9月21日
元国会議員の山本譲司さんの講演会に行った。
「累犯障害者」を読んでいたから、「他に行き場がなくて、生きるために罪を犯して刑務所に入った障害者が沢山いる」というのは知っていたが、それを遙かに上回る惨状だった。
わかりやすい例を引くと・・・
「中度の知的障害のある40代の男性。車の窓が空いていたのでのぞき込んだら、ダッシュボードに30円があったのでポケットに入れてしまった。車の持ち主が咎めたが、彼はにたにた笑っていた。障害のためになぜ怒られているのかわからなかった。しかし持ち主は、笑いながらぶすっと刺すような異常者ではないかと思って携帯から110番通報。彼は逮捕され、同じような前科があって累犯とされたので、懲役3年の刑になった。彼のような障害者を刑務所で一人抱えると年間500万円かかる。その前後の、逮捕から判決確定までと、出所後のケアの費用を含めると、国は彼のために約2000万円使った。この金で作業所などの受け入れ先を整備すればどれほどの人が助けられるか・・・
刑法39条心神喪失者無罰規定により、知的や精神的な障害のある人は罪を犯しても罰せられないと思いこんでいる人が多いけど、とんでもない。どう見ても明らかに障害のある人が、無銭飲食(詐欺罪)、子供の頭をたたいた(傷害罪)、子供を抱き上げて親がやめろといってもやめなかった(略取誘拐罪!)位のことで逮捕され、裁判に掛けられて刑務所に放り込まれている。
こんな軽微な罪で懲役刑になる背景には、ど精神障害者の事件の多発などから厳罰化を求める世論の圧力と、裁判員制度導入をにらんで裁判の迅速化を求める圧力(明らかに障害があっても、精神鑑定を受けてその結果を証拠として採用してもらえなければ障害者として扱われない。金も時間もかかる)があり、昔なら送検以前に警察でつぶしていたような事件もすべて裁判に掛けられるようになったことがあります」
「今や再犯専門の府中刑務所では受刑者の6割以上が知的・身体・精神障害者と後期高齢者で占められています。私が『今や刑務所の一部は福祉の代替施設になっている』と言ったら所長が『それはちがう。【ほとんどが】が、です」といっていました」
「心ある看守は怒っています。この人たちを福祉でどうにかできなかったのか、と」
路上生活の方に、かなりの確率で知的・身体・精神障害がある人がいることはある程度支援活動の経験を重ねるとイヤでもわかることだ。
この人たちが、日本のあまりに脆弱なセーフティーネットの隙間から滑り落ちて、最後に行き着く場が路上なのだと思っていた。
しかし、まだ先があった。刑務所だ。
刑務所を出ても、身元引受人がいなければ、雀の涙ほどの労賃(だいたい10万円以下)だけ与えられて、放り出される。
(出所後に入れる矯正施設もあるけど、期限が来たら出されるそうだ)
そしてかなりの人がホームレスとなり、そして生きるためにまた無銭飲食やわずかな金額の万引きをして、悪質な累犯者として刑務所に戻る・・・
確かに、池袋で夜回りをしていても
「刑務所を出たけど、仕事がなくて野宿してる。何か仕事はないか?」
という人に会ったのは1回や2回ではない。
「仕事、ですか・・・・」
就労については、独自のノウハウもスキルもなく、
都の自立支援プログラム(緊急一時保護センターから自立支援センターへ)を紹介するしか手がない私たちは絶句するしかなかったことを思い出す。
ホームレスと言うだけで仕事がないのに、そこに「前科者」というレッテルが重なれば、企業はどう思うかは容易に想像できたから。
ちなみに、入所者の高齢化は、一般社会を遙かに上回っているそうだ。
他の国なら福祉が面倒を見ているのに、
日本はそれを放置するから、また罪を犯す。
認知症をはじめとする様々な病気や障害を抱えた人が刑務所に送られて
看守は介護に追われる・・・・
今、刑務所と拘置所に収容されているのは8万人だそうだ。
公式に発表されている路上生活者の数より遙かに多い。
「皆さんが思うような、本当に悪い奴?というのは入所者の1割くらいしかいません。あとは間違って罪を犯した人がちょぼちょぼ、そして過半数は何らかの障害や病気を抱えた人たちが刑務所で暮らしています。『外に出るのが怖い、ここにいたい』という人も珍しくないのです」
タイトルはメジャーからは決して出せない危ないアルバム
”不死身のタイマーズ”より。
危ない言葉のオンパレードなので
どうしようか迷っていたけど、
この話題ではこの曲をタイトルに使わせていただくしかないでしょう。
”見て見ぬふり 見て見ぬふり~~
自分だけはカタワじゃないと信じてる
ことなかれ ことなかれの心
それこそまさにカタワの中のカタワ”
自分に関係ないと思うその心が
『カタワの中のカタワ」
そう、その通りだ。
ちなみに、このさび部分のメロディーがすばらしいと思う。
