超広角レンズ

2014-02-23 | 機材のこと
物欲はとまらない、、、。

■超広角レンズ
超広角レンズは単に画角が広い、というだけではない。たいていの場合周辺部がゆがむ。
超広角レンズを使う場合、どのような被写体に向いているか?なかなか悩ましい。単純に画角が広いという部分だけで考えると、面白くもなんともない絵作りになってしまう。なので、周辺部がゆがむことをむしろ肯定的にとらえ、これを生かす方がよいのではないかと思う。
すると、超広角レンズを購入するとき、あえてゆがみの大きなレンズを選択する、というやり方もありえる。
私が時々のぞく、レンズのベンチマークサイト。Nikon / Nikkor Full Format Lens Tests / Reviews(photozone)
ゆがみ(このサイトではDistortionと表記されている)に関して、このサイトをのぞいて気づいたこと。
・まったくゆがみのないレンズはたぶんない。
・同じ焦点距離付近の単焦点レンズとズームレンズを比べたとき、一般的にズームレンズの方がゆがみが大きい
・焦点距離で比べると、短いとたる型のゆがみ、長いと糸巻き形のゆがみ、その境目は100mmを超えた辺り。
・ズームレンズの場合、広角側は強いたる型であることが多く、望遠側に向かうにつれたる型が解消される、あるいは、途中から糸巻き型に変わる
、、ということを踏まえ、Nikonのレンズの中で最もゆがみの大きなレンズを探してみた。
これ。
Nikkor AF-S 16-35mm f/4 G(photozone)
このレンズのワイド側で、4.34%のたる型。、、、まあ、この値だけを言われてもまったくピンとは来ないのだが、後述するSigmaの8-16mmのワイド側が3.05%のたる型であることを考えると、このゆがみはかなりのものであることが想像できる。

■ゆがみを利用する、ということ
現役のレンズでありながら、すでに伝説的な存在ともなっているNikonの14-24F2.8。このレンズと上で登場した16-35のどちらを選択するか?といった話題がネット上ではちらほらと見受けられる。その話の中では、さらに最近新型が発売された18-35も交え、「自分が必要とする画角をよく考えた方がいい。可能であれば、まず18-35を使い倒してから、必要であれば、16-35なり、14-24に進めばよい。」という意見もあった。
手持ちのレンズの中にSigma AF 8-16mm f/4.5-5.6というものがある。これはDXフォーマット用ではあるが、D800でも使えないことはないので、久しぶりに使ってみることにした。また、「極端に広い画角に対して、私自身がどういう感覚を持つか?」ということを知るため、基本的に8mm(ワイド端)のみを使うことにした。ちなみに、8mmはDXフォーマット用なので、FX用だと12mmということになる。これは14-24のワイド端よりも画角が広い。








撮っていて思ったこと。
・8mmの画角に最適かどうかはわからないが、被写体は探せば意外とある。
・ゆがみを利用する、という意識はずっとあったのだが、それにあった被写体を見つけることや、その利用はなかなか難しい。
・上の写真の中にはないが、ビルの写真も撮ってみた。超高層ビルの下から上までを全部入れる、といった撮り方をする場合、18mmだと厳しいと感じることが多そう、16mmだとぎりぎり何とか、12mm(DXの8mm)だと余裕過ぎてむしろ困る、、という印象。もちろん、ビルの高さと撮影する場所との位置関係にもよるので、一概には言えない。
・Sigma 8-16mmはDX用のレンズであり、そのため、D800だとファインダーがDXフォーマットに合わせた特殊な状態(クロップモード)になり、残念ながら少し使いづらいと言うか、違和感はある。だが、解像力という意味でのレンズ性能的に、悪いという印象は特にない。

わずか、1、2時間程度の撮影機会であり、それだけを基にあれこれ言うのもなんだが、レンズ選択の際、「ゆがみを積極的に利用する」という考え方は優先度を少し下げてよいのではないかと思った。

■買うか?
Sigma 8-16mmはD90をメインに使っていたころに買ったレンズ。超広角域のレンズはD800用としてはまだ買っていない。買うか?
今のところ考えている選択肢は3つ。
・16-35を購入
メリット=これまで28mmF1.8でやっていたことをこれでできるようになる。
デメリット=そこそこ高い。28mmF1.8、CarlZeiss25mmの出番が激減する可能性。24-85の出番も、、、。結果として手放すことになれば、コスト的にはメリットともいえる。
・14-24を購入
メリット=史上最強レンズ(?)を自分のおもちゃにできる。
デメリット=高い!CarlZeiss25mmの出番が激減する可能性。
・買わない
メリット=お金は減らない
デメリット=超広角域はDX用のSigma 8-16でがんばる

