2012夏の撮影行まとめ(第2回 仙台篇)

2012-08-28 | 撮影地メモ
◆◆松島◆◆
午前の飛行機に乗ってお昼頃仙台入り。チェックインの時間には早いので、カメラ関連以外の荷物はコインロッカーに入れて、東北本線で松島まで。あまり細かい予定は決めていなかったが、現地での判断で、遊覧船に乗り、その後、瑞巌寺(ずいがんじ)へ。瑞巌寺をひととおり巡り、帰りは松島海岸駅より仙石線を使って仙台へ。松島海岸駅に到着する頃に雨が降り出した。
ビューポイント
強いてあげるなら、瑞巌寺の杉並木。


実を言うと、松島は先の震災で津波に襲われている。しかし、松島の島々が防波堤の役割を果たしたようで、震源から近いことを考えれば、驚くほど被害は少なかったようだ。松島という防波堤の助けが無かったすぐそばの奥松島という町は大変大きな被害があったらしい。
そのような被害のあった松島だが、今ではほぼ元通り、観光客相手の店も営業を再開しているようで、その点は大変喜ばしい。

◎反省点等
遊覧船には乗ったものの、率直に言って、松島は船から眺めるものではないと思った。高台から俯瞰してこその松島だと思う。遊覧船は、完全にかもめの餌付け船と化しており、かもめの写真、かもめを餌付けしているところの写真以外を落ち着いて撮るのは不可能。松島海岸駅のホームは少し高台になっていて、松島を眺めることは可能だが、例によって電線の嵐となっており、ゲージツ写真向きではない。

◎残課題
もう一度行っても、得るものは少なそうな印象。

◆◆東北大学◆◆
松島から仙台駅まで戻ってくると雨は上がっていた。それどころか日が差していた。場所によってはよい写真が撮れそう、と思ったので、バスで、広瀬川の辺りまで行ってみた。バス停付近はすでに高台の陰になっていた。少し高台の方に登っていくと、よい感じで日が差し込んで来ており、少しの時間ではあっても、撮影ができそうだった。
太陽が斜めから差し込んできており、並木道などに美しい、光の明暗や色のコントラストを作っていた。太陽に勝る演出家はいないと、改めて思った。
撮影ポイント
東北大学百周年記念会館 川内萩ホール前





◎反省点等
思い付きで来てみただけなので、時間がない、と言うのは承知の上。おそらくは、昼の間に来ても途方に暮れていたような気がする。

◎残課題
思い付きで来た分、成功も失敗もそれなりに受け入れられる。機会があったらまた来たいという思いはあるが、今回、何かやり残した、という感じはない。


◆◆奥新川◆◆
仙台滞在二日目。
今回の撮影行、宿泊地から徒歩などで移動可能な場合を除き、基本的に夜の撮影は無し。どの撮影地についても、その日の早い時間帯に現地に移動、日中、撮影を実施し、おおむね夜になる前には宿泊地に帰る、という方針で臨んでいる。仙台滞在中の撮影地として、まず、松島は早い段階で確定していたが、もう一箇所はどうしよう?としばらく迷っていた。
仙台周辺で、仙台から日帰りで行けるちょっとした観光地を探しているときに見つけたのがここ、奥新川(おくにっかわ)。いわゆる乗り鉄的観点では、秘境駅としても知られているようで、その点でも興味を引いた。
仙台からのアクセスは仙山線(せんざんせん)を使って、普通列車で50分ほど。
撮影ポイント
、、、見つけることができなかった。

◎反省点等
秘境駅とは言っても、人は住んでいる。また、キャンプ場が存在しており、ある程度利用者もいるようだった。そのため、少なくとも駅周辺では撮影ポイントを見つけるのはかなり難しい。
自動車を利用して、周辺を回れば、見つけることはできるかもしれないが。

◎残課題
もう一度来たいという思いは特に無い。

2012夏の撮影行まとめ(第1回)