元国会議員の山本譲司さんの講演会に行った。
「累犯障害者」を読んでいたから、「他に行き場がなくて、生きるために罪を犯して刑務所に入った障害者が沢山いる」というのは知っていたが、それを遙かに上回る惨状だった。
わかりやすい例を引くと・・・
「中度の知的障害のある40代の男性。車の窓が空いていたのでのぞき込んだら、ダッシュボードに30円があったのでポケットに入れてしまった。車の持ち主が咎めたが、彼はにたにた笑っていた。障害のためになぜ怒られているのかわからなかった。しかし持ち主は、笑いながらぶすっと刺すような異常者ではないかと思って携帯から110番通報。彼は逮捕され、同じような前科があって累犯とされたので、懲役3年の刑になった。彼のような障害者を刑務所で一人抱えると年間500万円かかる。その前後の、逮捕から判決確定までと、出所後のケアの費用を含めると、国は彼のために約2000万円使った。この金で作業所などの受け入れ先を整備すればどれほどの人が助けられるか・・・
刑法39条心神喪失者無罰規定により、知的や精神的な障害のある人は罪を犯しても罰せられないと思いこんでいる人が多いけど、とんでもない。どう見ても明らかに障害のある人が、無銭飲食(詐欺罪)、子供の頭をたたいた(傷害罪)、子供を抱き上げて親がやめろといってもやめなかった(略取誘拐罪!)位のことで逮捕され、裁判に掛けられて刑務所に放り込まれている。
こんな軽微な罪で懲役刑になる背景には、ど精神障害者の事件の多発などから厳罰化を求める世論の圧力と、裁判員制度導入をにらんで裁判の迅速化を求める圧力(明らかに障害があっても、精神鑑定を受けてその結果を証拠として採用してもらえなければ障害者として扱われない。金も時間もかかる)があり、昔なら送検以前に警察でつぶしていたような事件もすべて裁判に掛けられるようになったことがあります」
「今や再犯専門の府中刑務所では受刑者の6割以上が知的・身体・精神障害者と後期高齢者で占められています。私が『今や刑務所の一部は福祉の代替施設になっている』と言ったら所長が『それはちがう。【ほとんどが】が、です」といっていました」
「心ある看守は怒っています。この人たちを福祉でどうにかできなかったのか、と」
路上生活の方に、かなりの確率で知的・身体・精神障害がある人がいることはある程度支援活動の経験を重ねるとイヤでもわかることだ。
この人たちが、日本のあまりに脆弱なセーフティーネットの隙間から滑り落ちて、最後に行き着く場が路上なのだと思っていた。
しかし、まだ先があった。刑務所だ。
刑務所を出ても、身元引受人がいなければ、雀の涙ほどの労賃(だいたい10万円以下)だけ与えられて、放り出される。
(出所後に入れる矯正施設もあるけど、期限が来たら出されるそうだ)
そしてかなりの人がホームレスとなり、そして生きるためにまた無銭飲食やわずかな金額の万引きをして、悪質な累犯者として刑務所に戻る・・・
確かに、池袋で夜回りをしていても
「刑務所を出たけど、仕事がなくて野宿してる。何か仕事はないか?」
という人に会ったのは1回や2回ではない。
「仕事、ですか・・・・」
就労については、独自のノウハウもスキルもなく、
都の自立支援プログラム(緊急一時保護センターから自立支援センターへ)を紹介するしか手がない私たちは絶句するしかなかったことを思い出す。
ホームレスと言うだけで仕事がないのに、そこに「前科者」というレッテルが重なれば、企業はどう思うかは容易に想像できたから。
ちなみに、入所者の高齢化は、一般社会を遙かに上回っているそうだ。
他の国なら福祉が面倒を見ているのに、
日本はそれを放置するから、また罪を犯す。
認知症をはじめとする様々な病気や障害を抱えた人が刑務所に送られて
看守は介護に追われる・・・・
今、刑務所と拘置所に収容されているのは8万人だそうだ。
公式に発表されている路上生活者の数より遙かに多い。
「皆さんが思うような、本当に悪い奴?というのは入所者の1割くらいしかいません。あとは間違って罪を犯した人がちょぼちょぼ、そして過半数は何らかの障害や病気を抱えた人たちが刑務所で暮らしています。『外に出るのが怖い、ここにいたい』という人も珍しくないのです」
タイトルはメジャーからは決して出せない危ないアルバム
”不死身のタイマーズ”より。
危ない言葉のオンパレードなので
どうしようか迷っていたけど、
この話題ではこの曲をタイトルに使わせていただくしかないでしょう。
”見て見ぬふり 見て見ぬふり~~
自分だけはカタワじゃないと信じてる
ことなかれ ことなかれの心
それこそまさにカタワの中のカタワ”
自分に関係ないと思うその心が
『カタワの中のカタワ」
そう、その通りだ。
ちなみに、このさび部分のメロディーがすばらしいと思う。