冷艶素香

現ES21がいろんな人達から愛されていたり、割れ顎の堅物侍を巡って、藤と金の人外魔境神未満ズが火花を散らしたりしてます。

大奥 進典侍編その⑤と⑥の語釈

2008年07月07日 | 大奥(進×瀬那)
御七夜の儀…
子どもが生まれて七日目の夜、その子の健やかな成長を願って行なうお祝い。
そしてこの日に名前を付ける。

おしとね…座布団の事。

又者…
中級以上のお女中(拙ブログには男もおりますが)が、私的に雇った使用人。

辻模様…
長さか太さ、或いはその両方が異なる線と線を交差させた、十字のような模
様。

水が張られた…
現代で言うところのスノードームをご想像下さい。手仕事万歳、職人芸に乾杯、
日本の手工業製品は世界一!

連理…
本来は別々の木と木が、幹や枝など、どこか一部分を通じて木目が一体化し
ている状態。愛し合う者同士の想いの深さの例えにもよく使われる。

臥竜梅…
梅の一種で、朝鮮梅とも。もともと幹の低い品種である上に、枝が自らの重さ
で自然に下へ下へと垂れてゆき、それらの蟠った状態が、飛翔していない時
の竜を思わせる事から、この名前が付いたらしい(けど画像見る限りでは……
??? ま、Don't think, feel!の方向で一つ)。
枝は地面に接すると、そこからまた新たに根を張り、株を徐々に増やしてゆく。
香夜さん的には、白いのとピンクのとがそれほど離れていない距離に在れば、
人の手が加えられない限り、いつかはどこかが絡まるとかどうにかなって(?)、
そうして接木されたような状態となれば、理論上では連理になるんじゃないか
?と思ったんです(接木された梅には本当に、異なった色同士の花が一緒に
咲く)。Don't think, feel② and dream……!(苦笑)

追っかけ…
源義経が牛若丸時代、奥州へ行く途中に美濃の国で、大盗賊の熊坂長範を
討ったという伝説を基にした能『熊坂』に出てくる謡(幸若舞なら『烏帽子折』)。
牛若丸の俊敏な動きは、その姿は確かに目には映っているにも拘らず、決し
て手に取って触れる事は出来ない陽炎や稲妻、水面に映る月のようであった、
と。
現時点に於ける進典侍にとっての上様≠瀬那???の場合は、走りの速さも然
る事ながら、その本心は一体どこに……みたいな……(痛)。

頻伽の声…
仏教に於ける想像上の生物で、「迦陵頻伽」(かりょうびんが)と言う、人頭鳥
身の存在がいる。その美しい鳴き声は仏様の御声にも例えられるとされ、故
に美声を意味する「頻伽の声」という成語が生まれた。西洋の神話や伝説に
出てくるセイレーンやローレライとは違い、人を死に誘うような恐ろしい存在で
はないようです。しかし、その妙なる鳴き声を聞く為には、人界に属さぬ奥深
い雪山や、極楽浄土に赴かなければなりません(それって結局……;)。

