュトゥルーデル元帥「そうだな。昔はよくボルゴの奴から、将官なのに出撃する奴があるかと怒られたもんだ。」

ベルガ「ボルゴは防衛戦争で多くの仲間を失っていたから、これ以上犠牲者を出したくなかったんだ。それに最も戦果を挙げている君が戦死でもしたらジパングの士気が上がってしまう。だから君を将官にして最前線から下げさせようとしたんだ。」

ドボシュトルタ「そしたら今度は誰がやったかも分からない戦果が次々と上がってきて、君だと分かった時は笑いが止まらなかったよ。」

ベルガ「うちで飲んでくか?」

ドボシュトルタ「ああ、そうするよ。積もる話もあるからな。」

シュトゥルーデル元帥「俺も久しぶりにコーヒーでも飲みに行くか。」

ベルガたちはギルドカフェへ戻って魔弾砲不発を祝っていた。

ヘレンは納得がいかなかったのかベルガを問いただしていた。

ベルガ「やっと帰ってこれた。えっ、何でみんないるの?」

リコラ「そりゃ、お兄ちゃんが心配だからだよ。魔弾砲を阻止したんだよね。ビッグニュースになってたよ。」

ヘクセンハウス元帥「まあ、ベルならやってくれると思ったけどな。」

メルヘンランド女王「ベルよ、此度の仕事。大義である。」

キルシュトルテ大佐「ダーリンなら、無事に帰ってくるって信じてたよ。」

バウムクーヘン准将「ベルガさん、あんまり無茶しないでくださいね。ただでさえ胎教に良くないんですから。」

プファンクーヘン元帥「全く、何をやっていたかと思えば、やっぱりお前が1枚噛んでたか。」

ザッハトルテ中佐「妊娠してなかったら、僕も参加してたのに。」

ベルガ「君らは妊娠してても全くぶれないね。その様子から察するにアウグストは無事だったようだね。」

ヘクセンハウス元帥「ああ、ベルが言った通りにアウグストに対空配備を施したら、そこに帝国自衛隊の爆撃機部隊が攻めてきたから全部撃ち落としてやったぜ。」

ドボシュトルタ「まさかダイヤモンドハーバーの混乱に乗じて軍備が甘くなったアウグストを直接狙ってくるとは。ベルがジパングの動きを読んでヘクセンハウスを向かわせていなかったら、アウグストは今頃大打撃を受けていただろう。」

ヘレントルテ准尉「ベル、ジパングの首都攻撃とボルゴたちの計画を阻止した事は褒めてあげるわ。でも私たちに全く魔弾砲の事を教えてくれなかったのは解せないわ。説明してもらえるかしら。」

ドボシュトルタ「ヘレン、そう言うな。ベルは魔弾砲を阻止するために細心の注意を払っていたんだ。」

シュトゥルーデル元帥「俺に魔弾砲の情報を教えたのは、俺がグラントとつき合いがあったからだ。昔は直属の上司だったからな。」

ヘレントルテ准尉「そう。なら良いわ。ベル、私と会ってない間に随分とたくさんフィアンセを作ったみたいね。他のフィアンセとはデートしていると聞いているのに、私とはしてくれないのかしら?」

