社会不適合者エスティのブログ

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メルヘンランド王国Wikipedia7ページ

2018年10月28日 | メルヘンランド王国Wikipedia
婚活イベントで出会った婚活法被害者の婚活女子たち

北川桃子(CV:鬼頭明里)

年齢 29歳
性別 女
身長 153センチ
職業 看護師

特徴

サバサバした性格の看護師である。
ベルガとは裁縫好き限定編で出会い、最初は奇抜な彼やザッハトルテを否定するが、
婚活法に悩んでいるところを見て共感し、ベルガといつの間にか仲良くなった。
自身も婚活法に悩んでおり、婚活イベント中に患者が亡くなっていた事がある。
学生の頃の運動会で奇抜な性格の生徒に足を引っ張られた事が原因でクラスが敗北し、
内申が下がって思い通りの高校に行けなくなったせいで将来に大きく影響した事で、
奇抜な人間を嫌うようになり、周りに合わせられない人間に嫌悪感を抱くようになった。
ミーハーなところがあり、裁縫好き限定編では前日に裁縫をしようとして指を痛めたり、
流行の服を着こなすために波打ったファッション誌を欠かさずに持ち歩いている。
ベルガと共に事件に巻き込まれるが、彼に命を救われてからはべた惚れである。

東山紫苑(CV:上田麗奈)

年齢 21歳
性別 女
身長 149センチ
職業 織物業

特徴

おっとりした性格の織物業者である。
ベルガとは裁縫好き限定編で出会い、職業柄裁縫が得意である事から彼と意気投合し、
他の参加者たちに裁縫を教える側に回っていた。彼女もまた婚活法には反対派である。
全性愛者であり、性別に囚われない恋愛を理想としているが男性恐怖症でもある。
普段は実家の織物業を手伝っており、接客しながら織物を作って売っているが、
性格的に接客には向いていないため、引きこもって作業に没頭する事が多い。
職人としての腕はプロ並みであり、実家の後継者候補だが、既婚者の姉に勝てず、
婚活法施行と共に婚活イベントに行っているが対人関係に難があるためか、
婚活法で知り合った相手から交際を迫られ、ベルガの元へ相談に行く事になる。
周囲の期待に応えなければという強迫観念から解放されてからは彼を意識している。

西野朱音(CV:田村ゆかり)

年齢 28歳
性別 女
身長 160センチ
職業 駅員

特徴

お調子者で案内役を務める駅員である。
ベルガとはフリー合コンの時に出会うが、酒を飲むと相手の気持ちに鈍感になり、
ポッフェルチェに対して辛辣な言葉を浴びせてしまう。30代を目前にして、
全然出会いがないために愚痴をこぼす事があり、そのせいで男に避けられるという、
負のサイクルにはまってしまっている。普段はジパングのネオトーキョー駅で、
駅員として働いており接客は得意である。ベルガに出会いの相談をするが、
理想が高い割に自身のスペックが低いために、結婚に向いていない事を告げられる。
女子である事を理由に、ずっと鉄道オタクである事を隠してきたが元彼に、
自宅をドッキリ訪問された時にばれてしまい、それが原因で別れてしまったため、
婚活法が始まってから自ら負のサイクルを作り出したがベルガによって救われた。

南口青葉(CV:豊崎愛生)

年齢 24歳
性別 女
身長 140センチ
職業 本屋店長

特徴

気配り上手な自営の古本屋店長である。
見た目が幼いために子供と間違われやすいが、見た目と違って芯はしっかりしており、
自制心は大人顔負けであり、ほろ酔い状態でも失言した人に注意ができるほどである。
ベルガとはフリー合コンで出会うが、あんまり話す事はなく終わってしまった。
いじめで引きこもりになってしまったが、本が好きだった事もあり本屋を開業した。
親からは就職しろと定期的に言われるが、本人は全く気にしていない模様。
古い本が好きであるため、世界中から古い本をたくさん集めて模写している。
職業柄知識量が多く、ベルガが探していた魔導書が書店にあったために、
ジパング警察に狙われる事になったが、そこをベルガによって救われる。
事件後はベルガのために世界中に散らばっている魔導書を探す事になった。

ポッフェルチェ・ホレイシア・コリングウッド(CV:釘宮理恵)

年齢 35歳
性別 女
身長 142センチ
職業 プロゲーマー

特徴

プファンクーヘンの姉でプロゲーマーである。
昔は格ゲーを極めており、全キャラ全一を達成するほどだった。現在はターン制のゲームや、
カードゲームに没頭しており、親がスポンサーを務めているが婚活法により結婚を急かされ、
合コンで結婚が決まらなかったらスポンサーを降りると言われたがベルガによって救われる。
無性愛者であり性別を理由に興味を持つ事はないが、ベルガの事は例外的に気に入っている。

シャコティス・プリューゲルクラプフェン(CV:三澤紗千香)

年齢 33歳
性別 女
身長 169センチ
職業 ハウスキーパー

特徴

バウムクーヘンのはとこで公務員である。
IT最大手であるプリューゲルクラプフェンの会長の娘であり、社長は彼女の大叔父にあたる。
ベルガとバウムクーヘンの仲を警戒しており、最初はベルガの事を女たらしだと思っていたが、
彼が婚活法の影響で女子たちと交流させられている事を知るとあっさり和解して事を収めた。
それからは大勢の障害者と共にベルガによって救われると、本気で彼を愛するようになった。

マロングラッセ署長(CV:水樹奈々)

年齢 42歳
性別 女
身長 172センチ
職業 警察官

特徴

フォレノワールの上司で警察署の署長である。
アウグスト警察署に所属しており既婚者であるが、普段は警察署に朝から定時までいる。
警察官としての腕前や采配は署内で高く評価されている。フォレノワールを気にかけているが、
ジパング警察が襲撃してきた時はベルガの警告を信じられず、彼女を解雇しようとした。
しかし本当に襲撃が始まると急いで署内の対応に回るようになり事が済んでから彼女に謝罪した。

