遠き日に留学の娘(こ)の持ち帰りし巨大な松ぽつくりを洗ふ
アメリカのどこで拾ひし松ぽつくりか三十年(みそとせ)経ても茶色に光る
娘も結婚して26年経ち、二階の娘の部屋は私の和装用の部屋となって様変わりしています。でも今も本棚の上には巨大な松ぽっくりだけがほこりを被ってそのままになっています。これは娘がアメリカ留学から帰った時に大事そうに持ち帰ったものなので、ほこりを洗い流して春陽に乾かしました。洗いながらアメリカのどこで拾ったのだろうと思いました。今はすっかり綺麗になり30年を経ても鮮やかな茶色をみせて光っています。