月刊オダサガ増刊号

2024年創刊予定の「月刊オダサガ」の増刊号です。
「月刊オダサガ」編集長が好き勝手に書いているブログです。

今日もママはいない 19 ハロウィンパーティスタート!

2014-02-28 17:00:45 | 小説「今日もママはいない」
今日もママはいない 19

 瞳が叫んだ。「ハッピーハロウィン!」

 そういう始め方をするのが正しいのかどうかは確かめようもない。

 パスモはこういうミーハーな行事をどうしても好きにはなれなかったが、それでもおもちゃとお菓子で皆が喜んでいることに関しては、瞳に感謝していた。

 問題はふたりの歌手?である。追浜ゴジラ、ミスターヒステリーピースという瞳が連れてきたふたりは奇怪であった。

 追浜ゴジラは家の中でもサングラスをかけたまま、無言でいる。ミスターヒステリーピースは初対面にも関わらず、誰彼構わず好き勝手に話しかけている。なんとも対照的なふたりであった。

 パーマは興味津々である。「ねえ、あなた、それってハロウィンだから仮装しているの?」
「いやあ、これは毎日着ていたり着ていなかったりするんだよ」ミスターヒステリーピースが答えになっていないような答えをした。

「じゃああなたは?」パーマが振り返った。「あなた、ゴジラさん」

 追浜ゴジラは相変わらず無言であった。ミスターヒステリーピースが説明した。「この人に話しかけてもダメだよ。歌う時にしか喋らないんだ」
「ふうん」パーマは残念そうであった。「ねえ、瞳さん、私、歌が聞きたいわ」

「じゃあ、始めましょうか」瞳がパスモの顔を見た。「ねえ、演奏するから、玄関から中に入れてよ」

 来客3人は依然として玄関から中に入れてもらっていない。

「ねえ、パスモ」パーマは懇願した。「中に入れてあげて」

 パスモは拒絶した。「ルールはルールだ」

「ですって」パーマは済まなさそうに瞳を見た。「ごめんね、瞳さん」

「いいのよ、玄関、広いし」

 元々、一軒家というのはアパートよりも玄関が広いが、この家の玄関は普通の家の2倍はあった。注文建築の住宅なのであろう。

「では最初に」瞳はまるで司会者のように振る舞った。「ミスターヒステリーピースさんです」

 家の者達は、先程から盛り上がっていて、歓声と拍手がとんだ。

「わたくし、ミスターヒステリーピース、演奏を始めさせてもらいます」

 ミスターヒステリーピースは肩にギターをかけた。一瞬、軽い緊張感が走った。いったいこれから何が始まるのであろうか。11人は固唾を飲んだ。

不可解な幼児 4 「広島と東京」

2014-02-28 16:12:36 | 不可解な幼児


幼稚園が夏休みになった頃、年長組だった俺はまた、なんの承諾もしていないのに、東京へ引っ越すことになった。

最後のピアノの練習のあと、俺は初めてピアノ教師と並んで外を歩いた。
 
「ねえ、あなた、東京でもピアノを続けるのなら先生を紹介するわよ」

 うーん、俺は答えに窮した。どうでもよかったからだ。続けてもやめても、どっちでもよかった。俺は適当に答えた。

「じゃあ、やらない」
「あ、そう、残念ね」

今思えば、この時に続けると言っておけば、俺は楽譜くらい読める大人になっていたかもしれない。運命は皮肉だ。

東京へは寝台車に乗っていった。腹立たしいことに、俺のベッドがなかった。ふざけた親だ。好きな方で一緒に寝てよいなどと平気で言う。俺はとりあえず幼児らしく母親と一緒に寝た。

さて、朝起きるとそこは東京だった。引っ越した先はまたもや社宅であったが、今度は4階建てで16世帯も入居している、当時としては最大級の社宅であった。

社宅は部屋は狭いが敷地が広く、物置きがあったり、大きな庭があったりした。鉄棒や砂場もあったので、遊び場には事欠かない。

社宅には俺以外にもたくさんの幼児がいた。人数が多すぎて何人いるのだか、わからなかった。まあ、当時は足し算すら知らなかったので、数えることもできなかったのであろう。

俺は自分と同い年の女、年下の男女とよく一緒に遊んだ。1歳上の男もふたりいたが、ヤツラはすでに小学生だったので、若干、テリトリーが違った。

ある日、俺より1歳下の女と、2歳ばかり下の女と3人で遊んでいた。誰が言い出したというわけでもなかったが、みせっこという遊びをした。同時に全員でちんこを出すという幼児らしいくだらない遊びであった。

ところが驚いたことにちんこを出したのは俺だけで、ヤツラふたりは出さなかった。汚いヤツラだ。どうやらちんこを尻の間にでも挟んでいるらしい。

夏休みが終わると、また俺は幼稚園なるところに通わされた。

この頃、やけに母親が太り始めて、食い過ぎかなんかと思っていたら、弟か妹ができるという。ついでに兄や姉もできてほしい。

それまで兄弟のいなかった俺の心は弾んだ。広島の安田幼稚園でよくツルンデいたやつらにはほとんど、兄弟姉妹がいた。そうでなくても劣等感の塊であったのに兄弟姉妹までいなかったのはやはり寂しかった。