エトワール・シャブリエ(CV:瀬戸麻沙美)

年齢 25歳
性別 女
身長 150センチ
職業 魔法官

特徴

ベルガの幼馴染で元許嫁の魔法官である。
両親同士の仲が良い事もあり10歳頃にはベルガの許婚になっていたが、ベルガに婚約破棄された。
理由は彼女を不登校にする事でいじめから救うためであり、ずっとこの理由を知らずにいたため、
ベルガの事になるとずっともやもやしたままだったが、ヘレントルテによって事実を告げられると、
ずっと両思いだった事もあり、婚活法が終わった際に関係をやり直す事を約束した。

ヤンナ・ズーテメルク(CV:林原めぐみ)

年齢 38歳
性別 女
身長 171センチ
職業 会社員

特徴

由実の結婚相手であり会社員である。
同性愛者でありギルドカフェのクエストを利用した事が元で由実と知り合って意気投合した。
その後はカップリングした由実とデートをするようになり、ついには結婚する事になった。
しかしダイヤモンドハーバーに奇襲してきた帝国自衛隊の誤爆により由実と共に爆死した。
由実は微かに息があったがヤンナは即死であり、アナスタシアによって死亡が確認された。

三低男子の婚活事情 36ページ「警察と警察の代理戦争」

2018年10月21日 | 三低男子の婚活事情
ベルガたちはアウグスト警察署へと非難するが、

それは黒杉財閥率いるジパング警察の罠だった。

フォレノワール巡査部長「はい。心から愛してます。」

マロングラッセ署長「空軍からの連絡とは言っても、ジパング警察なら常にメルヘンランド全域を監視してるでしょ。取り囲むように配置されるなんていつもの事よ。」

フォレノワール巡査部長「思い込みだけで行動するのは危険だって、昔署長が私に教えてくれた事じゃないですか。」

マロングラッセ署長「そうよ。それを今あなたがやってるじゃない。だから咎めたのよ。分かったらすぐに・・・・きゃあっ。」

フォレノワール巡査部長「マロンさん、大丈夫ですかっ?」

マロングラッセ署長「だ、大丈夫よ。急所は外してるから。早くっ・・・・逃げてっ。」

フォレノワール巡査部長「皆さん、早くバリケードを設置して署内へ避難してください。きゃあっ。」

アウグスト警察署に対して銃声が鳴ると、ようやく厳戒態勢となり、

ベルガたちは銃声の中、取調室で最も恐れていた事態に困惑していた。

ベルガ「今からでも遅くはない。署長を説得するんだ。じゃなきゃ痛い目を見るぞ。おい、行くなってば。」

シュトゥルーデル元帥「どうやら聞く耳はないようだ。」

ベルガ「ていうか君も捕まったんだな。」

シュトゥルーデル元帥「ああ。流石の俺でもどうにもならなかった。ここじゃ署長がルールだからな。」

ベルガ「じゃあ奴らがここに入ってきたら、僕と君だけで対処しないといけないわけか。」

シュトゥルーデル元帥「そういう事だ。銃の訓練は受けてるか?」

ベルガ「一応ヘクセンハウスに教えてもらったよ。でも手錠が外れないんじゃ無力だ。」

シュトゥルーデル元帥「それなら少し待ってろ・・・・よしっ、外れたぜ。」

ベルガ「えっ、どうやって外したの?」

シュトゥルーデル元帥「こんな事もあろうかと、服に工具を仕込んであったんだよ。お前の手錠も外してやる。」

ベルガ「サンクス、流石は元傭兵だな。」

シュトゥルーデル元帥「人を見ただけで人生が分かると弟が言っていたが、それも本当のようだな。」

ベルガ「観察しただけだ。敵はまだ建物内には入っていないようだ。」

シュトゥルーデル元帥「何故分かる?」

ベルガ「建物内で銃声がしているならもっと音響が大きいはずだし、警察官たちも慌てるはずだがさっきの巡査は慌てるどころか冷静に様子を見に行った。会議室まで行くぞ。桃子たちが心配だ。」

シュトゥルーデル元帥「分かった。」

フォレノワール巡査部長「あっ、ベルガさん。無事でしたか。」

ベルガ「ノワール、その様子だと外にいた警察官たちはみんなやられたようだね。」

フォレノワール巡査部長「マロンさんは無事ですが、撃たれて医務室に運ばれました。彼女がバリケードの設置を止めさせた事もあって、外の防御は脆弱です。突破されるのは時間の問題かと。」

ベルガ「シュトゥルーデルは屋上へ行って敵戦力を偵察して迎撃してくれ。それから空軍を呼んでくれ。」

シュトゥルーデル元帥「そうしたいところだが、通信はできない状態だ。どうやら妨害電波を発信した奴がいるようだ。」

ベルガ「外への連絡手段は絶たれたか。ノワール、妨害電波を解除できるか?」

フォレノワール巡査部長「時間をかければできるかもしれません。それまで時間を稼いでくれませんか?」

シュトゥルーデル元帥「それなら任せておけ。俺は屋上へ行く。武運を祈るぜ。」

ベルガ「ノワール、1つ気になる事があるんだ。」

フォレノワール巡査部長「何ですか?」

ベルガ「ここにはジパング系の警察官は何人いるんだ?」

フォレノワール巡査部長「ここにはジパング出身の警察官は1人もいませんけど。」

ベルガ「それはまずいな。さっき僕とシュトゥルーデルを取調室にぶち込みやがった巡査はジパング系の顔だった。」

フォレノワール巡査部長「えっ、まさか。」

ベルガ「奴は確か会議室の方向へ行った。このままじゃ桃子たちが危ない。行くぞ。」

フォレノワール巡査部長「どういう事なんですか?」

ベルガ「ジパング警察はここへスパイを送り込んでいたんだ。あのジパング系の巡査が僕らの動向を探ってジパング警察に教えていたんだ。恐らく電波妨害も奴の仕業だ。」

フォレノワール巡査部長「それなら署長が気づくはずですが。」

ベルガ「メルヘンランドは公務員でもクビがあるから流動性が高い。それで新人とでも思ったんだろうな。あの制服はサイズが合ってなかったから、他の警察官を気絶させて制服を奪ったんだろう。更衣室はここだな。今日の欠席者たちの番号を教えてくれ。欠席者のロッカーにあのジパング人の服があるはずだ。」