己がなぞらえた、白い塔…
マリア観音では有りがちな上、周囲からあらぬ疑いをかけられやすいだろうと
思い、辞書に載っていたラテン語“turris eburnea”(象牙の塔/聖母マリアを
指す)から、こういう物を考え付きました。
現在に於いて広く知られている、世間とあまり交渉を持ちたがらず、自分の世
界に籠るといった意味にはお取りにならないで下さい(ある意味、籠ってるちゃ
ー籠ってますが、筧先生)。物としては、台北の故宮博物院に展示されている
ような奴。芸が蝶・細かくて凄いんですよね。翡翠の白菜や瑪瑙の豚角煮もス
ゲェェェ!と思いましたが、和室に飾るならこっちでしょう(ってか白菜はまだ子
授けお願い出来るけど、豚の角煮に何を祈れようか……/苦笑)。
筧さんが隠れキリシタンなのかどうかについては、私も未だ決めかねておりま
す。お祈りの言葉も、筧さんの苦悩と、それ故に精神的な救いを渇望している
様子を強調する為に、聖母マリアに関係の有るものを継ぎ接ぎしたもので、お
かしいのは百も承知の上で御座います。それに、筧さんがマスターしているの
は英語と蘭語なのにっていう問題も有りますし。
マリア様を重視するのはどちらかと言えば、カトリックの方らしいですね。16世
紀以降のイングランドは英国国教会や清教徒主義始め、旧教の影響はそれな
りに残っていても、敢えて分類するなら新教側でしょうし、実際には半々ぐらい
か、旧教徒の方が微妙に多かったようですが(今も?)、国家としてはプロテス
タントの国として見られる事の多いネーデルラントも然り。
う~ん……西洋とその文物を真に理解する為には、ギリシャ語とラテン語の素
養が有った方がやっぱ良いと、洋書を沢山読み漁ってる内に、宗教系の知識
も得てしまったとか? 真に実力の有る通詞なんて数える程しかいなかったよ
うですし(通詞が世襲制って……嘘ぉ!?/『シ/モ/ネ/ッ/タ/の/デ/カ/メ/ロ
/ン』 田/丸/公/美/子 文藝春秋[文春文庫] 2008.03.01第2刷 p.221~p.
225「大通詞」中221頁すべて/小松氏の本も読んでみたい……)、幕府の検
閲の網の目って案外スカスカだったりして???(捏造するなら、蛭魔さんが意図
的にそうしたとすべきなんだろうな)。それに筧先生の実家(幕府お抱えの蘭学
者)が洋書の検閲とかもやってたと考えれば、少なくとも筧家の人々は、知識
を得てしまうのでは? あー、自分でもよく分からなくなってきた!
あ、そうそう、念の為に申し上げておきますが、宗教を冒涜するつもりはこれっ
ぽっちも御座いません。結果として冒涜してるよ!と言われた場合には……ん
~……反論出来ないかもしれませんが(--;A

明らかに…
将軍と別居している御台所が大奥に来る場合、大奥側で最初に接する役目
が分かりませんでした。手元資料の江戸城見取り図で、吹上のお庭(山里の
丸のモデル。現在で言うところの吹上御苑。今でこそ、今上両陛下お住まい
の御所を始めとする幾つかの建物が点在し、皇居の中心部と見なされている
が、徳川時代は江戸城の外苑即ち城外と見なされていた模様。ついでに言
えば、「山里の丸」という名詞も実は、大奥からはかなり距離が有るんですよ
~と強調するための、香夜さんの造語だったりします。先述の地図に敢えて
当て嵌めるとすれば、中の丸ですかね?)から一番近いのが西桔門というと
ころまでは良いとして、あの辺りが誰の管轄下にあったのかが、調査の甲斐
無く、未だ分かりませぬ……orz 男の役人がいたのか、それとも大奥に近く、
また、やって来たのも御台所の御一行という事から考えると、御客会釈か表
使が対応するべきなのか? でもこの二職の詰所の位置から考えるとそれっ
て何かおかしいし、そもそも今回は御目見得以上って事で、その人達最初か
ら御座の間に伺候しちゃってるしな……と、色々考えた挙句、とりあえず、御
目見得以下ということで、(中間管理職以上が)御七夜が無事済んだ事に対
するお祝いを申し上げるこの日も、通常通りの勤務をしていた、あの辺り付き
(と、いう設定に香夜さんが無理矢理した)仮名ゐさん(仮名Aさんのノリでお
読み下さい/あ、もしかして御使番?でも下のお錠口からは来ないだろ……)
が、小袖の裾絡げてドップラー効果付きで知らせに来たとお考え頂ければ。

降家…造語です。意味は“降嫁”の男性版とお考え頂ければ。

御次…
物の運搬をしたり、側室・姫君・高職者の世話をしたり(部屋の掃除や給仕の
他、話相手なども務める)、主・上役の傍や、その居る場所の次の間に控え、
御用の際に立ち働いたりなどする役目。さほど重要でない人事を担当する事
も。

紅返し…
「紅返し」(べにがえし)とも。袷や綿入れの袖口や裾を少しだけ折り返してお
いて、裏地を表に見せる事を「吹返し」(ふきかえし)、若しくは「袘」(ふき)と
言い、その中でも、裏地に赤い生地を用いる場合を特に「紅返し」と言う。
それにしても赤と黒って、京都出身(という設定)にしては随分too vividと言お
うか、アヴァンギャルドな趣味してますねぇ、うちの御台様は(←他人事のよう
に/ま、詳しくは知りませんけど>日本服飾史及び江戸時代の各地・各時代
のモード/あ、でもこれってLe Rouge et le Noir!? 全然類似点無いけど!)。
多分、箔も散らしてあるでしょうし。それが瀬那の事になった途端、ファンシー
ピンクと言うか桃/色/片/思/いと言うか(笑)、とにかく↓みたくなる訳ですか
ら、恋ってぇのは、妄想ってぇのは……!(震笑)

