色々な環境での撮影

2012-10-28 | 撮影のこと
ここしばらくは早朝に朝焼けの撮影をしたり、夕方に夕焼け、あるいは日が沈んだ後の撮影をすることが多かった。
例えばこんな写真、、。


早朝、夕方のよいところは、空や太陽光が反射する水面などを入れると、全体としての色の美しさを心配する必要があまりないこと。

7月に写真仲間と(というよりは、連れられて、と言う方が近いが)栂池自然園に行った。天候は主に曇り、雨。夜間の星の撮影なども予定に入れていたため、その意味ではあいにくの天気ではあった。
しかし、一方で「自然園の植物」、の撮影に関してはむしろ好ましい天気でもあった。
例えばこんな写真、、。


曇りや雨の場合、雲と言う強力なディフューザのおかげで、「一方向からの強すぎる光」が「おおむね全体に回るやや弱い光」に変わるため、こういう写真を撮るのにはむしろ適している。
いずれの場合も、、同じ場所ばかりだとワンパターンになってつまらない(「お!」と思った時には、そんなことは全く考えずに反射的にカメラを構えてしまうが、、)ので、よいロケーションを探していくことが、経験を積んで次のステップに上がるのに必要なことといえる。


では、もっと基本的な状況、晴れの日の日中は、どういう観点で被写体を選択すればよいか?
ここが実は今、少し困っているところ。今と言うよりは、ずっとかも知れないが。
今やることは、、
・進歩していると思えることは、もっと進歩させるべく経験を積むこと
・よくわからないことは、あまり深く考えずにとりあえず色々やってみること
・経験を整理しておき、次回以降の撮影に生かすこと
、、だろうか。

前田真三

2012-10-20 | 撮影のこと
、、という写真家がいた。すでに故人。1998年に亡くなっている。没後に前田真三賞という風景写真の写真賞が設けられた(実際には旧来行われていた別の写真賞が改名されたようだ)ことでも知られる。
氏が撮影した写真はWeb上で一部見たことはあるものの、写真集などは見たことがなかった。先日本屋に寄った際、氏の写真集が2冊並んでいたのでそのひとつ「四季彩歳」を衝動的に購入した。

見てみると、、、すべてHasselblad c/mというカメラで撮影されている。大判、中判といったカメラには疎いので詳しくないが、6X6のフィルムらしい。
氏の写真の中でもっとも有名かつインパクトのある写真は麦秋鮮烈。このような写真が含まれていることを少し期待していたが、そういう写真は無かった。
全体を通して見た、率直な感想は、、、
構図は比較的シンプル。いわゆる日の丸構図のようなものもいくつか見られる。その一方で、余計なものがフレームの中に入らないように細心の注意を払って撮影されている。「おお!すごい!」というものは無い一方で、誰にでもすぐ撮れそう、、というものも無い。そういう意味でプロらしい写真集、という印象。

写真一枚一枚にコメントか添えられているが、何度か登場するコメントに「最近ではどこに行っても風景に色々な邪魔者が入ってしまう」というものがある。邪魔者とは電柱/電線、看板など、風景にそぐわない人工物のこと。氏が本格的に写真に取り組み始めたのが1960年代。この写真集の写真が撮影されたのが1990年頃。経済発展が無ければ、カメラに関する技術も進まなかっただろうとは言え、その一方で、風景写真家にとってはある意味「不倶戴天の敵」的存在の人工物は経済発展による産物といってよいわけで、、。痛し痒しの側面を氏もよく感じておられたようだ。

そのコメントやあとがきの中から、ノウハウ的なものをいくつか。
・風景の基本は広角レンズにあると思う
・大きな風景、小さな風景、より難しいのが大きな風景
・露出やレンズで迷うようであれば、あえて「撮らない」
・下から見上げて撮る場合、露出不足になりやすいので、思い切って明るめに