フォレノワール巡査部長「それは構いませんけど、何をするつもりですか?」

ベルガ「証拠を集めた上でジパングのスパイを始末する。今頃は障害者処分法違反者たちを人質に取っているだろうな。」

フォレノワール巡査部長「まさか。そんなはずは。」

ベルガ「ジパングのスパイを使って人質を取り、居場所をジパング警察に伝えればスムーズに侵入が上手くいく。やっぱりな。僕は会議室に行く。ノワールはここで妨害電波を解除してくれ。」

フォレノワール巡査部長「任せてください。やってみせます。」

ベルガ「おい、桃子を放せ。」

桃子「ベル、来ちゃ駄目。」

巡査「誰かと思えばさっきの社会不適合者君じゃないか。手錠をつけていたはずなのに、一体どうしたのかな?」

ベルガ「お前に教えてやる義理はない。警察官とあろうものが、何故他の警察官を射殺し、人質を取るような真似をしている?」

巡査「この人たちが暴れ始めたから沈めただけさ。何人かは抵抗してきたから撃ち殺しちゃったけどね。」

ベルガ「お前はジパングのスパイ、市池佑二。お前たちは障害者処分法違反者たちをアウグスト警察署に誘導し、ジパング警察で襲撃する作戦を思いついた。だがそのためには建物内部の構造を知っておく必要があった。そこでお前がスパイに選ばれ、僕らの動向を奴らに教えていたんだ。そしてそのスマートフォンから妨害電波を発信して外への連絡手段を絶った。お前の服が今日欠席した警察官のロッカーから見つかった。これでもまだしらを切り通す気か?」

佑二「ふふっ、さすがはメルヘンランドを代表する社会不適合者君だ。ばれちゃ仕方ない。今すぐその銃を捨てろ。さもないと。」

市民A「があっ。」

ベルガ「てめえ。」

佑二「銃を捨てないと、10秒毎に王国民たちが死んでいくよ。ちなみにこの銃はメルヘンランド警察官から奪った物だから、いくらでも自動で弾を補充できるよ。それと俺を撃とうとすればこいつに当たるよ。」

市民B「ぐはっ。」

ベルガ「このナチ野郎。(ヘクセンハウスとの訓練を思い出せ。狙いを定めて肩の力を抜いて・・・・。)」

市民C「ごおっ。」

ベルガ「止めろっ。分かった。銃を捨てる。だからもう市民たちを撃たないでくれ。ほら、捨てただろ?だからそいつを放してくれ。頼むよ。(あとは目の前の敵を激しく憎め。)」

桃子「ベル・・・・。」

佑二「分かった。ほら、放したよ。がああっ。ぐわあああぁぁぁ。く、くそう。」

ベルガ「・・・・お前みたいなのが警察官?聞いて呆れるよ。」

佑二「銃は捨てたはず。」

ベルガ「こんな事もあろうかとスリーブガンを仕込んでおいたのさ。(さっきシュトゥルーデルにもらったんだけどね。)」

佑二「何故頭を狙わなかった?」

ベルガ「お前なんか安らかに死ぬ価値もない。このスマートフォンは没収だ。それより市民たちがお前にたっぷり礼をしたいってさ。」

市民D「てめえ、よくも俺の友人を殺してくれたな。」

市民E「覚悟しろよ。このナチ野郎。」

ベルガ「後は君らの好きにしろ。僕は何も見なかった。」

佑二「やっ、やめろっ。ぐわあああああぁぁぁぁぁ。」

ベルガ「こっちは片付いた。そっちはどうだ?」

フォレノワール巡査部長「まだです。妨害電波の主電源をどうにかしないと。」

ベルガ「奴から没収したスマートフォンだ。これを使えば妨害電波を解除できるんじゃないか?」

フォレノワール巡査部長「やってみます。」

桃子「ベル、助けてくれてありがとう。その・・・・この前は因縁つけてごめんね。」

ベルガ「あー、あれね。別に良いのに。」

桃子「あたし、ベルの事が好き。婚活法を終わらせたら、あたしともつき合ってほしいの。」

ベルガ「うん、良いよ。」

フォレノワール巡査部長「ちょっと、何どさくさに紛れて愛の告白してるんですか?私の方がベルガさんとのつき合い長いんですよ。私もベルガさんが好きです。仕事のパートナーにはなれませんでしたが、人生のパートナーにはなりたいんです。私ともつき合ってください。」