2012-08-25 | 撮影地メモ
今年の夏は長めの休みが取れたので、前半後半に分けて大きく2つのエリアへの撮影行を実施した。
一つは四国。一つは東北。
四国のポイントは2箇所。一つ目は、櫃石島(ひついしじま)と与島(よしま)。いわゆる瀬戸大橋=本州四国連絡橋児島坂出ルート、、、は帰省のたびに電車で通過するのだが、実は橋の下の島には一度も降りたことが無かった。そこで、思い立ったが吉日、ということで降りてみようと思った。もう一つは高知県四万十市、と言うか四万十川。高知県には久しく行ったことがなかったので、行ってみたいと思った。ただ、高知市内などはあまりピンと来るものがなかったのと、「やっぱり四万十川でしょう!」ということで、四万十川へ。四万十川といってもその流域は極めて広大なので、土佐くろしお鉄道の中村駅を起点に、上流に向かって、行ける範囲で実施した。
東北のポイントは大きく2つ、仙台周辺と、角館周辺。それぞれ、仙台周辺では松島と奥新川(おくにっかわ)、角館周辺では秋田内陸縦貫線と角館の武家屋敷界隈。東北へ行こうと思ったのは、「東北に金を落とす」という意味合いを含んでのことではあるのだが、私自身の47都道府県への訪問状況を調べて見たとき、秋田と宮城が「通過したことがある」レベルだったこと。正確には秋田には「滞在したこと」はあるのだが、青森県(十和田湖周辺)に宿泊し、昼間の散策で30分ほど、秋田県境を越えた、という程度だった。なので、秋田と宮城に「宿泊」するという形で足跡を残そうと思った。
以下では、各ポイントについて、成功したこと、失敗したこと、気づいたこと、知ったこと、残課題、、と言った観点から、何回かに分けて記述して行こうと思う。

◆◆櫃石島、与島◆◆
与島には自動車で行くことができるが、櫃石島には行くことができない。島民か、路線バス以外は櫃石島から瀬戸大橋に上がるゲートを通過できないからだ(岩黒島も同様)。そこで櫃石島へ行くには瀬戸大橋の本州側の児島駅か、四国側の坂出駅から出ている路線バスを利用する。私は坂出駅から路線バスに乗り、まず櫃石島まで行き、折り返して、与島へ渡り、坂出駅に戻る、という行程で臨んだ。
櫃石島は思った以上にビューポイントが多い。行程の関係で、滞在時間は1時間半程度だったが、まずまずの収穫だった。
・下津井備讃瀬戸大橋の眺め

・櫃石島橋と岩黒島橋の眺め

・島内の高架橋と橋脚群

・高台から集落越しに眺められる瀬戸内海

もともと、瀬戸大橋には期待していたのだが、予想以上に良かった。
与島での滞在時間は2時間半。ただ、暑さで疲れきってしまい、最後の1時間は撮影どころではなく、日陰でへたり込んでいた。ビューポイントは以下のとおり。
・旧フィッシャーマンズワーフの西側を通って、北側に抜けたところ。与島橋から岩黒島橋、櫃石島橋、遠くは下津井備讃瀬戸大橋までの眺め

・橋に沿って南側へ抜けたところ。北備讃瀬戸大橋と南備讃瀬戸大橋から、坂出側の番の洲(ばんのす)高架橋の眺め

・与島橋の与島側の終端にある巨大な岩塊


◎反省点等
この日、櫃石島でも与島でも島内を歩いている分には日差しが非常にきつく、なかなかに耐え難い暑さだったにもかかわらず、海側に出ると霞んでいて眺めがイマイチ、、という状況に悩まされた。
さらに言うなら、暑さ対策、日差し対策が全く以って不十分だったため、やけどに近い日焼け、と著しい疲労にも悩まされた。特に後半、与島では、私の行動範囲の中では自動販売機を見つけることができなかったため、櫃石島の自販機で調達したスポーツドリンクでぎりぎり乗り切る、というハメになった。これはきつかった、。
あと、眺めに関して言えば、どちらも人が住んでいる島なので当たり前なのだが、電線がとにかく多い。ちょっとよさげなところを見つけたと思っても、電線にさえぎられる、電線を入れない構図は困難と言うことはよくあった(上の写真の中では岩塊の下の方など)。

