Senboうそ本当

広東省恵州市→宮崎県に転居。
話題は波乗り、流木、温泉、里山、農耕、
撮影、中国語、タクシー乗務、アルトサックス。

宮崎カーフェリー

2015年12月22日 | 宮崎の観光情報

タクシーに乗りはじめたら「いつ、どこに行けば利用客がいるか」をあれこれ考えるようになりました。それで神戸⇔宮崎間で毎日就航している宮崎カーフェリーに思い至ったというわけです。
毎朝8時40分に宮崎港に到着しますが、そこから宮崎駅あるいは宮交シティまでは2~3キロあるので移動手段は「自家用車」「バス」「タクシー」ということになります。

1年前私が宮崎に乗り込んだ時、実はこのフェリーを利用しています。神戸を19:10に出るのですが船窓から見える神戸の夜景がだんだん遠ざかっていく様子はとても風情があります。船内に公衆浴場もあるのですが6人ぐらいしか収容できない大きさなので私は乗船直後に風呂に一番乗り、ゆったり寛ぐことができました。

そんなカーフェリー男子の私ですが、船の到着を船外から観察するという体験は初めて。以下の写真でお伝えしたいのはSF映画っぽい非日常の世界です。喩は古いですがサンダーバード(人形劇+特撮の伝説的TVシリーズ)そのものです。何もハプニングは起こりませんが。


8時20分頃、沖から「神戸エキスプレス(平成9年の就航)」が現れ、だんだん近づいてきます。
さてどうやって岸に寄せると思いますか?
これから船体を180度回転させます。


タグボートがやってきてフェリーのお尻を押していきます。
水の中、神戸エキスプレスにも仕掛けが隠れています。「バウスラスター」「スタンスラスター」を使って転回を助けます。船の全長170m 幅27mあります。

参考: http://www.miyazakicarferry.com/03_ship/03.html#01
    宮崎カーフェリー「船の なるほど」


ちなみに今年8月16日に日南市の油津港に初寄港したアジア最大級のクルーズ船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」の全長は348m(乗客定員:4,180人 乗組員数:1,500人)。

参考: http://www.kanko-miyazaki.jp/mimiyori/2015/20150816quantum_of_the_seas.html



男衆が現れ、フェリーの接岸をサポートします。太ってる方が綱引きに有利。
まずデッキからロープを降ろします。


そのロープを男衆が抱え、港のフックにかけます。(日活映画?時代の梅宮辰夫が、脱いだ上着を肩にかけ片足をかける あれです)
この時点でのロープはたるんでいますが、デッキにあるウィンチがたるみを巻き取ることでテンションがかかります。→この作業が船首と船尾で計10数箇所行われ、船体が岸に固定されます。船内の車輌が橋(フェリーの一部)を渡って岸に移動するので船体の揺れは事故につながります。
船首の錨ですが、接岸の際は下ろさずそのまま固定されていました。


船のわき腹に搭乗口があり、壁(扉)が開きます。
移動式の階段を搭乗口に寄せます。2つ目の写真は移動式階段の運転席。


そしてクライマックスはこれです。
船首と船尾の2箇所にある折畳み橋が伸びてきて岸に接地します。
(橋の先端部は鉄のローラーになっています)
折りたたみ式を採用することでスロープがなだらかに。
もしここでアップテンポのBGMが流れたら特撮映画そのもの。
船倉から現れるのは「ジェットモグラタンク(サンダーバード)」か?
車の流れは人間と同じ。「頭から」入れて「お尻から」出します。

「さすがプロの仕事!」と関心させられるのは、ここまで一連の作業がわずか10分ほどの短時間で処理されること。長年の船舶運行のノウハウがぎっしりここに集約されているというわけです。


小雨の降る中 武器を手に男衆が船倉内へと消えていきます。必ず生きて帰ってくるんだぞ! ・・・船内の車輌に設置した輪止めの撤去作業です。
夏休みなどのハイシーズンになると利用車輌も倍増するので、この撤去作業に大学生の短期バイトも動員されます。


気が付くと乗船客が階段から降り始めています。
写真を撮ってる場合じゃありません、タクシーに乗り込んでお客の乗車を待ちます。


おまけの2枚。上の写真は勝手口? 水の補給、食材の搬入などに利用します。
下の写真は煙突。機関室から伸びてきているようですが複数のパイプの寄せ集め状態。
後方にひさしが伸びていて、煙がデッキに流されないよう配慮されています。

この日は月曜日。「週末に関西に帰省あるいは観光に出掛けた人が宮崎に戻ってくる」という読みで客待ちしてみましたが、残念ながらタクシー利用は2組だけでした。
私は3台目で待機していたので手ぶらで回れ右して港を立ち去るはめに(涙)。
フェリーなので利用者の半分は自分の車。そうでない人も「交通費の節約」が理由でフェリーを利用してたりするので、ほとんどはバスに乗り込んでしまいます。
夜行バスとフェリー、料金はほぼ同じ。なので時間に余裕がある人や荷物が多い人は飛行機を使わずにバスやフェリーを利用します。

追記:

2016年2月 フェリーの乗り込み口に ご覧のような昇りエスカレーターが設置されました。下りは これまで通り階段です。

 


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