ベルガ「分かったよ。ノワールはせっかちだな。」

フォレノワール巡査部長「むしろ遅すぎるくらいですよ。あの日に職質してから、あなたが頭から離れませんでした。」

ベルガ「そんな事より、僕はシュトゥルーデルがいる屋上へ向かう。ノワールは市民たちを頼む。じゃあね。」

フォレノワール巡査部長「は、はい。そんな事よりって、やっぱり仕事の方が大事なんですかね?」

桃子「人の特徴には敏感なのに、乙女心にはまだまだ鈍感ね。」

ベルガは屋上へと進んでいたが、ジパング警察の攻撃が激しく、

応戦するだけで精一杯の状態であり、苦戦を強いられていた。

シュトゥルーデル元帥「そういえば、妨害電波は解除できたか?」

ベルガ「まだだ。今ノワールにやらせてる。彼女ならきっとやってくれるさ。」

シュトゥルーデル元帥「お前、彼女とできてるだろ?」

ベルガ「えっ、何で分かったの?」

シュトゥルーデル元帥「顔を見れば分かる。はっ、伏せろっ。うわっ。ここにいちゃ格好の的だ。すぐに下の階に降りるぞ。」

ベルガ「それは良いけど何で?」

シュトゥルーデル元帥「あれは手榴弾だ。あんな物を使われればその内屋上が吹っ飛ぶぞ。」

ベルガ「ノワールからメールだ。妨害電波は解除できたようだ。外に連絡できるぞ。」

シュトゥルーデル元帥「俺は空軍に連絡する。援軍が来るまで時間を稼ぐぞ。」

ベルガ「分かった。だがメールによるとジパング警察が署内に入ってきたらしい。バリケードが不十分だったせいか入口は突破された。」

シュトゥルーデル元帥「ヘクセンハウスの苦労が少し分かった気がするぜ。」

ベルガたちは署内に入ってきたジパング警察を次々と射殺し、

入口へと進んで行ったが数の差で徐々に押し返され始めた。

ベルガ「あの様子じゃ、1階にいた警察官は全滅したようだ。」

シュトゥルーデル元帥「俺たちだけになっちまったか。上の階には市民がいる。絶対に上がらせるな。」

警察官一同「はいっ。」

警察官A「ぐわっ。」

警察官B「があっ。」

ベルガ「くそっ、これまでか。」

シュトゥルーデル元帥「このままじゃ援軍が来る前に全滅だ。ん?ジパング警察が倒れていくぞ。」

ベルガ「外から狙撃を受けているんだ。」

シュトゥルーデル元帥「援軍が来るまではまだ時間がかかるはずだぞ。」

ベルガ「どうやら戻ってきてくれたらしい。」

シュトゥルーデル元帥「誰が戻ってきたんだ?」

ベルガ「外からで見えないから確証はないが、あの正確なヘッドショット。そしてこの銃弾はモシン・ナガンV2のものだ。狙撃手は戦闘に躊躇がなく、鋼の意志を持つ者だ。」

シュトゥルーデル元帥「なるほど、そういう事か。ジパング警察が退いていくぞ。」

ベルガ「ふう、助かった。」

フォレノワール巡査部長「ベルガさん、無事みたいですね。」

マロングラッセ署長「まさかあなたの言った通りになるとは。さっきは失礼しました。私の判断ミスで多くの犠牲を出してしまうなんて、思いもしなかった。」

ベルガ「まあ、済んだ事は悔やんでも仕方ないさ。」

桃子「やっと収まったみたいね。」

ヘクセンハウス元帥「やれやれ、心配になって戻ってきてみればこんな事になっていたとはな。」

ベルガ「大遅刻だぞ。」

ヘクセンハウス元帥「故郷からここまで遠かったんだから仕方ないだろ。」

36ページ目終わり

三低男子の婚活事情 35ページ「安全と不可侵に隠された罠」

2018年10月14日 | 三低男子の婚活事情
ベルガたちは銃の訓練中に女王陛下に対して、

魔法兵器を無力化する方法を聞く事を思いついた。

ヘレントルテ准尉「随分詳しいのね。」

ベルガ「元老院議員になった時に丸暗記したからね。」

ヘクセンハウス元帥「じゃあ私は家に戻るぜ。くれぐれも危険な事に首を突っ込むなよ。」

ベルガ「分かってるよ。」

ヘレントルテ准尉「心配されてるのね。」

ベルガ「僕と一緒にいると事件に巻き込まれるから、みんな僕が何かをやらかさないか心配になっちゃってるんだよねー。」

ヘレントルテ准尉「でも同時に信頼もされてる。じゃなきゃみんなあなたから離れるはずだもの。」

ヘクセンハウス元帥「護衛は代わりの人に頼んでおいたから安心してくれ。」

ベルガたちはギルドカフェへと戻り、

女王陛下に今の状況を話したのである。

ベルガ「というわけなんだ。何か覚えてる事はない?」

メルヘンランド女王「残念ながら昔の事である故あまり覚えておらぬのだが、度々流出した魔法兵器を歴代の魔法官が無力化の魔法で事態を収拾した事は覚えておる。だが無力化の魔法を最後に見たのはもう1000年以上も前なのだ。」

ベルガ「じゃあ、今の魔法官は無力化の魔法を使えない可能性があるって事?」

メルヘンランド女王「その可能性はある。だが不老不死の魔法使いの中には無力化の魔法を覚えている者もおる。」

ヘレントルテ准尉「その人を探すのに骨が折れそうですね。」

リコラ「女王陛下の他にも不老不死の人っていたんですね。」

ベルガ「名前は憶えてるの?」

メルヘンランド女王「あくまでも噂だが、ロムル・オーガスト・ブルートゥルスが不老不死の魔法により、今でもどこかで生きているそうだ。信憑性は低いがな。」

ベルガ「ロムル・オーガスト・ブルートゥルスって・・・・まさかっ。」

メルヘンランド女王「いつか言おうと思ってはいたが、そなたらには話しておこう。ベルはメルヘンランド王国初代国王、ロムルの子孫なのだ。遠戚ならたくさんいるが、妾の知る限りだと今生きておる直系男子はベルだけなのだ。妾はずっとロムルの子孫を探して世界中を旅しておったのだが、見つけた時はベルから数えて10代ほど前で、最後の生き残りの者がロートリンゲン家に婿入りして王国に戻っていたのだ。」

