かつて、ホールを席巻した攻略法に「朝イチ単発打ち」というものがあった。
昭和末期~平成初期の連チャン機の一部に有効な打ち方で、朝の電源立ち上げ状態の台をストップボタンを用いて保留玉を一つも点灯させずに打つと、大当り後の保留連チャン率(若しくは数珠連率)が飛躍的に跳ね上がる、というものである。
数ある攻略法の中でも効果絶大といえる「朝イチ単発打法」だったが、この攻略が利くデジパチの代表格といえるのが、三共の「レクサスシリーズ」であった。
(三共・フィーバーレクサスⅥD)
細かい解析は割愛するが、この「ⅥD」に限って言えば、朝イチ状態はメモリーのカウンターがすべて大当りの乱数値「0」を取っており、単発攻略を行うことで乱数値が書き換えられず(保4のみ上書きされた)、保留玉での連チャンを誘発したと記憶する。
したがって理論上は、初当たり含め4連チャンまで可能であったが、なぜかホールではダブルや3連チャンが多く発生していた記憶がある。まぁ単発打ち自体、結構根気の要る作業だったので、途中で失敗したり諦めたりして、4連チャンのチャンスを逃すことも多かったのだとも思うが…。
このレクサス6Dは、元の確率が1/223と比較的高かったので、ノーマルデジパチに連チャン機能が付いたような、かなりお得な台だった。今のCR機と比較しても、非常に良心的な数字であろう。東京・神奈川でも、私の知る限りは多くのホールに導入されており、どこの店でも絶大な人気を誇っていた。
ただし、末期には「単発攻略禁止」の張り紙をするホールや、店員が張り付きで監視をするような店が増えて、釘自体も厳しくなっていった。当時通っていた向ヶ丘遊園のパーラー「ニューギンザ」も、単発打ちはNGとなってしまった。最終的には、後発の「フィーバーフラッシュⅠ」や「フィーバーボルテックスⅡ」などと入れ替えられることとなる。
今振り返っても、あの盤面のドラムに赤い7がハサミテンパイしたときの興奮は、鮮明に記憶に残っている。やはり、なんといっても三共のデジパチといえば「ドラム」であろう。ステッピングモーターのシンプルかつ魅惑的な動きに胸躍らせ、一喜一憂していたあの頃がホント懐かしい。
当時、「素敵にドキュメント」というテレ朝系の情報番組(司会、故・逸見政孝氏)でパチンコ特集が組まれた時、このレクサスの連チャン打法を「銀玉親方」こと山崎一夫さんが解説するコーナーがあった。テレビの地上波で(しかもゴールデンタイムに)そんなコアな内容を放映していたのだから、ユルイ時代だったというより他ない・・・。