◎残課題
櫃石島では行程の最後の最後で、なかなかよい感じの町並みを見つけることができたが、ほとんど撮影することはできなかった。与島でも住民の一番多くすんでいる浦城(うらじょう)という地区には、体力的な面もあり、行くことができなかった。また、与島にはよい感じの白灯台があったが、こちらも先の理由で断念せざるを得なかった。
夏以外の季節で、青空が広がり、かつ、なるべく遠くまで見渡せる日に櫃石島、与島それぞれ丸1日くらいをかけて回ってみたい。



◆◆中村/四万十川◆◆
坂出から普通列車でまず多度津まで。そこから特急南風に乗り換えて高知まで。高知で特急あしずりに乗り換えて中村まで(特急南風は時間帯によっては、中村のさらに先の宿毛(すくも)まで行くものもある)。夕方に到着し、ホテルにチェックイン。夕方から夜までホテルから程近いところでの撮影。翌日は朝からレンタサイクルで自転車を借りて、四万十川沿いを北上、昼過ぎには中村まで戻り、13時半頃の特急南風で中村を離れると言う行程。
良かったビューポイント
・四万十川を渡る土佐くろしお鉄道


・四万十川橋。通称、赤鉄橋


◎反省点等
四万十川を渡る土佐くろしお鉄道については、行く前から楽しみにしていたのだが、いざ撮影に臨むとき、列車が橋を通る時刻を調べ忘れているなどの失敗もあった。さらに言うなら、この鉄橋は中村駅と具同(ぐどう)駅の間にある駅なのだが、具同側から中村方面に向かう列車の中には宿毛駅発の特急もある(具同駅には停車しない)ため、こちらもチェックしておく必要がある。
2日目は断続的に降る雨に悩まされた。何とか雨にも負けず、川沿いを北上し、佐田の沈下橋まではたどり着くことができ、そこで一定の撮影をこなすことはできた。北上に当たっては、四万十川の左岸(東側)の方が道路が整っているように思われたため、こちらを進んだ。しかし、道路からは木によって視界をさえぎられ、少なくとも佐田の沈下橋まではこれと言ったよい風景は撮影できそうになかった。
佐田の沈下橋に関して言うと、水辺の緑、というテーマであれば、なかなかよいポイントだと思う。しかし、「四万十川」というテーマでは、どう切り取ってよいのかわからなかった。

◎残課題
土佐くろしお鉄道には再チャレンジしてもよいし、赤鉄橋も再チャレンジの価値あり、と思う。
四万十川に関しては、ある程度俯瞰できるポイントを見つける必要がある。地図を見ていて思うのは、下流域ではそれは難しく、上流域で勝負する必要がある、ということ。実はその上流域は多くが予土線と並行して走っているということ。これは考慮に値するポイント。ぜひとも検討しておきたい。