ベルガ「じゃあ僕は女王陛下とも、ロムルの兄弟の子孫であるヘレンとも遠い親戚って事?」

ヘレントルテ准尉「そういう事になるわね。」

リコラ「確か王家であるブルートゥルス家は王制が崩壊した時に新政府の迫害から逃れるために世界中に散らばったって、学生の時に歴史の教科書で読んだ事あるよ。」

ベルガ「婿養子になる事で名字を変え、迫害から逃れていたんだ。王族の子孫たちがロートリンゲン家に婿入りしたり、ウィトゲンシュタイン家に養子入りしたのはそのためだ。今はウィトゲンシュタイン家のように王族の子孫である事をばらしても特に問題はないけど、昔は王族の子孫というだけで迫害を受けていたから、偽名を使うか名字を消すくらいしか解決策がなかったんだ。」

桃子「あっ、ベル、やっと会えた。」

ベルガ「桃子じゃん。どうしたの?」

桃子「ベル、助けて。あたし今ジパング警察に追われてるの。」

ベルガ「ジパングで治療を施した患者が障害者だったために、障害者を匿った罪に問われているんだね。分かったよ。」

桃子「もう驚かないわよ。」

リコラ「お兄ちゃん、この人は?」

ベルガ「この人は北川桃子。ジパングで看護師をしているサバサバしたミーハー女子だ。」

桃子「誰がミーハー女子よ。一言余計だっての。」

全員「えっ?」

ベルガ「今のは銃声だ。」

シュトゥルーデル元帥「ちょっと良いか?」

ベルガ「シュトゥルーデル。どうしたの?」

シュトゥルーデル元帥「弟からしばらくの間ベルの護衛をしてくれって頼まれたんだ。」

ベルガ「それは分かったけど、誰を撃ったの?」

シュトゥルーデル元帥「ジパング警察がギルドカフェまで来てたからな。何の用かと尋ねたらお前を逮捕しに来たと言うもんだから、最初の護衛任務だと思って始末しておいたぜ。」

ベルガ「えっ、僕逮捕されそうになってたんだ。」

桃子「どういう事よ?」

ベルガ「恐らく障害者保護法に全ての障害者を保護する義務を追加した事が原因だろうな。」

シュトゥルーデル元帥「メルヘンランドからは障害者税を全く稼げなくなったから、それで探りを入れたんだろうな。」

ベルガ「そしてその原因が僕である事を突き止めると、黒杉財閥は障害者を保護した者たちを逮捕するために動き出したんだ。これなら桃子が追われている事にも説明がつく。」

桃子「それで、これからどうするの?」

ベルガ「元老院専用ラインには、既にジパング警察の動きを投稿した。メルヘンランド警察が動いてくれると良いが、まずはアウグスト警察署に行こう。あそこが1番安全だろうからな。」

シュトゥルーデル元帥「お前は弟が言った通りの巻き込まれ体質だな。」

ベルガ「酷い。」

シュトゥルーデル元帥「まあ、退屈はせずに済みそうだ。」

ヘレントルテ准尉「それにしても、これはさすがにやりすぎだわ。元老院もさすがに動き出すと思うけど、当分は活動を控えた方が良いんじゃないかしら。」

ベルガ「この程度で活動を止めれば、暴力に訴えれば大人しくなるものだとつけ上がらせる事になる。奴らに弱腰な態度を見せた国の末路を知っているなら、なおさら止めるべきじゃない。」

桃子「ベル、あたしは何度かここに来たから、リコさんとヘレンさんの事は知ってるけど、この人は?」

ベルガ「彼はシュトゥルーデル・ハンス・ハルトマン。王国空軍の元帥だ。」

桃子「あっ、知ってる。1人で帝国自衛隊の一個軍団を壊滅させたっていうメルヘンの魔王。」

シュトゥルーデル元帥「そんな大層なもんじゃないさ。」

ベルガ「桃子もしばらくはメルヘンランド警察に保護してもらった方が良さそうだ。」

桃子「うん、そうする。」

ベルガたちはアウグスト警察署へ行き、

元老院の非常事態宣言を待つ事となった。

ベルガ「リコたちは関係ないから家で待機してもらっている。ヘレンには家に戻ってドボシュと話し合いをしてもらうように言っておいた。僕にできるのはこれだけだ。」

フォレノワール巡査部長「そうですか。ジパング警察はメルヘンランドへの監視を強めて、障害者たちを一斉検挙しようと躍起になってます。あとは元老院が非常事態を宣言するのを待つだけです。」

ベルガ「だが非常事態は2人の執政官が認定しなければ成立しない。あのボルゴが賛成してくれるかどうかだな。」

桃子「非常事態が宣言されたらどうなるの?」

ベルガ「2人の執政官によって元老院議員の中から独裁官が1人指名される。任期は半年で執政官よりも幅広く強い権限を持つ。国家に危機が迫った際に対処してもらう。基本的には執政官の経験者から優先的に選ばれる。任期が来た場合はもちろん、非常事態が解除された場合も即解任となる。防衛戦争の時はボルゴが独裁官に就任してジパングと戦っていたんだ。」

桃子「そうなんだ。でもアウグスト警察署に来てどうするつもりなの?」

ベルガ「さっきノワールに被害届を出した。ジパング警察に対応してもらうのが目的だ。ここにいればジパング警察も簡単には僕に近づけなくなるからな。」

フォレノワール巡査部長「警察が警察の対応をするなんて、全くおかしな話ですよ。」

シュトゥルーデル元帥「ベル、今空軍から緊急のメールがあった。ジパング警察の奴らがこのアウグスト警察署を半径1キロ先から取り囲むような配置にいるらしい。」

ベルガ「取り囲むような配置・・・・はっ、しまった、これは黒杉政次の罠だ。」

シュトゥルーデル元帥「どういう事だ?」

ベルガ「メルヘンランド全域がジパング警察に監視されているはずなのに、首都圏や警察署は全く監視されてなかっただろ。奴らは障害者を保護している人たちを、唯一警戒を解いている警察署に誘導したんだ。奴らは障害者処分法違反者が一箇所に集まるように誘導して一網打尽にするつもりだ。僕らがここまでスムーズに来れた時点で警戒するべきだった。」