最近知ったこと(2014年2月)

2014-02-19 | 機材のこと
■Xperiaのカメラの画角は28mm相当
最近使い始めたスマホXperia。
ふと思いつきで調べてみたのだが、カメラのレンズはNikkor 28mmF1.8とほぼ同じ画角であることが判明。

■Xperiaのカメラのレンズの逆光耐性はちょっと残念
夜、比較的近くにある街灯をフレームに入れて撮影したところ、フレアが発生、全体に白っぽくなってしまった。が、太陽を入れて撮った場合、フレアが発生しているようには見えるものの、それほどきつくはない感じ。どうも、比較的近くにある強い点光源に弱いらしい。

■レンズ情報の登録機能(その1)
「Ai Nikkor」の場合、ボディー側のダイヤルでは絞りをコントロールできない。しかし、ボディー側に情報は来ている(ファインダーをのぞくと、開放だと△F0、1段絞ると△F1、、といった表示が確認できる)。その割りに、写真のデータには反映されておらず、残念だなあ、と思っていた。
その話を知り合いにしたところ、「え?何で登録しないんですか?」と。
セットアップメニューに「レンズ情報手動設定」がある。ここで、レンズの開放F値と焦点距離をいくつか登録することができる。この情報を利用して、カメラが写真のデータにF値、焦点距離を記録することができる。

■レンズ情報の登録機能(その2)
注意点がある。
この情報は、あくまで使用者がカメラのボディーに「今こういうレンズを使っているよ」と言う情報を教えてあげるためのもの。
レンズ側は、、
・焦点距離の情報をボディーには伝えていない
・絞りの情報は開放をゼロとして、今現在、何段絞っているか、という情報のみ伝えている
ので、そういうレンズを複数使っている場合、レンズを換えたタイミングで、変更してあげないと、おかしな情報が記録されることになる。
まあ、、、レンズ情報登録マクロのようなもの。複数のパラメータを登録しておくことができるが、レンズが「Ai Nikkor」の場合、ボディーはどんなレンズが装着されているか判断できないので、使用者が切り替えてあげてね、、と言うこと。

■最短撮影距離付近の被写界深度
85mmF1.8で試してみた。目測なので、全く厳密なものではないが、、、。参考までに、85mmF1.8の最短撮影距離は0.8m(カタログスペック)。
・F1.8、9-10mm程度
・F4.0、10-12mm程度
・F5.6、15-18mm程度
ボケ方の印象はかなり変わるのだが(開いているほど、ピントが合っている範囲を外れると急激にボケる)、ピントが合っている範囲は少し絞ったくらいではほとんど変わらない。
少し離れ、1.5mくらいにするとこんな感じに変わる。
・F1.8、32-33mm程度
・F4.0、55-60mm程度
・F5.6、70-80mm程度
このくらいになると、絞ったら目に見えてピントが合っている範囲が変わる感じ。

ニコカレにて

2014-02-15 | 日記
1月からニコンカレッジの講座のひとつに参加している。今日、先週開催された撮影実習の講評があって、ニコンプラザ大阪に向かったのだが、ちょっとした事件があった。

なんと、ニコンプラザ大阪がお休み、、。会場はニコンプラザ大阪に隣接する講義室で、通常は、いったんニコンプラザ大阪に入る。でもその入り口のドアが開かない。
「え?じゃ、どうやって入るの?」
事務局から受講者への連絡は特になかった。
先生の講義、講評時のアシスタントもその場にいたが、話は聞いておらず、事務局に確認している様子。
そうしているうちに先生登場。先生も聞いてない、、、。

結果から言うと、ある偶然の賜物で、無事、講評会は時間どおりに行われた。

どこまでが事実か定かでないので、細かいことはここでは書かないが、少なくとも大阪で(さらに言うなら土曜に)開催されるニコンカレッジの講座のスタッフと東京にある事務局との連絡体制はかなり危ういもので、今回のことはいつか必ず起こることが、たまたま今日だっただけ、という印象。

