古いレンズを買った

2014-01-26 | 機材のこと
ノスタルジーに浸る趣味は皆無と言うわけではないが、そういう理由からではない。
Canonetふたたび、のエントリの中で書いた「少し確認したいことがある」、その道具として、古いレンズを使ってみたかったからだ。
確認したいこと、を簡単にまとめておく。以下の写真を見て、私はこう思った。「昭和の写真ぽい、というか、古ぼけた感じがする。D800などで撮ると、こうはならない」
小さなサイズだと、伝わりづらいのではあるが、、。

なぜそう感じるのかがよくわからない。で、少し考えてみた。
これはどのような写真かというと、Canonetで撮影し、写真屋(Yodobashi)に持ち込み、現像+フィルムスキャンしてもらったもの。ちなみに、、すべての写真でこのように感じるかと言うと、それはまた違って、そう感じるのは一部だけである。
大雑把に以下の原因が考えられる。
・レンズ由来
・フィルム由来
・スキャナー由来
・写真のなんらかの特徴によるもの
一つずつ見ていく。
レンズ。原因のすべてかはわからないが、かかわっているとは思っている。
フィルム。これは昔も今も使われている富士フィルムの135のものである。一番安いものではあるが。原因であるとは考えにくいと思っている。
スキャナー。DPE店に置かれている(?)業務用のものなので、性能的には個人が使用しているものよりも上のものだと思いたい。ただ、出力されるデータの画素数が現在一般的なデジタルカメラからするとかなり少ない(200万画素程度)。これに関しては、調べると言っても限度があるので、とりあえず放っておく。
写真のなんらかの特徴によるものである可能性はある。以下のようなページがある。
写真を古ぼけた感じにする
上の写真は、だいぶ前にプリントしているものをスキャンしたと言うわけではないので、ここで書かれていることは必ずしも当てはまらないと思う。ただ、なんとなく言えそうなことは、
・コントラストが高い
・解像力が低い
・ややノイジー
と言うことが、古ぼけている印象にはかかわっていそうである。3点目に関しては、スキャナー由来の可能性があるので、いったん置いておき、レンズ由来の可能性を探ってみたいと思った。

どのようなレンズがよいのか。
残念ながら、Canonetと同じレンズというのは不可能。そもそもレンズ交換型のCanonet自体が存在しないし、仮に今手元にある本体から取り外しが可能だったとしても、D90やD800に装着することは不可能だ。すると同じ時期、もしくは近い時期のレンズ、と言うことになる。
試すなら残念ながらCanonではなく、Nikon、と言うことになってしまうのだが、こんなWikipediaのページがある。
ニコンFマウントレンズの一覧
これを参照しつつ、古いレンズを取り扱っている店をのぞいてみることにした。
Canonetと同じ時期、というとこの中ではニッコールオートと呼ばれるシリーズになる。ただ、D800に装着することを考えると一般に「Ai改造」と呼ばれる対処をしていないと、そもそも物理的な装着ができないらしい。まあ、改造、と言ってもやることは原始的で、装着するに当たって物理的に干渉する部分があるので、そこをヤスリで削る、と言うことなのだが。これはこれでハードルが少し高いので、いったん後回しにする。

八尾富写真機店で古いレンズを見ていて、目を引くものがあった。
Aiニッコール28mmF2.8
なるべく古いのがよい、なるべく広角がよい、という程度の基準で見ていたので、目移りして困っていた。Aiニッコール28mmF2.8は見たところ3個あって、うち2個は2万5千円程度。ところが残る1個が1万円弱。これを店員に頼んで見せてもらうと、どうも、何かとがった金属でイニシャルを彫った跡がある。これが極端に安い理由らしい。レンズとして使えれば、そういう「跡」などは正直言ってどうでもよかったので、これを購入することにした。

ちなみに、上記Wikipediaによると1977年3月から発売になっているらしい。

■使った印象と検証結果
28mmという焦点距離に関しては、手元に28mmF1.8があるので実はとても都合がよかった。そういう意味ではよい出合いでもあった。で、撮り比べてみたのだが、、。撮ったのは、太陽光がやや弱くなった夕方の写真。残念ながらここには載せられない。
・中央部付近に関しては、大きな差はないがF2.8の方が解像度が低いかもしれない。ただ、これはそもそもピントの合わせ方が甘い可能性がある。
・周辺部に関しては、解像力に明らかな差がある。
・逆光耐性に関してはコーティングの差でF1.8が圧勝(当たり前)。
・F2.8の方が若干寒色系?全体を見る限り太陽光の差はほとんど無いと思われるので、その影響ではないと思うが、、、。
・F2.8の方はノスタルジックか???と言われると、特にそんな印象はない。これはコントラストが高い状況を必要とする可能性が高いので、今回のテストではなんとも言えない。

