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横浜焼売(シウマイ)物語2025

ハマっ子のソウルフードは崎陽軒のシウマイ。漫画書き柴犬溺愛落語らぶ晴れ時々ランニング、更新随時

一心太助?いやいや、塩原多助…ってだれ?!

2016-03-07 | 落語ラブ
恒例の関内寄席、桂米丸独演会。

以前も書いたのですが、毎回、若いそれも女性の姿が目立つようになりました、

さてさて
今回の顔ぶれ。


前座さんは桂文治師匠のお弟子さんだそうです。
この独演会で前座出演した若い噺家さんが回を重ねて二つ目昇進するとなんだか嬉しいものです。
たか治さんもいつか昇進して帰ってきたら嬉しいなあ。
次は漫才。
今までの師匠の独演会では初めてです。
夫婦漫才の東京太&ゆめ子師匠です。
絶妙の間のやりとりが最高!
どこかの政権がばっさばっさとなぎ倒されました。

前半のトリは三遊亭遊雀師匠。
リアルで拝聴するのは初めて。
ちょっとお下品な笑いが、明るい笑いに大変換。
そのむかし、お芝居で場内がざわつくとそれをいさめる役回りがあったそうで、
それがわかっているとなお、おもしろいお噺でした。

さて、後半大トリは桂歌丸師匠。
今回はこの語り一本。
これまでは、真景累ヶ淵を演じてこられましたが今回からは演目が変わり
塩原多助一代記、だそうです。

といってもわたしは全くなんだかわからず、誘った母に
「知ってる?」ときくと
「知ってるよ、メジャーじゃないけど有名な噺」と言って、ニコニコ。

実在した江戸時代の豪商の立身出世の半生をのちに、三遊亭圓朝が取材創作した出世話。

米丸師匠曰く、この圓朝作品は、屈折しまくり複雑に入り組んだ人間模様。さらに時代がいったりきたりする
実にわかりにくいのが特徴、だそうで
前回の、真景累ヶ淵もそうでしたが、それに負けず劣らずのこじらせ模様なのだとか。

今回は、前半。多助が子どものころからかわいがっていた愛馬の『青(あお)』と別れて江戸に上京を決心するまで。
ああ、だから馬のことを「あお」と呼ぶ年配のひとがいるんだ!と妙なところで納得しました。
ちなみに、この原作は発表当時12万部と言うベストセラーで、その後小学校の教科書等にとりあげられたりして
戦前の小学生ならたいていは知っているお話みたいです。

さていよいよ本編のはじまり。
時代も価値観もちがうし、
登場人物は入組んでいるし、
お笑いの要素はないし…

でも、なぜか
会場は丸ごと江戸時代にタイムスリップしたかのよう、

舞台には米丸師匠がちょこんとすわっているだけなのに

なぜか、大勢の役者さんが舞台を縦横に駆け回っているよう。

愛馬を、忠義の下男に託し、自分を亡き者にしようとする継母からのがれて
あらためてお家再興を胸に多助が江戸に旅立つシーンは秀逸です。

あっという間の1時間でした。

後半は来年だそうです。

それまでに師匠になにかないことを本気で祈って合掌…じゃない、
祈って、楽しみに待つことにしましょう。


『桂歌丸師匠を人間国宝にする会』の署名運動はこちら