少なくとも、当分の間はニコンのカメラと付き合っていくが、まあ、なんとも残念なお話。
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2/19追記
マネージャ名で、詫び状が来た。

リバースアダプター

2014-02-12 | 機材のこと
ニコンではこの部品?に対して特に名前をつけていない。同様の製品がどのように呼ばれているか、ネットで調べてみた範囲では、リバースアダプター、もしくはリバースリングアダプターなどがあるらしい。ここでは、リバースアダプターとしておく。
機材選びは楽しいね!■交換レンズ編(Caruli's Digital Cameras)
、、、このページ。リバースアダプターというものが存在していることは知っていたが、まさかそれをニコンが売っているとは知らなかった。このページがいつ書かれたものか不明だったので、念のため、ニコンダイレクトのページをのぞきに行くと、普通に売っていた。
で、買ってきた。


マウント面のすぐ左側にあるギザギザ。ニコンではBR-2Aと言う商品名で売られている、リバースアダプター。
レンズの後ろ玉が露出していて、見るからに変な感じ。

■使ってみた
使用しているレンズはAiニッコール28mmF2.8。上のページによると、最大撮影倍率は2.0倍らしい。この撮影倍率は無論、近寄ることによって実現している。確かにものすごく寄れる。
が、、、いくつか難点がある。

・最小絞り辺りにしておくと、ファインダーをのぞいても何も見えない。絞りは、レンズの中ではボディーに近い側に配置されている。レンズを逆向きにつけるとボディーから離れてしまうため、光の通り道が極端に狭くなる。結果、最小絞りなどにしてしまうと極めてわずかの光しかボディー内には届かないことになるため、と思われる。ちなみに、光が全く届かなくなるわけではないので、絞っても撮影そのものは可能である。
・理由はわからないが、ピントリングが使用できない。物理的に動かないわけではないのだが、回しても像が全く変化しない。結果として、ピント位置を調節するためには、カメラと被写体の距離を物理的に変化させる以外に方法が無い。
・ものすごく寄れるのだが、言い換えると、ものすごく寄ったところでしかピントが合わない。

結果として撮影手順はこんな感じになる。
1.絞りを開放にする
2.カメラか被写体を物理的に移動してピント位置を調節する
3.適宜、被写界深度を調節する(絞る)
4.撮影する

率直に言って、とても使いづらい。ずばり、接写専用レンズ、となってしまう。

しかし、よくニコン自身がこんな製品を売っているなと、正直なところ驚いた。手にしたレンズをとにかくしゃぶりつくしてほしい、という気持ちの表れ、だろうか?

古いレンズを買った(その2)

2014-02-08 | 機材のこと
200mmマクロレンズを買った。Aiマイクロニッコール200mmF4。Sではない方。幸いにして、生活を壊すような値段ではないのだが、物欲が止まらない。それはさておき。

主たる目的はマクロレンズ使用時のワーキングディスタンスの確保。60mmマクロでドアップの撮影をしようとすると、どうしても超近接撮影になる。フードなどつけようものなら、フードが被写体に当たってしまうくらい。で、どうしようかと迷っていたところ、古いマイクロニッコールなら3万程度で入手できることがわかり、ようやく決心したのだった。

調べていてふと気づいたのだが、どうも古い時代のマクロレンズは最大撮影倍率が1ではなく(200mmに限らない)、1/2のようなのだった。最初、Wikipediaで最短撮影距離を調べると、0.71mで、けっこう長いなと思った。AiAFマイクロニッコールは0.5m。20cmも違う。最初はスルーしていたのだが気になって見つけたのが、このページ>。最大撮影倍率自体は書いていないが、「中間リング使用で1/2から等倍まで撮影可能」とある。つまり、1/2から等倍までは「中間リング使用」が前提なのだ。