、、、簡単に言えば、まだよくわからない、ということだ。
私なりの結論を下すにはまだ時間がかかりそうだ。
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余談。
全然別の理由から、200mmマクロレンズがほしくなった。現行モデルは定価で20万。これはとても買う気にならないが、八尾富写真機店においてあった2世代前?の個体は3、4万程度であった。逆光性能を必要とする場面での使用は考えていないので、これはありかも。D800で解像度の問題が出るなら、D90で使えばいいし。


Canonetふたたび

2014-01-14 | 機材のこと
しばらくぶり、、、約1年ぶりにCanonetを使ってみた。しかし、残念な結末。以下はその経緯。

フィルム1本目。私の無知?による初歩的な失敗でフィルムを感光させてしまった。フィルムをセットするとき、うまく設定できていないように思ったので、何度か裏ブタを開けてしまったのだった。
フィルム2、3本目。裏ブタを開けずとも、うまく行くことをようやく理解し、次のフィルム、その次のフィルムを使って撮影した。しかし、今度は「未露光」、、と言う結果。
ネットでいろいろと調べてみた上での、私の推定。
「レンズシャッターが開いてないから」
機械的な仕組み?が生きていれば、フィルムが入っていない状態でも、シャッターボタンを押せば、レンズシャッターが反応するらしい。露出計は機能している(=セレンの部分は生きている)ので、相応の露出であれば、レンズシャッターは開くらしい。しかし、ウンともスンとも言わない。
ただ、これは知識の乏しい私の推定に過ぎないので、クラシックなカメラも取り扱っている二つのカメラ屋に持って行ってみた。
1軒目、八尾富。「レンズシャッターが反応していない。これは無理。」
2軒目、大林カメラ。「まず無理。古過ぎる。」
新しい情報が得られたわけではない。しいて言うなら、「修理が必要であり、その修理がまず無理であろう」と言うこと。大林カメラでは、100%無理とまでは言われなかったので、あとは私しだい。

私の思いとしては、
・このカメラそのものを使いたい
・過去にこのカメラで撮った写真について、少し確認したいことがある
、、と言う2点が半々くらい。後者については、必ずしもこのカメラでなければ、と言うことは無い。

少し時間を置いてから、次の展開を考えようと思う。

残念な気分になってしまったので、気分治しに、最近あまり使っていない、D90で撮ってみた。


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もう少し調べてみた。
以下のYahoo!知恵袋のページ
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1110413181
から、、、
早田カメラ
http://www.hayatacamera.co.jp/maintenance/pricelist.html
、、だと5万円程度で修理は可能らしい。
また、Canonetの修理が可能かは不明だが、
http://www.kanto-cs.co.jp/index.html
も、一応、古いカメラの修理が可能らしい。


ニコンDfについて

2014-01-06 | 機材のこと
ニコンプラザや、Yodobashiで触ってみた。
簡単に言うと、私にはかなり使いづらそうなカメラ、である。
D90からスタートして、現在D800を使っている私としては、全く異質の操作系である。ダイヤルを増やし、肩の部分の液晶を極限?まで小さくした。
私は設定を確認するとき、ファインダーをのぞくか、肩の部分の液晶で行うことが多い。そのため、肩の部分の液晶を小さくされると、、、正直言ってかなり困る。
極めつけはAEモードの設定変更。まあ、これは1回決めるとほとんど変更することはないとはいえ、変更方法が斬新過ぎる。私は最初全くわからなかった。なんと、ダイヤルを引っ張りあげて回すのだ。
D800とDf、、これを両方使うような状況は避けたい。もろもろの設定ミスが、続発するだろうから。

おそらくこのDfは、Df以外のラインナップと共存して使われることを想定していないと思う(むしろ富士フィルムのX-ProやX-Eなら、似ているので共存させやすいかも)。イメージセンサーは画素数的にも、D4で使われているもの、と言うことからもとても魅力的だが、私がこれを使うとするとそれは私がD800を使わなくなったときだと思う。