ベルガ「そう言われても、ここんとこずっと魔導書を集めたり、魔弾砲を阻止したりでそれどころじゃなかったんだよ。」

ヘレントルテ准尉「でも私とは全然デートしてくれなかったのだから、責任は取りなさい。」

ベルガ「あっはい。」

ヘクセンハウス元帥「ヘレン、ベルとデートしたいなら自分から言わなきゃ駄目だぞ。こいつは受け身だからな。」

キルシュトルテ大佐「そうだよ。自分からぶつかっていかないと何も得られないよ。」

ヘレントルテ准尉「・・・・分かったわ。ベル、今度私とデートしてくれるかしら?」

ベルガ「うん、良いよ。ヘレンにはずっと世話になってるから、今度休みの日に1日中デートにつき合ってあげるよ。」

バウムクーヘン准将「1日中?私とは2時間しかデートしてくれなかったのに。」

キルシュトルテ大佐「そうだよー。ヘレンだけ贔屓するなんてずるいよ。私だってベルとデートしたいのにー。」

ベルガ「君らはデートよりもまず無事に出産する事を考えるべきだ。産み終わったらデートするからさ。」

ヘレントルテ准尉「ふふっ、それなら良いわ。それともう1つ報告があるの。」

ベルガ「どうしたの?」

ヘレントルテ准尉「メルヘンランドは今日限りで平和条約から脱退する事になったわ。」

ベルガ「じゃあ婚活法も?」

ドボシュトルタ「ああ、もう今日からは婚活はしなくて良いぞ。」

ベルガ「わーい。やったー。」

リコラ「そんなに嬉しいんだ。」

ベルガ「そりゃそうだよ。これでもう面倒な人間関係とはおさらばだ。婚活法さえなけりゃ、誰があんな面倒なイベントになんか行くかってんだ。クエストが増えたおかげでだいぶ儲かったし、当分はリゾートにでも行こうかな。」

