社会不適合者エスティのブログ

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三低男子の婚活事情 46ページ「リメンバーダイヤモンドハーバー」

2019年01月13日 | 三低男子の婚活事情
ベルガたちは由実とヤンナの結婚式に出席して食事をするが、

芙弓に呼び出されて愛の告白を受けるも式場が大爆発を起こした。

ヘクセンハウス元帥「そういえばそうだったな。」

芙弓「ええっ、仮にも女王陛下でしょ?助けなくて良いの?」

メルヘンランド女王「やれやれだのう。いくら不老不死だからとはいえ、そのように扱われると妾は悲しいぞ。」

芙弓「あの、大丈夫なんですか?さっきまで崩れた式場の下敷きになってましたよね?」

メルヘンランド女王「痛くも痒くもないぞ。それよりもそなたの家族を救ってやれなかった。申し訳ない。」

芙弓「頭を上げてください。そんな、滅相もございません。」

ベルガ「こんな時に言うのもなんだが、芙弓は命の恩人だ。君が僕らを式場の外へ連れ出してくれなかったら僕らも死んでいた。感謝するよ。」

芙弓「当然でしょ。死ぬ間際のお姉ちゃんと約束したの。私、必ずベルの事を幸せにする。お姉ちゃんの分も生き抜いてみせる。」

ヘクセンハウス元帥「あの爆発は一体何だったんだ?」

ベルガ「空襲だ。さっきジパングの航空機がここを通った。恐らくは爆撃機だ。くそっ、ずっと前から嫌な予感がしてたのに、僕はみんなを助けられなかった。ちくしょう。」

芙弓「お姉ちゃん、やっと幸せを掴んだのに。こんなのって・・・・ないよ。ずっと私にも同性愛を隠しながら世を忍んで必死に生きてきて、今やっとそれが報われるはずだったのに・・・・どうしてこんな事に。」

アナスタシア「ベル、芙弓、無事だったのですね。」

ベルガ「ああ。ドボシュにメールを送った。ジパングの奇襲攻撃だとな。あれを見ろ。」

ヘクセンハウス元帥「嘘だろ。王国海軍が・・・・壊滅しただと。」

ベルガ「ここは王国海軍の主力が集まっているダイヤモンドハーバーだ。」

ヘクセンハウス元帥「そういえば、エトワールが無力化の魔法を発動するまではジパングからの攻撃を防いでほしいって言ってたな。」

ベルガ「やられた。奴らは無力化の魔法が発動間近なのを知っていたんだ。」

アナスタシア「では発信機も危ないのでは?」

ベルガ「あれはエトワールが守ってくれているはずだから大丈夫だ。」

芙弓「何でジパングが式場を攻撃したの?」

ベルガ「この式場は元々軍事基地だったものをリフォームして作られたんだ。上空からは軍事基地と見分けがつかない上に、人が集まっていたから軍の集会に見えたんだろうな。」

芙弓「じゃあ、帝国自衛隊は結婚式を軍の集会と勘違いして爆撃したって事?」

ベルガ「その可能性が高い。帝国自衛隊が今まで民間の施設をほとんど爆撃していない事を考えればなおさらだ。」

芙弓「だとしても許せない。何の罪もないお姉ちゃんたちを殺した事に変わりはないんだから。」

ベルガたちはギルドカフェに戻るとこの出来事を公開し、

緊急で開かれた元老院会議にラインで出席していた。

ベルガ「元老院はこの事態を受けてジパングに宣戦布告したそうだ。」

ヘクセンハウス元帥「だろうな。」

リコラ「奇襲攻撃の原因は何だったの?」

メルヘンランド女王「妾も知りたいぞ。」

ベルガ「無力化の魔法を発動する計画がばれたんだ。そこで黒杉政次はメルヘンランドが対外侵略を企んでいるという名目でダイヤモンドハーバーを攻撃したらしい。海軍の被害状況が気になるな。」

ヘクセンハウス元帥「王国海軍の報告によると正規空母8隻大破、2隻沈没。軽空母6隻大破、4隻沈没。戦艦6隻大破、1隻中破、3隻小破、5隻沈没。駆逐艦15隻大破、3隻中破、17隻沈没。巡洋艦7隻大破、1隻小破、5隻沈没。」