桃子「じゃあ、ジパング警察はアウグスト警察署を襲撃する気なの?」

ベルガ「その可能性は非常に高い。ノワール、署長に頼んで署内にいる全ての警察官に厳戒態勢を布いてバリケードを設置するように言ってくれ。」

フォレノワール巡査部長「分かりました。マロングラッセ署長に伝えてきます。」

ベルガ「桃子は他の市民と一緒に避難するんだ。シュトゥルーデルは市民たちを比較的安全な部屋に誘導した後、屋上から他の警察官たちと迎撃準備をしてくれ。」

桃子「分かったわ。」

シュトゥルーデル元帥「了解したぜ。」

フォレノワール巡査部長「ベルガさん、マロンさんには伝えましたが、悪戯と思ったのか信じてくれません。」

ベルガ「マジかよ。僕は署長室に行ってくる。ノワール、同じ部署の部下たちにバリケードを設置してくれ。署長には内緒だ。」

フォレノワール巡査部長「で、でも。署長命令なしでは動けません。」

ベルガ「それじゃジパング警察と何も変わらんぞ。ジパング人には自分の信念がない。だから何の罪もない人たちを襲撃するような、上からの馬鹿げた命令にも従ってしまうんだ。メルヘンランド警察の第一任務は何だ?」

フォレノワール巡査部長「市民の生活を守る事・・・・ベルガさん、私は自分の正義を信じます。それが私の信念です。」

ベルガ「署長は必ず説得する。頼むぞ。」

フォレノワール巡査部長「はい。」

ベルガ「そっちから出向いてくれるとはね。署長室まで行く手間が省けたよ。」

マロングラッセ署長「一体何を考えてるんですか?話はノワールから聞きましたが、さすがのジパング警察でもそんな馬鹿げた事をするはずがありません。」

ベルガ「今ここには障害者処分法違反者が大量に集まってるんだ。そして空軍からの連絡を考えればこの事態は容易に予測できる。」

マロングラッセ署長「しかしジパング警察がここを襲撃すれば、平和条約に違反した事になります。」

ベルガ「平和条約違反の条件は軍が正当防衛以外で軍を攻撃する事だ。ずっと前の戦艦轟沈は第三国の判断で正当防衛が認められた事で平和条約違反にはならなかったが、今回は警察による警察に対する攻撃だ。」

マロングラッセ署長「つまり平和条約違反でない以上は、私たちだけで対処しなければならないという事ですか?」

ベルガ「そういう事だ。恐らく王国軍の支援は受けられない。」

マロングラッセ署長「それはあなたの妄想です。とにかく、部下たちにはバリケードの設置を止めてもらいます。」

ベルガ「だったら僕を撃ち殺してから行け。バリケードがなければみんな死ぬぞ。ただでさえアウグスト警察署は敵からの攻撃を想定していない構造なんだからな。」

マロングラッセ署長「そこの君、彼を逮捕して。取調室に閉じ込めておいて。」

巡査「はい、署長。」

ベルガ「ちょ、おま。離せ。手錠を外せ。おいっ、早まるな。」

巡査「大人しくしろ。早くこっちに来い。」

マロングラッセ署長「ノワール、今すぐバリケードの設置を止めなさい。あなたたちも作業を中止して。」

フォレノワール巡査部長「マロンさん、ベルガさんの推理が正しければジパング警察が襲撃してきますよ。」

マロングラッセ署長「あなたもあの男の妄想に囚われてるのね。すぐにバリケードを外さない者は懲戒解雇にしますよ。」

フォレノワール巡査部長「そ、そんな。もし襲撃されれば打撃を受けますよ。」

マロングラッセ署長「黙りなさい。もう良いわ。あなたには期待していたけどがっかりね。今すぐ辞表を書きなさい。明日から来なくて結構よ。」

フォレノワール巡査部長「・・・・分かりました。でも襲撃に遭った時はこちら側に従ってください。(ベルガさん、ごめんなさい。)」

マロングラッセ署長「あなた、あの男に随分肩入れしているようだけど、もしかして好きなの?」

フォレノワール巡査部長「はい。心から愛してます。」

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三低男子の婚活事情 34ページ「障害者処分法VS障害者保護法」

2018年10月07日 | 三低男子の婚活事情
ベルガたちはポッフェルチェと事実婚の約束をしたものの、

しばらくしてキルシュとバウムが妊娠していた事が発覚した。

バウムクーヘン准将「えっ、どういう事ですか?」

ヘクセンハウス元帥「女子たちから真剣な気持ちを向けられているのに、ベルは全くそれに応えようとしなかったからさ。だからそれを咎めたらこの有り様だ。そういえばファーストキスの後でキルシュからキスされた時に、お返しと言わんばかりに胸を揉みしだいてたな。今思えばあの時にはもう封印が解けていた事に気づくべきだった。」

シャコティス「さっきからまるで彼女たちの方からベルガに交際を迫っているように聞こえるが、ベルガの方から手を出したんじゃないのか?」

キルシュトルテ大佐「シャコさんはベルの事分かってないなー。」

バウムクーヘン准将「ベルガさんは人間関係に関しては完全に受け身ですから、自分から女子を襲う事はまずないんですよ。物に対する執着は非常に強いのに、人には全く興味を持とうとしないんです。だから私たちの方から彼にアプローチするしかないんですよ。」