田貫湖越しの富士

2014-01-03 | 撮影地メモ
花灯路に行った仲間とは別の写真部のメンバーと今度は富士山に行ってきた。
宿泊場所に関しては非常に「・・・・」な場所だったが、写真の収穫は多かった。
ちなみに場所は、、田貫湖キャンプ場、、、のバンガローサイト。
写真の収穫は最後にするとして、今後につながっていくことに関して、まとめておく。

■月は無慈悲な夜の女王
、、、というのは、ロバート・ハインラインの小説のタイトルで、写真とはまるで関係ないが、月にまつわる撮影は本当に楽しいし、意欲がわく。
富士山の稜線から月が現れるときの撮影は、撮影自体にハラハラドキドキ、撮影結果にハラハラドキドキ。撮影結果を見て盛大に失敗をしていても、それはそれで、楽しめたからまあいいかとさえ思える。
また、月照(げっしょう)とも呼ばれる、月の灯りでの撮影は本当に幻想的。

■焦点距離について
今回持って行ったレンズは、70-200mmF2.8、60mmF2.8、25mmF2.8、あとは2倍のテレコンバータ。利便性を考え、あえて標準ズームは持っていかなかった(理由は「テープがやっぱり必要」にて」)。
田貫湖から湖越しに撮影する場合、横構図で25mmは広すぎる。60mmだとそれなりだが、少々中途半端。200mmだと「大沢崩れ」を横構図の縦で余裕を持って捉えられる感じ。
ただ、25mmでも1.2倍クロップだと適当に両端のものが切れてくれるので、余計なものを写さず、かつなるべく広くという意味では30~35mm辺りが適当だろうと思う。

■テープがやっぱり必要
星撮り用に、無限遠合わせの必要のないZEISS 25mmF2.8を持って行った。これは、無限遠に合わせておけば、星撮り用でも実質的に星のピント合わせ=無限遠として機能してくれるので、その意味でお手軽。で、実際そのように使ったのだが、何かの拍子に(レンズを触ってしまったときに?)レンズに触ってしまったとき、ずれてしまっていた。テープなどで固定しておけば、発生しなかったミス。
やはり、無限遠に合わせること自体は簡単であっても、百パーセントそうであることを保証するためには、相応のツール、もしくは対処が必要である。
ちなみに、、失敗分

成功分

いずれも等倍。縮小した表示であれば、ほとんどわからないレベルではあるが、こうやって比べて見てみると、やはり気になる。

■寒さは思考力や意欲を奪う
別に寒さに限ったことではないが、人間の生理に直接影響を及ぼす状況は、撮影という作業にとって、はっきりと悪い環境である。

■桜の木の存在の良し悪し
桜越しに富士を見る、というのは確かに風情があってよいとは思うものの、葉も花びらもすっかり落ちた枝だけが、フレームに侵入している状況は正直なところうれしくない。
足元が凍っている箇所も多々ある、しかも、湖の際での夜間撮影ということで、安全面を考慮し、(25mmの縦構図で)桜の枝を完全にフレームアウトできる場所を徹底的に探す、ということはしなかった。したがって、一部の写真においては、意図的に入れたわけではなく、妥協の産物、あるいは不注意の産物としてフレームに枝が入り込んでいる。

■防寒に靴は重要
雪があるような状況で、かつ、気温が氷点下になるような状況では、スニーカーよりは地が厚めのトレッキングシューズ+薄いソックス2枚程度では対抗不可能。とにかく爪先がつらい。相応の靴に、携帯カイロを靴下の裏に張るような対処が必要。

■風がないと意外と寒くない
正確な気温はわからないが、夜間撮影時の気温は零度から氷点下1、2度と言ったところ。そういう環境でも冬山なんて登らない、居住地は都会、という人が「防寒」と考える普通の装備をしていけば、おおむね大丈夫。
大敵は風と時間。とにかく風は極端に体感温度を下げる。また、「おおむね大丈夫」と上には書いたものの、それは定期的に体を温める環境があれば、という条件付であり、それがないとかなりつらい環境となる。

■写真
ここには書かないが、別の某写真投稿サイトにも同じ写真を載せてある。