ベルガ「早速リロードの魔法を使ってきたか。だが奴らはこれで弾薬を消耗したはずだから、しばらくは攻めてこないだろう。」

ヘクセンハウス元帥「何故分かる?」

ベルガ「王国海軍の被害が大きすぎる。あの航空機の数でこれだけの被害を与えるにはリロードの魔法が不可欠だ。」

ヘクセンハウス元帥「それよりも深刻なのは空母を使えない事だ。あの奇襲攻撃で王国海軍の全ての空母が大破以上の被害を受けた。修復には時間がかかるそうだ。」

ベルガ「つまり僕らはしばらくの間、空母なしで帝国自衛隊と戦わないといけないわけか。」

ヘクセンハウス元帥「だが良い報告もある。帝国自衛隊の爆撃機113機、護衛の戦闘機16機を1人で撃墜した奴がいるらしい。」

クラップフェン少将「そいつは俺の事かな?」

ヘクセンハウス元帥「クラップ、お前出撃してたのか?」

クラップフェン少将「ああ。海軍の連中が助けを求めてきたから何事かと思って出撃してみれば、ほとんどの船が丸焦げときたもんだ。ありゃ大惨事だったなー。」

ベルガ「僕はベルガ・オーガスト・ロートリンゲン。ベルと呼んでくれ。君は?」

クラップフェン少将「俺はクラップフェン・ブービ・ハルトマン。気軽にクラップと呼んでくれ。ヘクセンハウスやシュトゥルーデルは俺の遠い親戚にあたる。」

ヘクセンハウス元帥「私や兄貴とは真反対の地方出身だから、親戚の集まりの時くらいしか会えないんだ。ちなみにこいつは防衛戦争でも活躍したエースパイロットだ。」

ベルガ「それは頼もしいね。」

クラップフェン少将「何だよ。元気ねえじゃねえか。何かあったのか?」

ベルガ「実は結婚式場を爆撃されて、僕のフィアンセの姉が殺されたんだ。」

クラップフェン少将「そりゃ災難だったなー。」

ヘクセンハウス元帥「ていうか何でお前はここに来たんだ?」

ベルガ「君は出撃許可が出る前に勝手に出撃して、発砲許可が出る前に敵の航空機を撃墜しまくったから、それで建築士事務所から出勤停止と減給処分を受けている。だからここまで来てパソコンで建物の設計をしているんだ。普段は在宅勤務だから大した痛手じゃないんだろ?」

クラップフェン少将「さすがだな。そこまで見抜くとは恐れ入った。噂には聞いていたがとんでもない相棒を持ったな。」

ヘクセンハウス元帥「いつもはベルに振り回されてばっかりだけどな。」

クラップフェン少将「そう言う割にはいつもベルのそばにいて楽しそうにしてるじゃねえか。昔のお前は今よりもつまらなさそうにしてたし、本当は事件に巻き込まれる度に喜んでんじゃねえのか?」

ヘクセンハウス元帥「きついジョークだな。ベルとは防衛戦争以来ずっと腐れ縁ってだけだ。」

ベルガ「まあ、クラップのおかげで敵にも打撃を与える事ができた。出撃が遅れていたらジパングはほとんど無傷の状態でまた攻めてきていただろうし、護衛の戦闘機が少なかったあたり、急に戦闘爆撃機が迎撃しに来るとは思ってもいなかったんだろうな。」

クラップフェン少将「マニュアル通りの出撃だと間に合わねえからな。ていうかお前いつまで泣いてんだよ。もう済んだ事だろ?」

エステルハージトルタ中将「ううっ、うっ、私がちゃんと指揮していれば、あんな事には。」

ヘクセンハウス元帥「ずっと気になってたんだが、彼女は誰なんだ?」

クラップフェン少将「こいつはエステルハージトルタ・ハプスブルク。昨日までダイヤモンドハーバーの守備を任されていた海軍の提督だ。まあ、戦争を経験していない奴に守備を任せた軍にも非はあるからそう落ち込むなって。誰も予測できなかった事態だし、何なら俺が擁護してやるから安心しろって。」

エステルハージトルタ中将「それでも当事者である私の責任は免れないですよ。妊娠中のプファンが私に海軍を託してくれたのに。」

ベルガ「実はプファンの子供は僕との間にできた子供なんだ。言っちゃ悪いけどプファンがダイヤモンドハーバーの守備を続けていれば、ここまで深刻な被害にはならなかったと思うから僕の責任でもある。だから君が落ち込む必要はない。」

