月刊オダサガ増刊号

2024年創刊予定の「月刊オダサガ」の増刊号です。
「月刊オダサガ」編集長が好き勝手に書いているブログです。

不可解な幼児 2 「早生まれと左利き」

2014-02-26 12:38:19 | 不可解な幼児


 そんな屈辱の日々もまたもや親の都合で終わってしまった。同じ広島市内にある別の社宅に引っ越したのであった。

 新しい社宅は名前こそ社宅ではあるが、平屋の一軒家で庭と縁側があった。昔ながらの風情がある家で、俺は毎日、縁側から出入りし、縁側を自分の部屋として与えられた。今思えば、縁側を俺の部屋にされたというのはずる賢い親の策略だったのかもしれない。細長いだけで、とても部屋などと呼べたシロモノではなかった。

 この頃から、今までよりさらに強者が闊歩する、幼稚園なる場所に毎日、通わされるようになった。たくちゃんとのデスマッチにも疲れたが、今度はバトルロイヤルである。

 俺は残念なことに早生まれだったため、体格的にはほとんどの幼児に劣っていた。

 幼児にとって、一番大切なのは駆けっこなどというくだらないものなのであるが、俺はその駆けっこが苦手であった。喧嘩ならたまに勝てるが駆けっこでは毎回負けていた。辛い日々であった。

 さらに俺の辛さに追い打ちもかけたのは、俺が左利きであるという事実であった。

 父親も母親も口を開けば右手を使えと呪文のように繰り返していたが、俺は頑として受け入れなかった。当たり前だ、なんでヤツラのそんな指図を聞かなければならないというのだ。

 俺は字も、箸も左手で頑張って練習した。しばらくするとだいぶ、上手に扱えるようになってきた。駆けっこでは負け続けの俺も字や箸は人並みに扱えるようになってきたことに生まれて初めての達成感というものを感じていた。

 ところが我が家によく遊びに来ていた、俺の3番目の友、尾崎しゃんから字も箸も右を使いなさいと言われた。尾崎しゃんは父親の仕事の後輩で、父親と違って信用のおける男だったので、俺はなんとなく従った。今から思えば、これは父親と母親の策略だったのであろう。外が敵だらけだというのに内にも敵がいるのではたまったものではない。

 右手で字を書き、箸を持つようになった俺は愕然とした。せっかく上手になってきたところで、また一からやり直しである。俺は駆けっこが遅いだけではなく、字も箸も駄目という、人並み以下の幼児になってしまった。

 それだけならまだよかったのだが、それを発端とした出来事はさらに俺を劣等感の沼に突き落とした。

 左右がわからなくなったのだ。

 幼稚園の教諭などというのは資格が必要なくせにやっていることはいい加減で、お箸を持つ方の手が右手です、などと適当なことを平気で言う。俺にとっては右も左もお箸を持つ方の手なのだ。もっと合理的にしっかり教えろと苦情でも言いたい気分であったが、当時はまだ苦情というものの存在を知らなかった。

 俺は駆けっこが遅く、字も下手で、箸も使いこなせない上に、左右もわからないという、全く取り柄のない幼児に成り下がってしまった。おまけに絵も駄目、粘土も駄目で回りの無神経なガキどもにすっかり舐められる存在になっていた。

091 「学校大奥」長池小学校裏物語 9-1 ゆっこの禁酒禁煙

2014-02-26 10:04:28 | 脚本「ママは名探偵」~「学校大奥」
「学校大奥」長池小学校裏物語 9-1

正宗「なんだ、ゆっこ、ペースが遅いぞ、具合でも悪いのか?」
優季子「いえいえ、お父さんの気のせいじゃない?」

私、新垣季来子は、毎夜のように開催される新垣家宴会に参加しています。

季来子「あら、学校でなんかあったの?」

優季子は放課後の校庭でたった200メートル走っただけで、ヘバリました。まだ19歳だというのに、嘆かわしい妹です。

優季子「ねえ、お父さん、これ、煙草、あげるね」
正宗「なんだ、ピースか、わしはこんなキツイ煙草は吸わないぞ」
優季子「ホープとほとんど変わらないでしょ?」
正宗「わしは長年のホープ派なんだがな」

優季子「大丈夫よ、たった20カートンしかないから」
正宗「20カートン?何箱だ?」
優季子「50箱くらいじゃない、2か月も持たないわよ」

200箱だろ。どんだけ買いだめしてたんだ。

正宗「うーん、どうするかな?」
優季子「これね、熊本のひいおばあちゃんに頂いたのよ。吸わないとひいおばあちゃんに悪いでしょ?」

そういうことか。ひいおばあちゃんに金を出させて買ってもらったんだ。とことん狡いわ、さすが女狐。

正宗「ゆっこはもう吸わないのか?」
優季子「ゆっこはライト派になったの、1ミリとか、そういうのが好きなの」
季来子「いっそ、禁煙したらいいじゃない?」
優季子「いきなりやめると身体に悪いんだって」

そんな話、聞いたことないわよ。

正宗「ほら、きっこ、ゆっこ、お酌してやるぞ」
優季子「あ、もう日本酒はいいわ。黒糖焼酎にするわ」
正宗「黒糖焼酎?焼酎なんか、家にはないだろ?」
優季子「ううん、鹿児島のひいひいおばあちゃんが送ってきてくれたの。沖永良部島の焼酎なのよ」

