愛犬耳袋

 コーギー犬・アーサーとの生活と喜怒哀楽

仔猫の近況報告

2006年09月20日 | 仔猫
 仔猫兄妹の飼い主さんから、早くも近況報告を頂く。
「仔猫の為に買いました」
 とおっしゃったデジカメで撮影された山のような写真と共に。

 長いメールでは、兄妹があちこち匂いを嗅ぎ回っていた最初の様子から、食欲旺盛なこと、大運動会のこと、決められたトイレでキチンと用を足したことなど、事細かに書かれていた。
 兄猫アーサーは甘えん坊ぶりをあますところなく発揮し、一緒に寝てもらってはグルグルと喉を鳴らしているとか。妹猫サリーは兄の後を追いかけニャーニャーいっているかと思えば、足が早いので追いかけっこではやっつけることも。
 言葉を尽くして報告していただいたが、言葉にならなかった部分、どれだけこの2匹の仔猫を待ち望み、そして可愛がっていただいているかという事は
「なかなか良いのが取れません」
 とおっしゃいながら、飼い主さんが送ってくださった写真が、雄弁に物語っていた。



(飼い主さん撮影)


 仔猫の為に用意したであろう、お揃いの小さな餌皿。



(飼い主さん撮影)


 寝床のある日当りの良い部屋。



(飼い主さん撮影)


 安心し切った昼寝が出来る、静かで清潔な窓辺。



(飼い主さん撮影)


 お腹いっぱい食べさせてもらって、すべてをさらけ出せる環境。

 頂いたうちのほんの一部をご紹介したが、どれも愛くるしい仔猫の姿だけでなく、写真の隅々にまで2匹に対する愛情が感じられた。


 ところで我が家にいた頃、兄猫アーサーはテレビを見る猫であった。よく見ていたのはメジャーリーグ松井のニュースと、エアギター選手権世界大会の模様。
 飼い主さんをして「メジャー志向」と言わしめた傾向だが、引き取られてから妹猫サリーもテレビを見始めているらしい。見ていたのは、



(飼い主さん撮影)


 阪神・ヤクルト戦。
 しっかりものらしく、妙に地に足の着いた傾向である。アーサーは兄だけに夢がでっかい。ビッグになりたいのか?

愛犬サービス

2006年09月19日 | 愛犬の日常




 ようやく一人っ子に戻った愛犬アーサー。
 今日は久々に嫌と言うほど遊んでやろうと、朝夕2回タップリ長時間の散歩に連れ出した。
 気候も過ごし易くなった為か、アーサーもバテずによく歩き、良く走った。
 夕方にはご近所の犬仲間と会い、ゴムのオモチャなど引っ張りあい、遊んでもらった。
 これだけ遊べば今夜は良く寝てくれるだろうと思っていたのだが、飼い主の認識の甘さを痛感する。
 夜になっても全然じっとしない。あんなに遊んだのにまだ足りないのか。
 おそらく追いかけっこをしていた仔猫ブラザーズがいなくなったことで、家での運動メニューが無くなってしまったのが、物足りないのだろう。
 こちとら、休日でも祝日でも無いので何かと忙しいのだが、そんなことはおかまい無しだ。

 相手をしないでいるとクロスカーペットを片っ端からめくり、端をボロボロに噛み砕き、ズレ防止のテープを引っこ抜いて食べ、ついでに下のタタミを齧るという、3連コンボの嫌がらせを繰り広げる。
 仕方が無いので、仔猫たちの飼い主さんから頂いたお土産アイテムのひとつ、デンタルコットンで引っ張りあいをしてやる。これも家族サービスのひとつか。トホホ。





 アーサーだけでなく、どこの犬もひっぱりっこは大好きな遊びだろう。
 私も犬を飼う前は、“犬と引っ張りっこ”という行為にあこがれがあった。夢だった。しかし夢の引っ張りっこには、体感する重さが無かった。人間が手加減してちょうどいい、犬との楽しい「遊び」だと想像していた。
 ところがどっこい。現実にコーギーと引っ張りっこなどしてごらんなさい。まー、アゴの力、踏ん張って引き抜く力の強いこと強いこと。大の大人が全身全霊で引かないことには、引きずられかねない。遊びは遊びでも、間違ってもお年寄りにはお勧めできない危険遊戯である。
 年寄りにまだ間のある私は、幸い病院沙汰にはなっていない。しかしアーサーを飼ってから二の腕は疲れにくくなった。ワオ。