エステルハージトルタ中将「それはそれで傷つくんですけど。あと私、体は女子ですけど心は男子なんです。」

ヘクセンハウス元帥「お、おう。悪いのはいきなり奇襲してきた帝国自衛隊だ。黒杉政次にはたっぷり礼をしてやらないとな。」

ベルガ「これでボルゴがどう動くかだな。」

リコラ「お兄ちゃん、婚活イベントはどうするの?」

ベルガ「しばらくは中止だ。今はそれどころじゃない。ジパングを倒して婚活法を止めさせれば問題ない。それに今はジパングへの宣戦布告に伴ってジパング警察を全員追い出したから、婚活イベントをしなくても捕まる事はないよ。」

メルヘンランド女王「これでジパングとは対立する事になってしまったのう。」

ベルガはエトワールと無力化の魔法の発動を急ぐ事となり、

作戦を立ててジパングに対抗する事になったのである。

ベルガ「という作戦だ。うまくいけば魔弾砲とジパングの魔法兵器だけ無力化する事ができる。できるか?」

エトワール「正直、ここまで無茶な作戦を立案するとは思わなかったわ。もうこれ以外に手はないの?」

ベルガ「色々考えたがこれが限界だ。これが無理なら魔弾砲は許容する事になるぞ。」

エトワール「ネオトーキョーシティは外国の企業も多く集まっている重要なマーケットよ。ここが魔弾砲で消し飛べば、メルヘンランドはジパング以外の国も敵に回す事になるわ。だからこの作戦は絶対に成功させないと。」

ベルガ「魔弾砲の発射位置は分かったの?」

エトワール「ええ。魔弾砲はメルヘンランドの内陸部にある、このエルバ砦という場所よ。ここはメルヘンランドがまだ領土の小さい都市国家だった時代に国境線にしていた場所よ。今はもう使われなくなってるはずだけど、まさかここを秘密基地にするとはね。森の奥地で誰も気づかない場所だから、魔弾砲の開発にはちょうど良い場所ね。」

ベルガ「さすがは歴史学トップだね。」

エトワール「まあね。このエルバ砦から僅かな魔力反応を感知したから、衛星を使って場所を拡大してみれば思った通り、大きなロケットがあったのよ。恐らくこれが魔弾砲ね。止める術はあるの?」

ベルガ「ない事もない。魔弾砲の発射時間さえ分かればこっちのもんだ。」

ヘクセンハウス元帥「ボルゴはジパングへの報復攻撃を主張して、グラントがそれを承認したそうだ。」

メルヘンランド女王「王国軍の遠征が決まったのは何千年ぶりだろうか。」

エトワール「もう70年も遠征してないから、かなり久しぶりという事になるわね。確か最後に遠征したのが、ライス合衆国への制裁処置として工作員を派遣した時ね。」

ベルガ「ライスが魔法兵器を密輸して無力化の魔法で事を収めた後、報復処置として工作員がライスの軍需工場を破壊し尽くしたやつか。」

シュトゥルーデル元帥「それをやったのは俺の祖先だ。俺は空軍の出撃が決まり次第、ジパングに出撃してくるぜ。」

エトワール「あんた元帥でしょ?」

シュトゥルーデル元帥「グラントみたいな事言うなよ。俺にはこっちの方が性に合ってるんだ。」

ベルガ「そうだ。出撃するならその前に僕をエルバ砦まで連れて行ってくれ。グラントに会って直々に出撃許可を貰えば、いちいち怒られなくて済むだろ?」

シュトゥルーデル元帥「しょうがねえなー。じゃあ俺は車を準備してくるぜ。」

ヘクセンハウス元帥「私は軍の仕事があるから一緒には行けないぜ。」

ベルガ「ヘクセンハウス、アウグストに対空兵と対空戦車を配備するんだ。もしグラントに断られたらアウグストの空爆を防いだらお前の株が上がるぞと伝えてやれ。」

ヘクセンハウス元帥「分かったぜ。」

リコラ「防衛コンビ復活だね。」

エトワール「防衛コンビって何?」

リコラ「ヘクセンハウスが二等兵から元帥まで出世したのは、お兄ちゃんの指示通りに戦っていたからなんですよ。」

メルヘンランド女王「二等兵の時は自分で動いて敵を倒しておったのだが、将官になってからは自分が支持する立場となった。しかし自分で動くのは得意でも、誰かに指示を出すのは苦手であった。そんなヘクセンハウスにベルが指示を出しておったのだ。」

ベルガ「やっぱり兄弟だな。」

ヘクセンハウス元帥「兄貴は大将に指揮を任せて自分で出撃するからな。」

ベルガ「ていうかシュトゥルーデルは戦闘爆撃機を私物化しちゃってるけど大丈夫なの?」

ヘクセンハウス元帥「グラントから直々に贈呈されたらしい。」

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