ゆっこ、電話して買ってもらったのね。ひいおばあちゃんやひいひいおばあちゃんはお財布じゃないのよ。

季来子「焼酎ロックと1ミリのメンソールね。いつまで続くことやら」
優季子「続いたら困るでしょ?煙草はやめるんだから」
正宗「どうした?そんなに学校の仕事でストレスが貯まったのか?」

ストレス貯まって煙草やめる人なんていないでしょ?お父さんも適当よね。

優季子「仕事は楽しいんだけれど、先輩達にいじめられるのよ」

うそつけ。

正宗「そうか、今の時代は人間関係が大変なんだな」
優季子「そんなわけで、私、もう寝るわね」
正宗「え?まだ11時だぞ」
優季子「今日のうちに寝ないと、お肌に悪いのよ」
季来子「じゃあね、おやすみ」

優季子は自分の部屋へと戻っていきました。

正宗「元気なかったな」
季来子「それくらいで丁度いいです」
正宗「どうだ、きっこ、新しいクラスは?」
季来子「クラスはいいんだけれど、新人研修の指導員っていうのが大変」

正宗「いきなり大役を仰せつかったものだな」
季来子「5月からは教育実習生まで担当するのよ」
正宗「それだけ、見込まれているということだ、感謝しなさい」
季来子「してますよ、感謝」

それにしても、大木主任、私に仕事を回しすぎだわ。

正宗「なんか、あれだな、ゆっこがいなくなると随分、しんみりするものだな」
季来子「3月までは毎日、こんなもんだったのよ」
正宗「そうか、割りと最近までそうだったんだな」

確かに、優季子が来てから、急に生活が慌ただしくなったわ。

2月25日(火)のつぶやき

2014-02-26 07:23:35 | ツイートのまとめ

【悟りの秘訣?】毎日それなりの食事と睡眠がとれて酒まで飲めてそれでなおかつ不満があるというのはとんでもない欲張りである。向上心というのは時に人を不幸にする。不満や向上心の根源にあるのは序列である。自分がどうであるのかではなくて自分がどこにいるのかが気になるのが人間の悪癖である。


【台詞】あんたさあ、毎日飯が食えて酒が飲めて布団で寝れて、それで何が不満だっていうのさ。なんの取り柄もないあんたが人並みに暮らせてることを有難いと思いなさいよ。隣の佐藤さんは車を買ったとか、向かいの鈴木さんは毎年海外旅行に行ってるとかさ、気にしていたらキリがないのよ!


【おめでとうございます】ただいま絶賛上映中の映画、柔道ガールズの主役長澤奈央さん、ご結婚おめでとうございます!お相手はサッカーの中田浩二選手。2月22日にご結婚されたとニュースで見ました。

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【作戦】毎日夢中で生活して、結果生き延びる作戦で行きます。生き延びるために頑張るというのは駄目な作戦です。心躍る毎日を送ってやるさ。


【順算でいこう】逆算というのはフェアな感覚ではない。結果を推測するのは構わないが、推測した結果に辿り着こうが着くまいが、それは仕方ないことだ。現在というキャンバスの中にある限りない可能性の粒を見出すことが楽しいのだと思う。


策士ゆっこ、不摂生がタタッた? 「学校大奥」長池小学校裏物語 8-4 無敵のゆっこ惨敗 blog.goo.ne.jp/sekineryusi/e/…


【究極のあり合わせ】使い忘れていた焼き豆腐を水で薄めたチャンコの残り汁に突っ込んだ。見た目は悪いが味はよし。 pic.twitter.com/i7sc1k9pfL


【今日を整理】8時過ぎに起きて、書きためてある学校大奥を投稿、朝食を作食し、今日もママはいないを書いて投稿予約、そして整骨院へ。昼前に帰ってきたら校正したノッコンマハートの原稿書き換え。昼食はスパゲティかな。午後は動画編集でもちょっとだけして、早目に四谷へ。


【予定変更】残念なことに新作のストーリーがバリバリと音を立てて頭の中を食い尽くす勢いなので、店に戻って書いてしまいます。いつものA4用紙二段組に10枚は越えるかな。


相談屋パスモ? 「今日もママはいない 17 パスモの誓い」 goo.gl/rHk2Wc


【昼食】コンセプトのよくわからない不可思議なスパゲティ pic.twitter.com/4JaHPFb4Ik


【よつやよってく?】今晩、19時から四谷三丁目劇場にて映画柔道ガールズの舞台挨拶をする予定です。お近くの方は遊びにいらしてください。俺の挨拶が2時間、映画は5分です、逆か!

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【バッコン】Facebookおすすめの広告のタイトルがバツ婚、これやっぱわざとだよな。バツ同士でバツ婚バツ婚、ビッチーズより下品だ。


【最近】シャワーを浴びる前に布団に寝そべる習慣がついてしまった。なんでかなと思ったら、この瞬間以外、朝から晩までせわしなく何かに取り組んでいるからであった。要するに唯一の休憩時間なのである。


【新作、不可解な幼児】今日は久々に文筆に没頭してしまった。最近は校正や映画に追われていて、思ったほど書きまくってはいない。そろそろ書きたい衝動が収まってきたのかもしれない。毎朝ブログに掲載中の学校大奥もまだかなりストックがあるので続きを書かなくてもよいし。明日は日本棋院行こうかな


新作スタート、不可解な幼児、まずは誕生からです! blog.goo.ne.jp/sekineryusi


【四谷】喋り苦手なんだなと気付いた。いつも喋りまくっているんだけど時間無制限ノンストップみたいな喋りばかりしているおかげで短時間で要点をつまんで話せなくなっている。文筆はコントロールできるんだけどな。 pic.twitter.com/M6SMSruSkK