 この、すごいアゴ力でコットンを噛むものだから、ザクザク犬歯も突き刺さる。おかげで犬歯はピカピカだ(が、刺さらない奥歯はチョトあやしい)。

 そのうち人間の方が先に飽きる。
「おしまい!」
 宣言したものの、まるっきり遊び足りないアーサーは、
「もう?」
 とでも言いたげな仕草で、非常に恨みがましい目をこちらに向けていた。
 こういう時、犬って猫より顔筋が複雑なんだと実感する。
 そのかわり猫はゴロゴロ喉を鳴らすという必殺技を持ってるんだけど。





一夜明けて

2006年09月18日 | 愛犬の日常




 仔猫たちの旅立ちから一夜明けて、我が家では晴れ晴れとした脱力感のようなものが漂っている。きっと教え子が卒業した翌日の教師がこんな感じだろう。
 もっとも我が家の場合、その理由の半分は、夕べの祝杯が影響しているのだと思うが。

 夕べのブログをアップしようかという頃、仔猫の飼い主さんからお電話が入った。
「無事、到着しました」
 のご報告だ。
 しかもうれしい報告は続く。長時間の移動ということで、予想していた仔猫のニャーニャーという鳴き声は、
「新幹線ではほとんど鳴きませんでした」
 とのこと。私が動物病院に連れていった時の、鳴いて騒いで飛び出した様子と、なんという違いだろう。
 さらに予想されたキャリー内での粗相についても
「オシッコもウンチもしませんでした。うちに着いてからサリーはトイレでちゃんとしました」
 まったく、私の時と(以下略)。
 こういう対応ひとつひとつを伺っても、自分の育て方の粗忽さを感じると共に、本当の飼い主はどちらであるか、改めて見せていただいた気がする。

 仔猫たちは約3時間の移動を問題なく乗り切り、飼い主さん宅に到着すると、早くも2匹で走り回り、じゃれあって元気に遊び始めたそうだ。大好きな猫じゃらしは、置いておくだけで自分で遊び始めたというから、その元気っぷりは想像以上。
 この報告を聞いて、やっと仔猫の保護活動が完了した思いである。
 仔猫たちは我が家で世話をするより、遥かに安全で幸せな生活が約束されている。





 さて2匹を送り出した後、仔猫の遊び仲間であった、我が愛犬アーサー。
 仔猫がキャリーに入れられ、共にエレベーターに乗り、車中に消えるところまで見届けたせいか、昨夜は猫部屋に仔猫を探しにいくことはなかった。

 しかし一夜明けた今朝、アーサーはいつもの日課である猫部屋参りを始めた。
 毎朝、アーサーに餌をやり、そのスキに猫部屋に入って猫の朝食やトイレの世話をしていたのだが、時折その餌のおこぼれを狙って、アーサーが乱入していたのである。
 猫の餌は犬には問題が多いので、こちらもすぐに下げておくのだが、それならそれで猫砂をボリボリと食べ始めるからたまらない。我が家ではトイレ砂は人工的な檜の香りがついた、トイレに流せる木製のものを使用していた。そのボリボリ感と唾液でふやける感覚がたまらないのか、一度など目を離した隙に思いっきりモリモリとかっこんでしまい、終日、息が嘘くさい檜の香りになったこともあった。エチケットガムか。
 そんなわけで、朝になると入りたがる猫部屋だが、今朝はドアも開け放たれ、明かりは消えたまま。様子の違う部屋にそろりと足を踏み入れたアーサーは、床の匂いをグルリと一周かいで回ると、ちょっと情けない顔をしてこっちを見上げた。
「にゃんこは飼い主さんのところへいっちゃったよ。昨日見送ったでしょう」
 そう言ってはみたものの、アーサーはなんだか釈然としないのか、しばし猫部屋の敷居際でぼんやりと伏せていた。

 とかなんとか雰囲気のあることを書いたが、すぐに飽きていつものアーサーに戻っていた。
 今も仰向けのおヘソ丸だしで、飼い主さんからお土産に頂いたオモチャを噛み噛みしていたところである。
 飼い主さん、どうぞ御心配なく。アーサーも我々も元気に、楽しくやっています。