ヘクセンハウス元帥「社会不適合者だな。」

リコラ「社会不適合者だね。」

メルヘンランド女王「社会不適合者である。」

ベルガ「ちくしょう。」

ヘレントルテ准尉「ねえ、肝心な事忘れてない?」

ベルガ「えっ?肝心な事・・・・あっ。」

リコラ「お兄ちゃん、婚活法が終わったらフィアンセたちと事実婚するって約束してたよね?」

ベルガ「しまったぁー。」

ヘクセンハウス元帥「しまったぁーじゃねえ。妊娠させてる相手もいるんだから責任は取れよな。」

ベルガ「それは良いんだけど、この家は狭いから一緒に住むのは無理だよ。」

ヘレントルテ准尉「それならすぐ近くの場所に屋敷を作らせるわ。来年にはできると思うから一緒に住みましょ。」

ベルガ「僕の平和な日常がぁー。」

ドボシュトルタ「ベル、妹の事よろしく頼むぞ。」

京子「ベル、久しぶり。元気してた?」

桜子「ベルガさん、私当分お店を休みますねー。」

ベルガ「もしかして2人共妊娠したの?」

京子「ええ、できてたわよ。」

桜子「だから産休貰おうと思って言いに来たんですよー。」

ベルガ「それならメールで良いのに。」

ヘクセンハウス元帥「そういえばお前、ジパング人ともできてたな。」

京子「あたし、しばらくはこっちに住むから。婚活法が終わったら事実婚するって約束したわよね?気が向いたらいつでもあたしの別荘に来ても良いからね。」

桜子「私は今度実家の両親を呼んできますから是非話してくださいね。」

ベルガが婚活女子たちを助け魔弾砲を阻止した事はあっという間に世界中に広まり、

数日後には店が繁盛するようになってベルガはフィアンセたちを集めて事実婚した。

ベルガ「僕が事実婚を約束した人、こんなにいたんだね。」

紫苑「ベルガさんと一緒になれるなんて・・・・光栄です。」

タルトレット「お姉ちゃんと同じ人を好きになるなんて思ってもみなかったな。」

キルシュトルテ大佐「私も最初はベルには全然興味なかったけど、変人で面白くて飽きさせないところに惹かれていったんだよね。」

バウムクーヘン准将「ですね。でもこれだけ人数が多いと、家の中とかめっちゃ狭くなりそう。」

ヘレントルテ准尉「特大の家を作らせるから大丈夫よ。既に建築関係者たちに手配してるわ。」

明歩「紫苑、そろそろ言っといた方が良いよ。」

紫苑「はい。そうですね。」

ベルガ「まさかとは思うけど、2人共妊娠したの?」

明歩「はあ・・・・ベルって本当に空気読めないよね。そうだよ。責任取ってよね。」

紫苑「私はこういうところが好きなんですけどね。私たちの赤ちゃん、生まれたら大切に育てますね。」

ヘレントルテ准尉「本当にベルったら、いつの間にこんな女たらしになったのかしら?」

ベルガ「全部相手からの要求なんだけどね。」

ヘレントルテ准尉「じゃあ、私からの要求にも応えてくれるかしら?」

ベルガ「うん。この食事会が終わってから、婚活法が終わった記念にメルヘンランド諸島のリゾート地に行くけど一緒にどう?」

ヘレントルテ准尉「ええ、一緒に行きましょ。」

ベルガ「リゾートに行くとは言っても、これからの事も考えないとね。」

カーリナ「ベル、私もリゾートに連れて行ってくれ。私だってベルとデートしたいんだからな。」

ポッフェルチェ「そうよ。私もベルとデートしたい。私はもう後がないから。」

シャコティス「ポッフェは確か無性愛者じゃなかったか?」

ポッフェルチェ「ええ、確かにあたしは男子にも女子にも興味はないけど、ベルだけは別だよ。男子だからじゃなくて、ベルだから好きになったの。たとえ女子だったとしても好きになってたよ。」

紫苑「それ分かります。私も全性愛者ですから、性別に囚われない恋愛って素敵だと思うんです。」

芙弓「ベルのパートナーって変わり者ばかりね。」

ベルガ「芙弓もその1人だという事を忘れてるよ。」

芙弓「ふふっ、そうね。」

フォレノワール巡査部長「ベルガさん、パートナーになったからといって皆さんとあんまり淫らな行為をしたら駄目ですからね。」

ベアトリーチェ「ノワールって硬派なんだね。こんなにエッチな体してるのに。」

フォレノワール巡査部長「ひゃあん。ちょっと、駄目っ。」

桃子「何やってんだか。」

エトワール「アナ、そういえばあんたスパイよね?まさかベルから情報を得るためにつき合ってるわけじゃないわよね?」

アナスタシア「正確には元スパイです。今はパティシエに転職しましたからご安心を。」

アンナトルテ「ふーん、なんか元スパイってカッコ良いね。」

ザッハトルテ中佐「あっ、ワルキューレのシュゼだ。ステラもいるじゃん。どうしてここに?」

ベアトリーチェ「シュゼ、一体どうしたの?」

シュゼット「あーしもベアみたいに自分の気持ちに正直になろうって思って、ようやく決心がついたんだ。最初にベルのピアノ動画を見た時から、ずっとベルが好きだ。あーしともパートナーになってほしい。」

ステラ「私もキルシュさんが連れてきてくれた時からずっと好きです。ずっとキルシュのためにと思って一歩引いていましたけど、ベルガさんの活躍を聞く度に、段々自分を抑えきれなくなったんです。私はやっぱりベルガさんが好きなんだって。だから、どうか私ともつき合ってください。お願いします。」

ベルガ「うん、良いよ。何だか嬉しいな。」

ザッハトルテ中佐「この光景に慣れてしまっている僕らって一体。」

プファンクーヘン元帥「ベルの事だから心配は要らないだろう。」

桃子「ジパングだったら余裕でスキャンダルだよ。」

エトワール「こっちは恋愛の自由が幅広く認められてるからね。そこが自慢だよ。」

京子「これだけベルのパートナーが多いと、当分は一緒に寝られないわね。」

桜子「そうですね。私は毎日ベルガさんと一緒に寝たいですけど。」

エトワール「駄目に決まってるでしょ。ベルはみんなの共有財産なんだから、誰か1人だけ独占は禁止だよ。」

桜子「はーい。」

ヘレントルテ准尉「ねえ、ちょうどエスプレッソマシンもあるから、バリスタの腕を見せてくれない?他のみんなにも宣伝になるでしょ?」

ベルガ「そうだね。やってみるか。」

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