リコラ「お兄ちゃん、成人するまで友達全然できなかったもんね。」

シャコティス「もういい。とりあえずベルガには何の非もない事は分かった。邪魔したな。」

ベルガ「シャコ、君も本当は平和条約に賛成してないんじゃないか?」

シャコティス「当たり前だろ。ジパングが作った平和条約のせいで、私も毎週婚活を余儀なくされているんだからな。」

ベルガ「それだけじゃないだろ?君はハウスキーパー制度でここへ派遣されてきた王国職員だ。君は大勢の障害者を秘密裏に匿っているせいでジパング警察に追われている。君はバウムの妊娠の事で文句を言いに来ただけじゃなく、匿った障害者たちの安全をどうやって確保すればいいかを相談しに来たんじゃないのか?」

シャコティス「何故それを?」

ベルガ「見れば分かるよ。」

ハウスキーパー資格者のバッジをつけている。 →王国職員でここへ派遣されてきた。

バウムの妊娠に対して熱心に抗議していた。  →正義感が強く仲間思いな性格。

障害者処分法が施行された時期にここへ来た。 →大勢の障害者を匿っており対処に困っている。

時間があるのにすぐに帰宅しようとした。   →ジパング警察に追われている。

シャコティス「バウム、私の事を話したのか?」

バウムクーヘン准将「全く話してませんよ。これがベルガさんです。」

ベルガ「ギルドカフェの仕事だからね。それで、依頼するの?しないの?」

シャコティス「する。正直ここまで頭の切れる人とは思わなかったんでな。私はハウスキーパーとして働いてきて、多くの障害者たちと交流を重ねてきた矢先に障害者処分法が平和条約に組み込まれて、王国内にいる障害者たちが次々とジパングの強制収容所へ連れて行かれた。中には私が面倒を見ていた人もいた。それでいてもたってもいられなくなって施設を回って障害者たちを匿っていたんだ。」

ヘクセンハウス元帥「匿っている人は何人いるんだ?」

シャコティス「少なくとも200人くらいだ。元老院たちは障害者処分法を許しがたい暴挙であると憤慨しているようだが。」

ベルガ「確か今日は元老院議員会議があったはずだ。会議は元老院専用ラインでもできるけど、あいつとは直接話し合わないとな。」

ヘクセンハウス元帥「ボルゴは現実主義者だが保守的なところもある。崩すのは難しいぞ。」

ベルガ「ジパングを放置していたために起きたこの悲劇を考えれば、あいつに考えを改めさせる機会があるとすれば今しかない。シャコ、この依頼は必ず遂行する。だから今は辛抱強く耐えてくれ。とりあえず僕が言った通りに動いてくれ。」

シャコティス「分かった。」

ベルガはヘクセンハウスと共に元老院議事堂へと向かった。

そこにはドボシュやボルゴもいて議論が白熱していたのである。

ベルガ「ボルゴ、これだけジパングの失政による犠牲者が後を絶たない事態になっているのに、まだ手をこまねいているつもりか?」

ボルゴ「今の段階でジパングと戦えば間違いなく負けるぞ。今やジパングは世界一の軍事大国だ。ライス合衆国ですら太刀打ちできない相手となっている以上、従うしかないだろ。」

ベルガ「奴らは自分たちの利益しか頭にない連中だ。この国へ侵攻してくるのも時間の問題だ。平和条約をすぐに破棄するべきだ。」

ボルゴ「それはできない。兵器が流出した上に帝国自衛隊にも魔法が使われるようになったのだから、数で劣るこちらが圧倒的に不利だ。どうやら魔法によるリロードの技術まで流出したみたいでな。それもあってまともにやり合えばまず勝てない事が分かってしまった。」

ベルガ「それも想定済みだ。この前言ったよな。莫大な利益をもたらしてみせると。僕の指揮の下で海軍に海底資源採掘技術の開発をさせていたんだが、そしたら見事にプファンたちがやってくれたよ。もうすぐ海底資源を大量に採掘して保有ができるようになるってさ。」

ボルゴ「それは見事だけど、それが一体どうしたと言うんだい?」

ベルガ「国営海底資源採掘工場が建つ事になった。工場の建築と採掘技術用の部品を作るのに人手が必要だ。それが機械でできるようになるまで時間がかかるから、それまでの間障害者たちを全員雇う事を障害者保護法に追加してくれ。」

ドボシュトルタ「全員雇うのか?」

ベルガ「そうだ。仕事ができる人は一部の人だけで良いんだ。あとはこっちでうまくやるさ。こっちはちゃんと課題をこなしたんだから、今度はボルゴが課題を解決する番だぞ。」

ボルゴ「ふーん、なるほど、そういう事か。君はあくまでジパングに抵抗し続けるわけだね。」

ベルガ「僕は本気だ。この作戦がうまくいったらジパング寄りの政策を考え直してくれ。もう失政に苦しむ人を出したくないんだ。」

ボルゴ「分かった。そこまで言うなら考えておくよ。ドボシュもそれで良いかい?」

ドボシュトルタ「ああ。私もそれで構わない。元々婚活法も無職者処分法も障害者処分法も我が王国には全く合わない法律だ。撤廃とまではいかなくても別の方法で誤魔化す分には良いんじゃないか。」

ベルガ「(いずれ奴らに流出した魔法兵器は僕が壊滅させてやる。)」

ベルガたちはギルドカフェに戻り、数日が経過したのである。

王国内で生き延びた障害者たちは、全員が工場で雇用された。

ベルガ「ヘレン、君がここに来るなんて珍しいね。」

ヘレントルテ准尉「お兄様が障害者たちを全員新しくできる工場で雇うと言い出して、何かおかしいと思って探りを入れたらあなたが一枚噛んでたのね。おおよその作戦はすぐに把握したわ。」