そんな腹の出っ張った母親と毎朝、幼稚園まで歩いた。幼稚園は御嶽(おんたけ)神社の裏にあった。みたけ幼稚園という名前であった。今思えば、おそろしい名前の幼稚園に行かされたものだ。漢字の一部は獄ではないか。

093 「学校大奥」長池小学校裏物語 9-3 心配な家族

2014-02-28 10:56:16 | 脚本「ママは名探偵」~「学校大奥」
「学校大奥」長池小学校裏物語 9-3

季来子「ただいま」
正宗「季来子、おかえり、どうだ、一杯」

私、新垣季来子は仕事を終え、実家に来ました。

季来子「あれ?お父さん、ひとり?ゆっこは遊びにでも行ってるの?」
正宗「それがな、もう寝てしまった」

季来子「はあ?まだ午後9時よ」
正宗「晩酌もな、黒糖焼酎3杯飲んだだけだった」
季来子「ふうん、どういう風の吹き回しかしら?」

正宗「学校でなにかあったのか?」
季来子「あったってほどでもないわよ。昨日、200メートル走って負けたっていうだけ」
正宗「それだ、きっとそれが原因だ」
季来子「そんな些細なこと、原因なはずないでしょ?」

正宗「とりあえず、きっこも飲みなさい」
季来子「はーい、いただきます」

正宗「ゆっこはああ見えて、足の速さには自信があるからな」
季来子「それって運動会とかの話でしょ?陸上部にかなうわけないじゃない」
正宗「そこだよ、そこ」
季来子「そこってなに?」

正宗「ゆっこは放課後に学校に残ったことなんかないだろ、部活動というものがあることを知らなかったんじゃないか?」
季来子「そんなバカな」
正宗「わしの時代は全員部活動をやっておったものだがな。今はやらない子も多いだろ」
季来子「それはそうね、半々くらいかしら」

正宗「だから、ゆっこは初めて陸上部というものを見て、あまりの足の速さにショックを受けたんだよ」
季来子「まあ、なくはないかも」
正宗「それでヒキコモリになってしまったんだ」

季来子「仕事はしているんだから、ヒキコモリではないでしょ」
正宗「ヒキコモリ予備軍だ」
季来子「そうかなあ、ただのふて寝だと思うけど」
正宗「今朝はどこかに行ってしまったし、晩酌をしてもほとんど口も聞かない」
季来子「それはちょっとだけ、心配だけれど」

正宗「鬱病の前触れかもしれんぞ」
季来子「ゆっこみたいなのが鬱病にはならないでしょ」
正宗「元々、元気な人間ほど、鬱病になるらしいぞ」

季来子「え?そうだっけ?なんか違うような」
正宗「わしも気をつけるから、きっこもよくゆっこのことを見ていてくれ」
季来子「大丈夫だと思うけどな」
正宗「わしの父親としての勘じゃ」

お父さんの勘って、いつも当たらないのよね。

季来子「そうだ、お母さんに電話してみるわ」
正宗「え?九州は電話料金が高いぞ」
季来子「携帯電話は関係ありません」
正宗「そうなのか?ゆっこの事を相談するのか?」

季来子「違います、お母さんの事を心配しているんです」
正宗「なんで?」
季来子「だって、お母さん、この4月からひとり暮らしになっちゃったのよ」

正宗「そうだったのか?」
季来子「ゆっこがこっちにいるんだから」
正宗「あ、そうか、なるほど」

大丈夫か?お父さん。

季来子「じゃあ、私も家に帰るね」
正宗「寂しいな、わし、ひとりで飲むなんて」

だから、お母さんは毎晩、ひとりなのよ、お父さん。

2月27日(木)のつぶやき

2014-02-28 07:56:08 | ツイートのまとめ

【知恵がついた】最近、味噌汁は二日分作って翌日は温めて食べるという手抜きを憶えた。


【テイストは真逆だが】カバトットのテーマってサスケとそっくりだな。


大奥を生き抜くコツは練習あるのみ? 「学校大奥」長池小学校裏物語 9-2 早朝練習 goo.gl/LYfOVg


ガキだからってなめんなよ! 不可解な幼児 3 「ピアノと野イチゴ」 blog.goo.ne.jp/sekineryusi/e/…


【晴歩雨食】昨日は歩いて汗かいて今日は食って汗かいた


【本やらDVDやら】ちょっと見るとすぐインスピレーションが湧いてきて新作を書くハメになるから、なるだけ見ないようにする。といいつつ今週はタンポポとマホロ借りてきたから見なきゃ!


【正直】顔も見えないローリングストーンズのバカ高いライブとかもういいわ、50歳だし。古いCDやビデオで楽しめれば満足。こっちから行くことはないけど向こうから来てくれたら大感謝するだろうね、来るわけないけど。


そんなパスモもまだ小学生! 今日もママはいない 18 パスモの月一登校 blog.goo.ne.jp/sekineryusi/e/…


【いまさら発見】包丁って細かくコントロールする時は短く持つんだ、バットと同じじゃん!


【よっしゃ】明日から店を片付ける、だってこのままじゃ撮影に使えないから!