 

旅立ち

2006年09月17日 | 仔猫
 仔猫たちの旅立ちの日がやって来た。

 里親さんのご夫婦とは夕方、新大阪駅にて落合い、タクシーにて移動。自宅で仔猫たちとの初対面という段取りである。
 予定の時刻より少し早めに到着し、指定の場所で待つ。
 里親さんは仔猫用のキャリーを、こちらはペット雑誌をお互いの目印に決めてある。
 早めに着いたせいで、改札を出てくる人の姿が数々目に入ってくる。
 太った人、やせた人、歳をとった人、若い人。どこかでライブでもあったのか、紫のドレッドを何本もなびかせるビジュアル系男子や、金時計にモノグラムのボストンを下げた、強面の男性もいる。
 どんな人が仔猫たちの家族になってくれる人だろう。どんな人が現れても、猫を愛する心に揺らぎが無いことは、メールを通じていたいほど感じている。大丈夫。
 そんなことを考えながら、改札の前に立っていると、人ごみをかき分け進んでくる、薄いグリーンのキャリーバッグが目に飛び込んで来た。あれだ!
 そのおふたりは清潔感に溢れた、なんとも言えない優しげな雰囲気をまとった方々であった。

 その後スムーズに自宅に移動。自宅では玄関前にスタンバイしていた、お客が大好きな愛犬アーサーが熱烈な歓迎をお見舞いする。その後もお客様の膝ににじり寄って、なでてくれと甘えかかる。あつかましいぞ。
 おふたりはこんなアーサーでも「仔猫の命を救ってくれた犬」と丁寧に遇してくださり、なんとアーサーのオモチャまでお土産にお持ち下さった。
「会いたかったよ! アーサー君」
 と呼びかけて撫でられ、アーサーの喜んだことといったら、もう。





 さて、お待たせしました。
 アーサーがオモチャに夢中になっているスキに、ようやく仔猫たちとの対面タイム。
 昼寝中の2匹をベッドごとすくう様に抱き上げ、猫部屋から連れ出す。
「わあ、小さい!」
 目を覚ました2匹は、いつも通り好き放題じゃれはじめた。座布団のスミをかじったり、ローテーブルに登ったり。
「この2匹でいいですか?」
 一応、お聞きしておくと、おふたりは満面の笑みで「はい、もちろん」と答えてくださった。そして
「ブログを読んで、この2匹以外に考えられなくなりました」
 とも。





 ヤンチャに走り回る2匹を捕まえ、一匹づつ抱いてもらう。妹猫は少し抱かれると遊び足りないのか、パッと走っていってしまったが、兄猫は初対面の相手だというのに、ゆったりと足をのばしウトウトしはじめた。そして時折、里親さん、いや本当の飼い主さんの顔をじっと見上げていた。仔猫の兄妹に、家族が出来た瞬間だった。





 楽しい時間はあっという間に過ぎる。帰りの時刻となって、走り回ってじゃれあう2匹を順番に捕まえてキャリーに収めていく。妹を捕まえ、
「あれ、お兄ちゃんは?」
 と振り返ると、飼い主さんは
「もう入ってます」
 2匹は静かにキャリーの中で、声も立てずにじゃれあっていた。私が動物病院に連れて行った時と、なんという違いだろう。
 これが最後だからと、待たせてあったタクシーまで、おふたりと2匹を一家総出で、アーサーも一緒にお見送りした。
「元気でね」
 キャリーの窓に、めいめい指や鼻を押しつけ挨拶すると、飼い主さんは丁寧にお辞儀をして車中の人となった。ドアがバタンと締まるとき、アーサーが小さく鳴いた。






 2匹を送り出した後、寂しくて涙がこぼれるだろうと思っていたが、予想に反して涙は出なかった。むしろうれしかった。本当にうれしかったのだ。
 飼い主さんの喜ぶ顔、飼い主さんの膝でくつろぐ仔猫の姿を目の当たりにして、ただただ幸せな気持ちが一杯になっていた。飼い主さんのお人柄、環境、仔猫の反応、すべてにおいて不安がまったく無かったからだ。
 これほどの方に2匹を見つけてもらい、遠距離をものともせず引き取られ、そして愛されることは、本当に希有な事だと思う。
 見送った後、家族は
「仔猫にとって、きっとこれ以上の飼い主さんは現れないよ。そんな人と出会えた確率はすごいと思う」
 とつぶやいた。その狭き門を、仔猫兄妹は備わった強運と生命力で、見事くぐり抜けたのである。
 仔猫が去って、我が家には笑顔が残った。

