まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

意味もなく、90年代名作ドラマのワンシーンにツッコんでみる

2016-09-05 04:25:45 | 昔話あれこれ


(C)TBS


「愛はどうだ」
(TBS、1992年4月~6月放映。金曜22時ドラマ枠)

(主な出演者)

緒形拳、清水美砂、つみきみほ、渋谷琴乃、伊東ゆかり、
渡辺えり子※、伊原剛志、福山雅治、羽野晶紀、常盤貴子
※現在は「渡辺えり」名義


玩具会社の苦情処理課長を務める三崎修一(緒形)は、妻に先立たれた身だが、
彼には、あやめ(清水)、かなえ(つみき)、さなえ(渋谷)という三人の娘がいた。
妻亡きあと、男手一つで年頃の三姉妹を育てる格好の修一だが、頑固な割に、
家事全般は長女あやめに頼りっきり。自身は部下や愛人など、周りの女性に
ちょっかいを出す、お気楽な毎日。そのクセ、娘達の交際関係にはうるさい。

あやめは結婚適齢期で彼もいるが、残される家族の事を思うと、なかなか
決心がつかない。次女かなえは、活発で頭の回転も速い派遣社員。だが、
職場の男性関係で問題も抱えたりする。三女さなえは、いつもマイペースで
勘も良く、クールな現実志向の女子高生だが、亡き母への想いは人一倍強い。

そんな個性的な三姉妹と父親の家族模様などを、ドラマチックかつ
繊細に描いた秀作である。ブレイク前の福山雅治や常盤貴子も出演。
(1998年には、二人が主演のドラマ「めぐり逢い」が同局で放映)

緒形拳(故人)、清水美沙、渡辺えり子、伊東ゆかりといった
実力派俳優の表現力の高さは、まさに文句のつけようがない。
また、個人的に「櫻の園」以来のファンであったつみきみほも、
微妙な感情に揺れ動く、次女かなえを好演している。さらに、
三女・さなえを演じた渋谷琴乃もチャーミングで、若手とは
思えぬ演技力を随所に見せていた。

あやめの恋人、喜一を演じるのは伊原剛志。かなえと付き合う
矢沢(福山)は、修一の直属の部下。当時は若手だった二人も、
今や誰もが認める、存在感タップリの名優に成長を遂げた。
なお、福山が歌う「Good Night」は、ドラマ挿入歌に使われた。
(主題歌(エンディング曲)は)辛島美登里「あなたは知らない」)

但し、今回は、この名作の「とあるシーン」に、特に意味もなく
ツッコミを入れてみた。気分を害したファンの方、御免なさいね。




第10話「思いがけない事実」
(1992年6月19日(金)OA)

すれ違いを重ねつつも、ようやく意中のあやめと結婚して、
新婚旅行から戻って来た、新郎の本村喜一(伊原)。目下、
あやめの実家で彼女の家族と同居中。何かと肩身は狭い。

ある日曜の午前中、喜一はリビングのソファーでのんびり
将棋番組を観戦していた。そこに、三女さなえがやってきて、
いきなり「こんなの、どこが面白いのよォ!」と遮ると、
チャンネルを変えようとする。だが、将棋好きの喜一は、
頑としてリモコンを渡さない。裏番組の「アッコにおまかせ」
(TBS)を見たいさなえは、父・修一に泣きつく。可愛い娘に
せがまれる修一も、新たな家族関係を笑って見守るしかない。


…まぁ、ごくありふれた日常のワンシーンといえるが、映像を
まにあっくに観察したら、こんなツッコミを入れたくなった。
クダラないツッコミで申し訳ないが、少々お付き合い下さい。



喜一が観ているTVの将棋番組は、実は架空のものではなく、
日曜の定番、「NHK杯テレビ将棋トーナメント」の映像だ。
(今さら白状すると、私は昔から将棋の大ファンである。
そういえば、故・田山幸憲プロも将棋をこよなく愛した。)

僅か数十秒のカットだが、対局中の盤面や解説のシーンが
チラチラ映っている。惜しくも対局者の顔は出てこないが、
大盤(現在の局面を確認・解説する盤面ボード)を見ると、
後手番が「中川」の表記。中川大輔五段(当時)だと判る。

一方、先手番の名前は不鮮明だが、一瞬見える盤面(先手が
四間飛車※。後手は左美濃で△3一角の「引き角戦法」)から
当時の対局記録をチェックしたところ、1992年5月4日放映
(ドラマOA日の1か月ちょっと前)、第42回NHK杯1回戦、
「森安正幸六段VS中川五段」(いずれも当時)の対局と判明。
さりげなく、リアリティやディテールに拘った場面といえよう。
(無論、リアルタイムではなく録画映像を使ったのだろう。)

※当時の記録では、三間飛車から四間飛車に振り直している。


さらに、映像の局面が、後手の中川五段が36手目に「△86歩」と
飛車先の歩を突っかけた、「開戦」の局面である事も確認できた。
将棋通の喜一にとって、見逃せない「重要局面」である事は確かだ。

なお、当日の解説は淡路仁茂八段(当時)、聞き手(司会)は
谷川治恵女流三段(当時)。両者の姿は、映像でも確認できる。

実際の対局は、136手で後手の中川五段が見事に勝利を収めたが、
私が気になったのは、この一連のシーンでの「時間設定」である。

「アッコにおまかせ」(日曜午前11:45~OA)を見たいと盛んに
主張するさなえの台詞から、現在時刻は「正午前後」と推測できる。
実際、チラリと映るリビングの時計の針は「11:55」を示しており、
この点については、しっかり整合性が取れている。

だが、件の将棋トーナメントの局面は、まだ「36手目」である。
将棋に詳しい方や、番組をいつもご覧の方ならお判りだろうが、
136手で決着する対局の36手目は、明らかに「序盤」なのだ。
当時のNHK杯は、日曜の「午前10時20分~11時59分」放映。
序盤の局面なら、大抵「10時台後半~11時台前半」辺りになる。

仮に、リビングの時計が示す「11時55分」であれば、既に対局は
終了していて、対局者と解説者とを交えた「感想戦」が行われて
いる時間であろう(時間目いっぱいまで、熱戦が続く事もあるが)。
いずれにせよ、放送終了ギリギリのタイミングで、序盤36手目の
局面であるハズは無く、明らかに「時間的整合性」に欠けるのだ。


せっかくリアリティを追求したシーンなのだから、喜一が観ている
NHK将棋トーナメントの映像も、ちゃんと11:55で中川、森安の
両氏が、熱心に局後の検討を行う場面を流して欲しかったなぁ…と、
今回24年越しに、重箱の隅の隅を突くが如き、無意味なツッコミを
入れさせて貰った。まぁ、ドラマそのものは素晴らしい出来なので、
皆さんも機会があったら、件のシーンを含めて、是非ご覧下さいね。