トチヂくんの椅子 14
かつて季瀬泉が社長だった頃、通信部を会社から独立させたことがあった。当時の友政(ゆうせい)通信部長が新会社の社長になり、社名も株式会社友政となった。
当時、通信部はなぜか一般向けの定期預金を担当しており、それが大人気で、その預金額は莫大であった。そのため、ジブン糖製菓から独立させて、グループ会社のひとつにした。
はずだったのだが、結局、株式会社友政の運営は実質的に親会社のジブン糖が行っている。果たして、独立させた意味があったのか、謎である。
そういった玉虫色の成果にも関わらず、季瀬泉はそのことを自分の手柄話として、いまだに自慢して歩いている。季瀬泉の太鼓持ちみたいな存在である溶中経理部長も同様だ。他にも改革だなんだと言っては好き勝手に会社の仕組みを変えてしまったこのふたりのおかげで、今、ジブン糖は窮地に立たされている。
新しい専務が誰になるかはわからない。安波社長としては自分の推薦する巻添に決まってほしいとは思うものの、それで製菓ジブン糖の経営がよくなるわけでもない。
誰がトチヂくんの椅子に座ることになるのかは、現時点ではわからない。しかし、誰が座ることになっても、ジブン糖株式会社の経営は依然として苦しいことに変わりはない。
果たして明るい未来はあるのであろうか?
ジブン糖を取り戻すという、安波社長の挑戦はこれからも続く。
かつて季瀬泉が社長だった頃、通信部を会社から独立させたことがあった。当時の友政(ゆうせい)通信部長が新会社の社長になり、社名も株式会社友政となった。
当時、通信部はなぜか一般向けの定期預金を担当しており、それが大人気で、その預金額は莫大であった。そのため、ジブン糖製菓から独立させて、グループ会社のひとつにした。
はずだったのだが、結局、株式会社友政の運営は実質的に親会社のジブン糖が行っている。果たして、独立させた意味があったのか、謎である。
そういった玉虫色の成果にも関わらず、季瀬泉はそのことを自分の手柄話として、いまだに自慢して歩いている。季瀬泉の太鼓持ちみたいな存在である溶中経理部長も同様だ。他にも改革だなんだと言っては好き勝手に会社の仕組みを変えてしまったこのふたりのおかげで、今、ジブン糖は窮地に立たされている。
新しい専務が誰になるかはわからない。安波社長としては自分の推薦する巻添に決まってほしいとは思うものの、それで製菓ジブン糖の経営がよくなるわけでもない。
誰がトチヂくんの椅子に座ることになるのかは、現時点ではわからない。しかし、誰が座ることになっても、ジブン糖株式会社の経営は依然として苦しいことに変わりはない。
果たして明るい未来はあるのであろうか?
ジブン糖を取り戻すという、安波社長の挑戦はこれからも続く。