 さて、今日まで仔猫たちを、兄猫・妹猫と呼んで来たがそれも終わりにしたい。飼い主さんから本当の名前をもらったのだから。
 その名前は、かねがねおっしゃっていたように、2匹が命をつなぐきっかけとなった愛犬アーサーから文字を取って名付けられた。
 妹猫は「サリー」。そして兄猫は―、我が愛犬と同じ「アーサー」と言う。






受け継ぐ命

2006年09月16日 | 仔猫




 しょっぱなからデカい鼻ですみません。練習の結果、「THE DOG」風の一枚が撮れたもので。

 先日、里親さんから愛犬の名前を聞かれた。
「保護のいきさつ」にも書いたが、そもそも仔猫2匹を保護するきっかけになったのは、散歩中の愛犬がダンボールに潜む命を発見し、どうしてもつれて帰れと横に張り付いて動かなくなったからである。

 愛犬の名はアーサーと言う。犬種はウェルシュ・コーギー・ペンブローク。原産国は英国であるため、その国にちなんだ名で呼び易く、犬が聞き分けやすいものをと考えた結果、かの地の伝説の王の名を恥ずかしげも無く頂くことにしたのである。

 その旨お伝えすると、帰って来た返事は思いもよらぬものだった。
 なんと、2匹の仔猫にアーサーの名から一字ずつ入れたいとおっしゃったのである。
「名前の由来を聞かれた時に、保護していただいた経緯を話したいと思います」
 そのメールを読み、体の奥にじわじわと暖かいものが満ちてきた。
 アーサーは生後半年で去勢をしている。どんなにこの子を可愛がっても子供を望むことだけは出来ない。
 しかしアーサーの何かを、アーサーが救った命が受け継いでくれるなら、これ以上の喜びは無い。
 そのありがたさ、うれしさ。その夜は何度も何度もメールの文字を読み返した。


「テレビを見る兄」



「カメラを見る妹」


 しかし一抹の不安もある。
 王の名に恥じないよう、健やかに凛々しく、堂々とした賢い犬なってくれるよう、そんな願いも込めてつけた名だが、実際には陽気で懐っこく、落ち着きが無い上、叱られても一向にメゲないワガママな暴れ者に育ってしまった。思いっきり名前負けの結果になっている。今のところ。
 仔猫たちがアーサーの名を受け継ぐことで、名前負けまで受け継いでしまわないか、いささか心配だったのだ。
 しかし、里親さんはこう諭してくれた。

「アーサー君が二つの命を救ったのは事実で、決して名前負けではないと思います。私達にとっては、まさにキング・アーサーです」






 アーサーから名前をもらう仔猫たちは、今夜、生まれ故郷大阪の最後の夜を迎えている。




里親さんについて

2006年09月15日 | 仔猫


「オッス! オラ悟空」
 違います。
 

 さて、兄猫の鼻ホクロは若干薄くなって顔の真ん中に鎮座している。どうやら一時的なものだったらしい。きっとじゃれている間に擦ったか打ったかしたのだろう。
 もしかしたら消えないかもしれないと危ぶんだ昨晩、里親さんにその旨謝罪すると、気にしていませんとの暖かいお返事。そればかりか、
「ブチがホクロになって出てきた!」
 と、たいそう喜んでくださった。
 ブチというのは、里親さんがかつて15年間共に暮らした愛猫の名である。写真を拝見するとその名の通り、顔の真ん中、ちょうど鼻のあたりに大きな黒いブチがあった。一度みたら忘れられない個性的ないい顔立ちだった。
 兄猫のホクロはブチ君の立派なブチには遠く及ばない小さなものだが、あの世から
「オマエ、オレの代わりにうちに来い」
 と鼻先を叩いた、認め印だと思えてきた(もしくはヤキモチ焼いての「一発殴らせろ」だったかもしれない)。
 いよいよお迎えの日まで、あと2日である。

 ここで里親さんについてご紹介させていただきたい。
 仔猫たちをお引き受けいただく方は、神奈川県在住のご一家である。遠距離のお渡しになる。
 仔猫の負担を承知でこの方にお願いしたのには訳がある。