リコラ「お兄ちゃん、一体何を考えてるんだか。」

ヘクセンハウス元帥「何故働けない障害者まで全員雇用するんだ?」

ベルガ「労働者として雇用されている者は障害者と見なされないからだ。」

ヘレントルテ准尉「つまり障害者処分法がなくなるまで、障害者を全員形だけの労働者として雇う事で、強制収容所行きを防ごうという策よ。」

ヘクセンハウス元帥「そうか。障害者処分法では労働者は障害者と見なさないから、全員を国が雇用すれば法律上の障害者はいなくなる。」

ベルガ「その通り。そして労働者が足りないと言って強制収容所からさらに障害者を連れ出して工場で雇う。保護者は人ではなく国だから障害者税も発生しない。婚活イベントを工場の中で行えば婚活法もクリアできるし、ベーシックインカムと給料を合わせて1000メルヘンになるようにすれば無職者処分法もクリアできる。」

リコラ「お兄ちゃん、たまには良い事するんだね。」

ベルガ「僕はいつでも良い事してるよぉー。」

メルヘンランド女王「ベルよ、そなたの活躍は元老院も評価しておる。執政官を目指すのはどうだ?」

ベルガ「僕がやると反感買いそうだし、当分はパスだね。それに権限を持つと相手に警戒されて動き辛くなる。ただの元老院議員だからできる事もあるって事さ。そうだ、1つ頼みがある。」

ヘクセンハウス元帥「何だ?」

ベルガ「僕に銃を教えてくれ。銃を持ってるのに銃を使えないんじゃ丸腰と同じだ。僕が銃を習得すれば護衛の必要もないだろ?」

ヘクセンハウス元帥「そうだな。分かった。じゃあ射撃場にでも行くか。」

ヘレントルテ准尉「私も行くわ。一応私も元老院の財務官だし、銃の腕を上げておくに越した事はないわ。」

ヘクセンハウス元帥「銃の訓練は甘くないぞ。たとえ相棒や令嬢でも手加減はなしだ。」

ベルガたちは射撃場へ行くと射撃訓練を始めるが、

何故かヘクセンハウスが豹変して鬼コーチになった。

ヘクセンハウス元帥「もう一度撃ってみろ。狙いを定めて肩の力を抜け。撃て。」

ベルガ「全然当たらないや。」

ヘレントルテ准尉「的には当たるけど、ヘッドショットはなかなか難しいわね。」

ヘクセンハウス元帥「やる気あんのか?的を激しく憎め。自分の親族を全員殺した極悪非道の敵と思え。何が何でも死に物狂いで、刺し違えてでも当てようとしろ。」

ベルガ「つまりあれを黒杉財閥と思うようにしろという事?」

ヘクセンハウス元帥「何でも良い。あいつだけは何があっても殺すという明確な殺意を持て。あとは私がさっき言った通りにしてみろ。」

ヘレントルテ准尉「分かったわ。狙いを定めて肩の力を抜いて・・・・当たったわ。」

ヘクセンハウス元帥「やっとヘッドショットができたか。ヘレンは筋が良いからすぐに一般の狙撃手レベルには到達するだろうな。」

ベルガ「嘘でしょ?確か銃は初めてなんだよね?」

ヘレントルテ准尉「ええ、銃を支給されてから今日まで全く使った事がないわ。」

ベルガ「僕だって当ててやるさ・・・・うーん、的には当たるようになったけどヘッドショットができないや。」

ヘクセンハウス元帥「ベルは銃を撃った時に銃口がぶれるところがある。もう少し腕の筋肉を鍛えた方がいいな。片手撃ちが安定しないと早撃ちで負けるぞ。」

ベルガ「両手打ちなら何とかなるけど、片手撃ち縛りはきついよ。じゃあヘクセンハウスがお手本見せてよ。」

ヘクセンハウス元帥「しょうがねえなー。よく見とけよ。」

ヘレントルテ准尉「全弾ヘッドショット。まさにメルヘンの死神ね。」

ベルガ「10発撃ったのに的の穴が1つしかない。2発目以降は1発目の穴にかすりもしてないんだろうな。」

ヘレントルテ准尉「どうやったらそんなに当てられるようになるの?」

ヘクセンハウス元帥「練習だ。後はまともに当てられるようになるまでひたすら的を憎んで撃ち続けろ。今日は婚活イベントもないから、私はこの後久しぶりに妻と子供がいる家へ戻るぜ。」

ベルガ「そうか。なら訓練を続けるしかないか。これも単独行動ができるようになるためだ。」

ヘレントルテ准尉「そういえば、ジパングに渡った魔法兵器を無力化したいって言ってたわね。」

ベルガ「うん、それさえできればジパングはリロードができなくなるから長期戦に対応できなくなる。奴らの魔法だけをまとめて処理する方法はないかな?」

ヘレントルテ准尉「女王陛下なら何か知ってるかも。元々は魔法使いの一族なのだし、覚えていなければそれまでだけど、聞いてみる価値はあるんじゃない?」

ベルガ「その手があった。魔法兵器は度々外国へ流出した事があるが、いずれも王国軍魔法官の尽力により、敵勢力のみの魔法兵器無力化に成功している。今回もそれができるはずだ。」

ヘレントルテ准尉「私たちは女王陛下には敬意を払ってるから踏み込んだ質問は恐れ多くてできないけど、社会不適合者のあなたならそんな事を気にせずに聞けるはずよ。」

ベルガ「そうだな、訓練が終わったら女王陛下に聞くか。」

ヘレントルテ准尉「私も魔法官には何度も会った事があるけど、メルヘンランドに伝わる魔法の情報はほとんどが国家機密なのよ。私も詳しい話は聞かせてもらえなかったわ。」

ヘクセンハウス元帥「魔法官って何だ?」

ベルガ「王国軍には魔法科という、兵器に魔力を閉じ込める技術を専門としている科がある。その魔法科を束ねる最高責任者が魔法官で、元老院の政務官でもある。」

ヘレントルテ准尉「随分詳しいのね。」

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