三脚のこと

2012-08-21 | 機材のこと
現在VelbonのSherpa 435という三脚を使っている。
D800を購入したこともあり、70-200や、50-500との組合せでは、耐荷重的な不安が尽きない。そういうこともあって、三脚を新調しようかと考えている。知り合い(カメラ、写真の経験的には大先輩、と言っていいくらい)に相談してみると、「28mmか32mmくらいのカーボンがいいかもね」というアドバイスをもらえた。Velbonにこだわる気はあまり無いのだが、とりあえずVelbonで探してみると、その条件の三脚はけっこうな値段になってしまうので、どうしようか思案している。
、、とまあ、三脚の新調の話を書いてきたが、三脚に関しては、もうひとつ、どうしようか迷っていることがある。
今現在、レンズを複数本持って撮影に出かけるときは、たいてい、カメラ専用(設計)のリュックサックにボディーとレンズ複数本を入れ、また、そのリュックサックは三脚を外に縛り付けられる構造になっているので、その仕組みを使って三脚をリュックサックに固定して背負っている。このリュックサックの構造は三脚を手に持たなくて良い、肩に下げる必要もない、という利点があるものの、一方で、三脚は完全にむき出しであり、しかも自分からは全く見えない位置にある。そのため、ある程度人が乗っている電車などではけっこう気を使うハメになる。
先日、飛行機に乗ったのだが、三脚ごと機内持ち込みにした(実はSherpa 435は雲台込みでも全長55cm(制限いっぱい)であるため、機内持ち込みが可能)。しかし、ここでCAから注意を受けた。他の客からクレームがあったらしく、「三脚のでっぱりが、人を引っ掛けるおそれがあるので、そのリュックサックは前に抱えて欲しい」と。
正直なところ不安は常にあって、気をつけていたのだが、とうとうこういうことになってしまった。
もちろん、ちゃんと気をつければどうと言うことはないのだが、人に迷惑をかける確率は下げておくに越したことはない。当面は、周囲をなるべくよく確認し、人がそれなりにいるときにはリュックサックを前に抱えるようにしておくことにした。将来的には、三脚を新調する可能性が高いので、近いうちに、リュックに固定するのはやめようかとも思っている。

各レンズの歪曲のこと

2012-08-04 | 機材のこと
まあ、知っている人は知っている、という話。Nikonの一眼レフカメラは(まあ、CanonやSonyだって、同じような趣旨の機能はあると思うが)ファームウェアのアップデートによって、レンズによる歪曲の補正データをボディ側に取り込むことができる。このデータを持っておき、かつ、補正のオプションをONにしておくと、撮影時に自動的に補正される、、、らしい。
その手順がこちら。
http://nikonimglib.com/dcdata/manual/Jp/lensprofile_win_jp_ABF.html
各レンズの実際の歪曲の状態はどんな感じなのだろうと思って調べてみた。値に関しては、デジカメinfoから時々参照されているephotozineというページを参考にしてみた。
デジカメinfoやephotozineの掲載記事の中からわかる各数値の印象としてはこんな感じ。
1.000%未満=優秀。事実上、実際の撮影の場面において、問題となることはほぼないと考えられる
1.00-2.00%=まずまず。被写体によっては目立って感じることもある。
2.00%以上=被写体にかかわらず、歪曲が目立ちやすい

ズームレンズ編。ワイド端の数値が大きい順にソートしてある。個人的にあまり興味のないレンズは省いている。





















レンズワイド端テレ端
16-35mm7.57%0.60%
14-24mm7.37%0.70%
24-120mm7.02%2.22%
28-300mm6.81%2.09%
18-105mmDX6.24%1.62%
10-24mmDX5.87%0.547%
DX18-300mm5.39%1.89%
24-85mm4.74%2.78%
24-70mm4.45%0.77%
18-200mmDX3.93%1.34%
16-85mmDX3.56% 0.993%
70-300mm2.37%1.53%
70-200mm0.60%1.50%


単焦点レンズ編。樽型をプラス、糸巻き型をマイナスとし、プラスの大きい順にソートしてある。













レンズ歪曲
24mmF1.43.17%
35mmF1.82.40%
50mmF1.42.23%
50mmF1.81.98%
28mmF1.80.79%
85mmF1.40.70%
60mmF2.80.439%
40mmF2.8DX0.253%
85mmF3.5DX0.319%
85mmF1.80.577%
200mmF20.953%


大雑把にまとめると、
・ズームの場合、焦点距離にかかわらず、ワイド端はおおむね樽型、テレ端は糸巻き型
・単焦点の場合、焦点距離が短いほど樽型、長いほど糸巻き型
、、という感じ。
歪曲収差を完全に無くす、というのは現実にはほぼ不可能なのかな?と思う(たぶん、他の収差も同様)。その中で、色々検討した設計した結果がこういうことなのかな、と。
14-24mmなんて、レンズとしては非常に評価が高いが、テレ端ですら樽型、というのは正直かなり意外な歪曲収差の大きさである、、。