Senboうそ本当

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今使っているマウスピースなんですけど。

2017年04月19日 | 路上サックスで一儲け(宮崎)

サックスという楽器の先っちょ、口にくわえて息を吹き込む場所に取り付けている部品 それがマウスピースです。演奏する際は金具「リガチャー」を使って、こいつに木片の振動体「リード」が組み付けられています。今回はクラシック向き Vandoren 、ジャズ向き Meyer の比較。

注意: 私はアルトサックス歴わずか1年です。特に今回の「マウスピース」については浅はかな知識しかございませんので初心者の読者の方はもっと経験豊富なプレイヤーの記事を参考にするようお願いします。

「音色」「音量」「吹きやすさ」について私の理解はこんな感じです。
1)サックスの本体 と 2)マウスピース と 3)リード のそれぞれが関係しあうので、無数の組合せが存在します。さらに演奏者の「息の強さ」「くわえ方」「唇の厚み」なんかによっても大いに影響を受けます。

ビギナーの私が最初に思ったのは 3)リード の選択が正しいかどうか? もっと使いやすいリードが存在するのではないか? サックス本体やマウスピースは高価なので簡単に乗り換えできませんが、リードなら1枚400円程度です。
「RICOのセレクトジャズ 硬さは2M」 からスタートして、これまで硬さ違い、ブランド違いを10種類ぐらい試してみました。そして最後にたどり着いたのが 最初に使っていた「RICOのセレクトジャズ 硬さは2M」。同じモノなのに最初の頃と現在では音が違います。理由は金具「リガチャー」の締め付け位置の違いです。おそらく現在が適正位置で、最初の頃はもっと奥(2~3mm)に取り付けていました。そしてリードの取り付け位置もわずか0.1mm浅いか深いかによって音の鳴り方が違います。同じものを使っているのに昨日と今日とでは音の響きや出しやすさが違ったりします。いつも同じ状態にセットするために細心の注意が必要ということです。
こういう注意事項は先生について練習している方なら自然と身に付くことでしょうけど、独学でやっている私には遠い道のりでした。雑に組みつけてもある程度は音が出せてしまうので問題の所在が「自分の技術」「楽器の個性」「取り付け方法」のどこに隠れているのか判断つかなくなります。

そんなこんなで 3)リード のことがおよそ分かってきたので 2)マウスピース についてもいろいろ試してみることにしました。マウスピースのバリエーションですが、かなり沢山あります。しかも同じメーカーが出している同じ規格の製品でも個体差があるらしいです。加工精度の問題で。現在私が使用しているマウスピースはVandoren(バンドレン) V5/A27 というやつです。材質はラバー(樹脂)。クラシック向きと言われています。13000円ぐらい。

専門店(楽器工房Tonica)に行っていろいろ説明を聞きました。私の要望は「吹きやすさ」です。マウスピースの規格について簡単に説明しますと「息の吹き込み口にできる隙間の大きさ(ティップオープニング)」と「空気の通り道の口径(チェンバーサイズ)」そして「材質」が違います。私が使用しているマウスピースはティップオープニング 1.65mmですが「吹きやすさ」を優先するならそれと同等もしくはそれより狭い規格のマウスピースを薦められました。
口にくわえて使用するものなので意外に思うかも知れませんが、購入する前に試し吹きができます。専門店なら必ず防音扉の付いた試奏室があり、そこで自分の楽器に取り付けて吹きます。ただし要予約。もし気に入らなければ買わなくても構いません。

後日、Tonicaに行って2種類のマウスピースを試奏させてもらいました。ただし上記の条件を全く無視したチョイスです。それぞれティップオープニングが1.75mm1.90mm。ブランドはMeyer(メイヤー)。ジャズ演奏に使われる定番と言われています。 

正直ジャズ奏法とクラシック奏法の違い、まだよく分かっていません。ジャズだといっきに吐き出す息で音色を微妙に変化させながらが鳴らす~みたいな事かな? そのためにもティップオープニングが広い方が音の加工に幅が出せるらしいです。私が普段から練習している曲目はジャズでもクラシックでもありませんが、この機会にジャズの定番も試してみよう、そう考えてMeyer の 5MM、6MM という2種類のマウスピースを試奏させてもらいました。16000円ぐらい。

平日の午後、Tonicaの店内にある試奏室に2時間閉じこもらせてもらいました。自分の楽器と3種類のリードを持参して。金具「リガチャー」はMeyer がマウスピースとセット売りしているものを使用するつもりが、サイズが合っていません。お店の方も私が指摘するまで知らなかったようです。「メイヤーのマウスピースは個体差がかなり大きい」という話を聞いていたので、なるほどこういうことかと納得です。もっとも今回は付属品の方の問題ですが。私が普段使っている「リガチャー」でも取り付けできたので、これで試奏しました。

結論としては購入を見送らせてもらいました。たぶんこのティップオープニングに慣れていないのが原因でしょう。もっと時間をかければ「ぴったりのリードの硬さ」「適当なリードの取り付け位置」「息の吹き込み加減」などを探り当てて、個々のマウスピースの評価ができたかも知れないのですが・・・。今回あらためて現在使用中のマウスピースの扱いやすさを実感しました。でもまた機会を作ってマウスピースの乗り換えを検討するつもりでいます。もっと楽していい音を出すセッティングがあるような気がするので。

 

 追記:

2017年8月現在、金具の取り付け位置を 以下の通り再度修正して吹いています。


写真はマウスピースをひっくり返して下から撮った状態。リガチャー(締め付け金具)の取り付け位置(A)ですが基準線よりも1.5mmほど下げました。(1年前の、初期のセッティングに戻した) こっちの方がビブラートの感じがいいという気がするんですが、気のせいかも? リード(振動体、木片)の取り付け位置については変えてません。先端部(B)を1mmほど下げて取り付けています。
1年かけて辿り着いた結論は「リードの取り付け位置が重要」しかも「0.1mmの精度で」ということ。そこそこ鳴っているつもりでも、さらに微修正したらもっと響くようになった という成功体験を重ねていくと 現在使用している「リード」「マウスピース」「リガチャー」という組合せでの最も理想的な組み付け位置が分かってきます。毎回練習後に分解→練習前に組み付け これを繰り返すわけで、その都度 組み付け位置をぴったり合せるというのが理想です。
人それぞれで「息の量」「口や喉の体積」「唇の厚み」など異なるため、上記のセッティングも人によって合う合わないがあります。もしも身近にベテランサックスプレーヤーが居たら、その人が普段使っているマウスピース一式をあなたのSaxに組み付けて演奏してもらうという試みも ありです。マウスピースのセッティングをコピーするという意味ではありません。Sax本体がもっとも美しく鳴った状態(音色と音量)を知ることができるはずです。もちろんそこに近づけるためには地道な調整が必要ですけど。

今私が使っているリードの仕様ですが 「RICOのセレクトジャズ 硬さ2M」→「RICOのセレクトジャズ 硬さ2S」に変更しました。とうぶんはこのリードを使って練習を続けます。変更する可能性もあります。

※リガチャーには2種類あって、止めネジがリードの上にくるタイプとリードの裏側にくるタイプがあります。私が使用しているのはリードの裏側にくるタイプ。金属素材が主流ですが、最近はマジックテープのような素材でできたものとか様々です。値段も安くはないので あまり考えないようにしてます。まずは手持ちのリガチャーでどこまで吹けるかを極めようという考えです。

さらに1年8ヵ月後の追記:

マウスピースとかリードの扱い方、だいぶ分かってきたので あの時に試奏させてもらったMeyerのマウスピース 再度トライさせてもらうことにしました。試したのは 5MM、ティップオープニング 1.75mmです。前回はお店の中にある試奏室で吹きましたが、それだと普段の練習環境と全く異なり 評価ができません。1週間の期限付きの貸し出しで、いつものサンマリンスタジアムで試奏させてもらいました。
使用したリードはVandoren v16〔硬さ2〕。リガチャーは2通り「SELMER製 ゴールドラッカー」と「BG製 シルバープレート」を試しました。
とてもいい音が出せました。2つのリガチャーを比べると「SELMER製 ゴールドラッカー」の方が良かったです。(最近練習で使ってるマウスピースはVandoren V5/A27 ですが、その時は「BG製 シルバープレート」を使用)

2年前の試奏結果をくつがえすことができて、めでたしめでたし。なのですが、そのまま素直にこのマウスピースを購入・・・ということにはなりませんでした。同じティップオープニングでも3タイプ「MM」「MS」「SM」あり、フェイシング/チェンバーの規格が異なります。これに近い価格帯に「RC(リッチー・コール)モデル」「G(M.C.グレゴリー)モデル」なんかもある。
あらためてマウスピースのあれやこれやをネットで調べ、その結果 Gottsuという神奈川県のメーカーが出している「Sepia Tone VI」で冒険してみることにしました。試奏できない、という意味で冒険です。ネットでも入手できますが、楽器工房Tonicaから手配してもらいます。在庫切れなので、2週間ちょっとかかるそうです。

3年6ヵ月後の追記:

このカテゴリー『路上サックスで一儲け』の愛読者ならすでにご存じの通り、現在私の手元には4本のマウスピースがあります(いずれもティップオープニングが異なる)。にもかかわらず、現時点で私が練習時に使用しているモデルはVandoren(バンドレン)のV5/A27  1.65mm。つまり出発点に戻ってしまいました。
私のサックスは5年以上のキャリアです。なのでだいぶ違いが分かって来てます。だから言わせていただきたいのですが、マウスピースの吹きやすさ、音の味わいとかを考える前に、そのティップオープニングとリードとの相性をじっくりと見極める。それがいい音をものにする、しかも繊細にコントロールするための最優先事項だと言えます。

現在私が使用しているリードは daddario 『SELECT JAZZ 2M アンファイルドカット』。もともとはRICOというブランド。
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当初はこれを Selmer『SPIRIT 2.10mm』に付けて練習していましたが、Gottsu『Sepia Tone VI  1.80mm』に付けた方が調子が良いことに気付いた。
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調子の良かったリードですが、使い込んでくたびれてきたので新品に交換。すると今度は硬すぎて、同じセッティングなのに全然よく響かない。
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そこでこのリードを Vandoren のV5/A27  1.65mm に組付けて吹いてみたら、いい感じで鳴ることが分かった。なので今はこのセッティングに落ち着いてます。同じ理屈で言えば、のちにリードが少しくたびれてきたらティップオープニングが0.15mmだけ広めの Gottsu『Sepia Tone VI  1.80mm』 の出番が来る、というわけです。

 

 

 


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