 里親さんはブチ君を亡くして間もないある日、その痛みを抱えたまま、あちこちのサイトを見ていて、このブログにたどり着かれた。
 最初はなんとなく読みすすんでいたが、次第に2匹を新しい家族として受け入れたいと思うようになったと言う。
 それというのも、ブチ君には先に亡くなった妹猫チョビがいたのである。共に愛護協会からひきとり、家族以上の絆で共に過ごした2匹だったそうだ。
 そうした経緯もあり、保護の経緯や兄妹猫の性格など、隅から隅まで読まれた上で、ぜひこの2匹を共に迎えたい、と言ってくださったのである。

 里親募集をはじめた時、この方を含めて何人かの方からお問い合わせを頂いた。
 オスがいいメスがいい、という御希望の方々の中で、いきさつを含めてこの2匹だから引き取りたい、大阪まで迎えにいくと言ってくださった方は、この里親さんだけであった。
 そんな方なら、仔猫の為にこちらからお願いしたいと、約一ヶ月の間、毎日のようにメールで連絡を取り合ってきた。

 2匹の兄妹がブチとチョビを思い出させる事。
 ブチの死という悲しみの中で、子猫たちの成長記録を支えにしている事。
 長い生涯を共にする仔猫たちと、一刻も早く会いたい事。
 どのメールも、心温まるものばかりだった。
 一度は捨てられた仔猫たちが、この世に産まれて来た意味があったと思える内容だった。
 そして不安と迷いの中で里親を探して来た私自身、頂くメールにどれほど救われたか分からなかった。

 気になったのは、大阪-神奈川の移動距離の長さである。これは獣医の先生にも相談の上、新幹線を使うことで決定。仔猫にとってはこれでも長時間だが、揺れを考えると自動車や在来線よりも新幹線の方が刺激が少ない。成長し体調が良好なら大丈夫とのことだった。

 当の仔猫たちは元気である。そりゃーもう、悪魔のように。
 お尻にウンチつけて走り回る兄猫。押さえてティッシュで拭こうとしたら、ティッシュのヒラヒラに目の色変えて、2匹もろともに飛びついてくる。ティッシュは左右に引っ張られてビリビリだ。大岡裁きの二人の母か。アンタらは。



 

 妹猫もやってくれた。トイレの粗相はしない子たちだったが、フカフカのお尻の感触には負けたらしい。愛犬の寝床の布団で1回。そして畳もうと積んであった洗濯物の上で1回。乾いたはずの服が妙にシオシオしてておかしいと思った。
 愛犬は寝床を汚されても、相変わらず妹は好きだ。というか、むしろ獣としてそれぐらいの匂いがある方が、ますます愛情が増すようである。今日も執拗にお尻を追いかけるところを見てしまった。



 

鼻デカ写真を目指してみる

2006年09月14日 | 仔猫
 カレンダーや文具、マクドナルドのハッピーセットなどでおなじみの鼻デカ犬こと、「THE DOG」。これの猫版を見る。
 あまりのかわいさに、うちでも真似してみたくなり、今日魚眼レンズを借りて来た。
 我が家では、日曜日の仔猫お引き渡しに備え、思い出作りモードに突入しているのだ。

 さて、魚眼レンズを使うと、画面がグンニャリ丸く曲がって、顔の真ん中の鼻がクローズアップされるのだが、あれやこれやがあって、デジタルカメラだとそんなにグンニャリしない。圧倒的に「THE DOG」の方がデカデカなのだ。
 その辺を試すつもりもあって、まずは借りて使ってみたのだが……。





 うーん。鼻デカイといえばデカイような……。もともと鼻が前に突き出している犬とちがって、猫の鼻デカ度は期待できなかったのだが。あ、妹猫はかわいい。かわいいですよ。
 まあ、顔全体がまるっこくなって、そこはGOOD。またマクロレンズとしても役に立つので、毛並みとかもカリッとよく撮れて気持ちがいい。





 が、兄猫は微妙。やたらと動き回る上、顔が丸く映るまで近寄るとレンズをパンチしてくるのでヤバすぎる。
 ちなみに、左に写っている黒いのはタッチセンサー式のライト。猫が通っただけでも「ピッ」とつくスグレモノだ。前足でふんでつけたんだったら、ついでだから後ろ足で踏んで消しといてほしい。いちいち椅子から立って消しにいくのは誰だと思ってる。
 ああ、閑話休題。
 ついでなので、愛犬も撮影してみた。





 デカッ!
 さすがに目から鼻までの距離がある生き物は違う。舌のヌラヌラ感まで克明で、舌に巻き取られそうな気分。
 犬だけじゃない。





 妹猫まで。みんなして、レンズを見て舌なめずりするのはなぜだ。鼻が乾くのか?