薔薇水晶…
紅水晶。ローズ・クォーツ。宝石としての価値は低いが、優しいピンク色は誰
にも好まれ、細工物によく使われる。

御島台…
州浜をかたどった台の上に、植物や反物で形作った吉祥の事物を、沢山載せ
たもの。祝事の席に飾られる。

御舟…
上面の縁が高くなった(直方体に近い?かもしれないが、箱とはちょっと違う)、
黒い漆塗りの台に綱を付け、上に物を載せて運ぶ道具。日本ですし、畳や板
敷きの上を引っ張ってゆく訳ですから車輪は付いていませんが、用途としては
要するに、イベントでサークル参加される方達(オンリー会場を探してて迷った
時は、彼女らに着いて行け!)が使ってらっしゃる、カートなんだと思います。

部屋方…使用人の、そのまた使用人。

金目の…
高い地位にあった武家ほど金銭の話を忌む事甚だしかったと、物の本に書い
てあったように記憶しております。赤御台は宮家出ですが、江戸の将軍家と
大奥を小馬鹿にしているのは、武家の考え方や作法にもきちんと通じている
からこそであって(凡人ならよく知りもせず、また知ろうともしないで一方的に
貶すでしょう。そういった意味に於いて狭隘な人間であってほしくはないんで
す、赤羽さんには)、ならば当然、御祝儀に関しても、武家以上に強い矜持と
美意識の下(彼の場合は“音楽性”か)、直接現金を包むような真似はしない
んじゃないかな、と。そうすると、その下で働いているコータローも自然と影響
を受ける訳です(結果、あの発言となる)。使用人の礼儀知らずと無知はそっ
くりそのまま、彼らを使っている立場に在る人間のそれに繋がり、最終的には
主人自身が恥をかく訳ですから。
アホの子っぽい拙ブログのコータローですが、実務に関しては結構テキパキ
していて使える子in山里の丸。コミックス29巻でデビルバットと仔デビバちゃ
んが「テストの点と頭脳は別物」と言っていたように、知的ではなくとも、実社
会では結構役に立つ子だと思います、彼は。また、口癖の「スマート(だぜ)!」
は時代考証と彼の知的レヴェルの都合上(苦笑)、「粋」と置き換えさせて頂
きました。
ちなみにプレゼントがゴージャスなのは別件。瀬那への好意と赤ん坊への友
好(?)の証なので(進さんに対しては最低限の礼儀として。基本的にはあん
まし気にかけていない)。

御台さま御養ひ…
正室が妾腹の子どもの嫡母となる事。実際に手許で養育するかどうかはまた
別の話です。うちの赤羽さんは引き取って育てる気満々ですが、現実には形
式の上でだけの事の方が多かったのではないかと。ちなみに「嫡親」というの
も造語です。うちの御台様は殿御ですから。

井戸…
李氏朝鮮でごく普通に使われていた日常用の食器が(特に両班の家庭の物
というのでもなく、庶民の家の物も含めて)、どういう経路を辿ってか、日本に
もたらされた後は不思議な事に、お茶席で大変有難がられるようになったとい
う、面白いお茶碗。
良く言えば「素朴だけど力強い魅力」、けれど侘び寂びに興味の無い人にとっ
ては、小・中学生が図工or美術の時間に作らされたものか、弥生式土器の親
戚か何かに見えるのではないかと思われる。
「井戸茶碗」乃至は「高麗茶碗」とも言い、現在でも蝶・高額で取引きされてい
るようです。が、うちの赤御台様はお好みがハッキリしていらっしゃるので、周
囲の評価がどうであろうと、御自身の音楽性に合わないものであれば、ぶっち
ゃけゴミと同じぐらいにしか思いません。従ってその場合の扱いも、推して知る
べし。今回のお茶碗はジュリちゃんが御台さまから、「持ってっていい、僕の音
楽性とは合わないから」と拝領した御品です(ジュリ&コタは急いでいたので、
厳重に管理されている赤羽さんのお茶道具を全部出してくる余裕は、無かった
のだと思われます)。
あ、濃茶手前の作法に関しての意地悪突っ込みはご容赦下さい。茶道の経験
が無いどころか、抹茶アイスさえ嫌いな人間が片手間に調べたものなので(苦
笑)。でも分かり易く教えて頂けるのなら、喜んで拝聴致したく!
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