■中間リング
さて、、中間リングとは何ぞや??調べていてその存在を初めて知った。
実は、物理的にはただの金属の輪っかである。テレコンなどと異なり、中にはレンズはおろか、ガラスすら入ってない。これをテレコンのようにレンズとボディーの間に装着する。
ちゃんと調べ切れていないのだが、想像するにはこうだ。
本来一眼レフは光学的には厳密な設計がなされていて、いわゆるフランジバックなどは正確な距離がマウントごとに決まっている。しかしこれはおそらくオートフォーカスシステムの精度を保証するためだ。マニュアルによるフォーカシングを行うのであれば、少々長くなる分には問題ないのだろう(たぶん)。
こんなページがある。
あなたのレンズの近接撮影時の実効焦点距離(KENのつぶやき)
--<引用ここから>--
レンズが理想的に薄い単玉であった場合の、実効焦点距離fと、レンズ中心部から被写体までの距離a、レンズのバックフォーカス(中心部からフィルムまでの距離)b、撮影距離L、撮影倍率Mの関係は、下の絵の上段の様な関係になります。
(1/a)+(1/b)=(1/f)
M=b/a
L=a+b
--<引用ここまで>--
中間リングを装着する、と言うことはこの中でaの値を大きくすることに当たる。fが変わらないとすると(本当にそうなるかは私は知らないが、上記ページの実効焦点距離の表で比べると実はほぼ変わらないようだ)、相対的にbは小さくなる。結果的に撮影倍率は大きくなる、と言う話、、、。

中間リングは実はニコンも売っていたりする。ただの輪っかなのに、1個7千円もする、、、。しかも3種類あって、、、それを組合わせて使うとか書いてある、、。少し買う気が失せていたところ、こんなページを発見。
機材選びは楽しいね!■交換レンズ編(Caruli's Digital Cameras)
これを見るとリバースマウント用のアダプタBR-2A、BR-3を組合わせることで、中間リングになる、、とか書いてある。(リバースマウントの件はまた、別エントリで書くが、)これならとりあえず4000円程度の出費。これを中間リングとして試してみることにした、、。

■中間リングによる効果は?
最短撮影距離は実際のところどのくらいになるのか測ってみた。
中間リング無し=約71cm
中間リング有り=約67cm
当たり前の話ではあるのだが、中間リング無しで実測したとき、本当に(約)71cmであったことにはちょっと感動。中間リング有りだと4cm短くなった。正直なところ、もっと劇的に短くなることを予想していたので、差がわずか4cmであったことに少々驚いた。
最大撮影倍率についてはどうか?下の写真。ピントが合っている位置をわかりやすくするため、絞りは開放。1枚目は中間リング無し。2枚目は有り。
1枚目、ピントが合っている点での上から下まで長さはおおよそ48mm。これも厳密な測定ではないが、センサーサイズの縦24mmの2倍。つまり最大撮影倍率は1/2倍。


2枚目、ピントが合っている点での上から下まで長さはおおよそ36mm。これはセンサーサイズの縦の1.5倍。つまり最大撮影倍率は(約)2/3倍。


劇的ではないが、確かに向上した。ただ一方で、「等倍」を得たいのであれば、中間リングを追加するなどの手段を講じる必要がある。

■レンズ性能はどうなのか?
せっかく買ったレンズをマクロ撮影のみ、と言うのももったいないので、70-200F2.8と比較してみることにした。マイクロの方にはF2.8には無いので、F4~F22出1段ずつの比較。例によって、ここには載せづらい写真なので、コメントだけ。
以下では、、Aiマイクロニッコール200mmF4は「マイクロ」、AF-Sズームニッコール70-200mmF2.8G ED VR IIは「F2.8」と記述する。
・F4~F11の中央部。マイクロの方が少し解像度が足りない感じ。
・F4の周辺部。ポイントは二つ。マイクロの周辺光量不足がかなりきつい。中央と比較して4段前後落ちているのではないか?解像力の落ち込み。これもかなりきつい。
・F8の周辺部。マイクロの周辺光量不足はかなり改善された。解像力の落ち込みはまだまだひどい。
・F16の中央部。解像力の差はほとんど感じない。
・F16の周辺部。まだまだ差はあるが、マイクロの解像はモヤっとしている程度に改善された。
・F22の中央部。マイクロの方が良いように感じる。
・F22の周辺部。F2.8の方が良いものの、マイクロとの差はあまり無いといっても良い程度。
まとめると、、、
・基本的なレンズ性能はやはりF2.8の方が上。
・中央部から周辺部にかけての解像力の落ち込みはマイクロの方が大きい。
・マイクロの周辺光量不足はかなり顕著。
・光の回折の影響はF2.8>マイクロであり、絞り込むと解像力が逆転するほど。
言えることは、、、
・マイクロに3600万画素は多すぎる。
・F2.8は絞り込むとあまりおいしくない。