 さて予想はしていたものの、猫に魚眼を、それもデジカメで使うと、やや丸くなる程度だと分かった。





 それにしても兄猫の鼻ホクロ……。ああ。

鼻のホクロ

2006年09月13日 | 仔猫




 兄猫の鼻の頭にホクロが現れた。大方植木鉢かなにかで擦ったヨゴレだろうと思っていたのだが、濡らした脱脂綿で拭いても取れない。
 ブログを見返すと月曜日には無く、昨日あたりうっすら出始めている。昨日の間に何があったのか。
 皮膚の色が変わってきたホクロのようなものなのか、はたまた擦ったりぶつけたりして出来てしまった一時的なものなのか。少々心配。
 なにせ、どんどん高いところに登っていく兄猫である。





 せっかくかわいい顔になってきていたのに、こんな目立つ所に茶色いシミがあるなんて。出来れば一時的な怪我のようなものであればいいのだが、それはそれで保護者失格。もうこの子たちはうちの子では無いのだから、里親さんに申し訳が無い。
 今しばらく様子を見る事に。幸い本人は相変わらず元気に遊び、眠り、よく食べている。

 さて、兄猫の顔写真を撮っていて、つくづくこの子はかわいくなったと思う。
 顔がふっくらして、骨格がしっかりしてきたことも理由にあるだろうが、一番大きい要因はやはり目だろう。人を警戒しなくなった目。
 下の写真は保護した翌日あたりに撮ったものだ。里親募集の記事やチラシ作りに使おうと思ったのだが、あまりにかわいく無いので、お蔵入りにした1枚である。





 これをご覧になると妖怪人間ベロに例えたのもお分かりいただけるだろう。
 人に捨てられ、さらに別の人間によって連れさられ、人を警戒しきっている目である。だがひとりでは生きられない。差し出したフードはたいらげたが、顔の回りや体には食べ汚しがビッシリで、小さすぎて自分ではキレイに出来ない。人が近寄れば近寄るが、ここから出せと鳴き叫ぶばかり。
 それがいつからか、ゴハンをねだる甘えた鳴き声に変わり、膝に乗りたいというゴロゴロ声に変わり。厳しい目も、見る者を吸い込むような丸々としたものになっていた。
 何かを訴える時こちらをまっすぐ見上げる目、安心して愛犬とじゃれ合う姿、そしてお腹を出して寝ている姿。この子たちはすっかり人に飼われる猫になった。

 もし誰にも拾われず、そして万一にも生き延びることが出来ていたとしたら、厳しい目のまま、誰にも依存せず、気高くも短い野良の一生を送っていただろう。
 彼らの運命を私たち人間が変えたことはたしかだ。
 猫にとってどちらが幸せか、それは答えが出ないけれど、人の手で運命を変えられた猫は、人の手で末永く、そして最後まで幸せにする義務があると思っている。





猫日の出

2006年09月12日 | 仔猫






 猫は「寝子」に通ずると言われるほど良く寝る。育ち盛りの仔猫たちなので、遊ぶ時は壮絶に遊ぶが、寝る時の眠りも壮絶に深い。
 今日は猫部屋に入ると、日の出のように顎を突き出して寝る兄猫の姿に出くわした。
 妹猫はというと、







 スコティッシュフォールドのように、耳折れ状態で爆睡中だった。
 ちょうどいいので、普段は撮れないアップの写真を山ほど撮らせてもらおう。
 例えば、猫のキュートな隠し球、肉球なんか。







 兄猫の肉球は、大ぶりでムチムチパンパン。触るとツルンとしつつも、ちょっとペタッとしていて、外を歩く愛犬のザラリとした感触と全く違う。

 一方こちらは妹猫の方。







 妹猫の肉球は、必ず掌の部分が黒く、指がピンクというカラーリング。
 兄猫に比べるとちんまりと、控えめなのが、なんともいじらしい。
 しかし、猫の肉球というのはどうしてこうもおいしそうなのだろう。中にカスタードでも入ってるのではなかろうか。
 とかやってると、







 起こしちゃった。ごめんごめん。兄猫は……







 寝返り打って、また寝てた。

 仔猫たちが毎日こんな寝顔をさらしている猫部屋は、我が家ではクローゼット兼書庫になっている。
 用事があって本や服を探しにいったはずが、寝顔に魅了され、手ぶらで帰って来たことは一度や二度ではない。
 さすがに1日に3回、用事を忘れた時には、自分の馬鹿さ加減が心配になった。猫の寝顔には魔物が棲んでいる。

お引き渡しの日程決まる

2006年09月11日 | 仔猫


 仔猫たちの健康診断に動物病院へ。
 うちには猫用の気の利いたキャリーが無く、愛犬用のはバカデカすぎるため、やむなく昆虫などを飼育するプラケース(メッシュの蓋付き)を使っている。これを旅行用バッグに入れて、外の視界を遮断してやると、今までは時折ニャーと鳴くぐらいで、大人しくしていたものだった。
 それが今日久々に使ってみると、2匹が育った分ビッチビチなのはともかく、頭や肩の力が強くなったせいで、蓋を閉めても閉めても中から
「ンニャー!!」バコッ!
 と押し上げてくるではないか。
 かかりつけの獣医さんは自転車で5分だが、このフタを片手で押さえながら走る道のりの長い事長い事。

 さて、そうやってたどり着いた病院。
 体重を量ってもらうと、兄猫900g、妹猫800g。めでたくお引き渡しボーダーをクリアしていることが判明。
 続いて体格・骨格・目・口・リンパ節などを触診。検温と検便の結果も異常なし。
 実は妹猫のヒゲがところどころプチプチに短くなっている。栄養状態が悪いとこうなると聞き心配していたのだが、先生曰く
「あー、これは毎日よく遊んでる証拠ですね。あちこちにぶつかったり挟まったりしてると、短く切れるんですよ」
 よく遊んでいる……というか、よく追いかけられてるもんな。それも犬に。
 愛犬の激しい愛情は何も実らないどころか、妹猫の切れヒゲを産んでいた。反省。

 以前の検査では先生になすがままだった仔猫たちも、今や成長してゴソゴソとあちこち動き回ることこの上ない。一匹が診察中、もう一匹をケースに帰すと、ニャーニャー泣き叫ぶので、やむなく補助の先生と交代でだっこする。
 若い女の先生に抱かれ「静かにしてね」なんてやさしく諭される兄猫。わかってんのか?

 小さな病院なので、保護した経緯はすべての獣医さんも把握しているらしく、今日の担当では無い先生も、検査の合間に診察室をのぞいては、
「大きくなったね」
 と声をかけていく。時にはあごの下をチョロチョロとくすぐられ、仔猫たちはうっすら目を閉じていた。

 かねてから里親さんと引き渡し日程を、17日(日)か24日(日)のどちらかにしようと打ち合わせていたのだが、その点も相談すると、
「もう2ヶ月目に入っているし、体格・体調的にも問題は無いので、早い方がいいでしょう」
 とのお墨付き。新幹線での移動やワクチンの時期など、こまごまと注意点を伺って家路についた。

 病院からの帰り道、検査で興奮したのか、2匹のパワーはさらに激しさを増し、とうとうケースのフタを閉められない有様になってしまった。
 フタと本体の隙間から、小さな頭をちょこんとふたつ並べる仔猫たち。飛び出そうとはせず、流れ行く自転車の景色を興味深そうに眺めていたが、こっちは何が起こるか気が気じゃない。5分の帰り道が1時間ぐらいに感じたぞ。

 家に帰り着くと、診察や漏らしたオシッコ(病院に行くと必ずケースの中でする)で、体が気持ち悪いのか妹猫はしきりに毛づくろいをし、兄猫はハイテンションのまま部屋の中を歩きまわって、ようやく2匹、重なりあうようにベッタリと横になっていた。
 お疲れさん。
 そして、あと少しの間、よろしく。




起こしちゃった。ゴメン



妹は熟睡