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経済学・統計学 オンライン指導

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効用関数

2018-09-06 17:14:18 | 経済統計

この問題(問題[1]のほうです)は効用関数について基本的考察をしています。

財Xの効用関数は、 U = x : 正比例 → 効用逓減しません

財Yの効用関数は、U = ln x:対数関数 → 効用逓減します

普通の消費財なら効用逓減します。食べ物の場合、空腹時はどんどん食べますが、満腹になればもう食べたいと思わなくなります。映画が趣味という人も、たくさん観たら他のことがしたくなると思います。

財Xのような効用一定のケースはあまりなさそうですが、貨幣については効用一定を想定することはできます。十万円の効用は、一万円の効用の十倍だと考えます。一億、十億の大金となるとわかりませんが、普通の金額ならそこそこ妥当性はありそうです。

このように、貨幣の効用一定を想定して、効用逓減する一般的な財と比較する議論はときおり目にします。興味深い、というか特徴的なのは、財Xとペアにした対数関数型の効用関数の場合、需要の価格弾力性がー1になります。

消費者は、価格変化と同じ割合で消費量を変化させますから、その材に支出する金額は変化しません。

ちなみに逓減する効用関数として、平方根を考えることができます。この場合、需要の価格弾力性はー2になります。

対数関数のほうが効用関数よりも効用逓減の度合いが強いので納得できる結果ではありますが、正比例と対数関数あるいは平方根をペアにすると需要の価格弾力性が整数で出てくるところが興味深い点です。

消費者行動をモデル化する場合にいろいろと使えそうなアプローチです。

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経済学・統計学・数学 指導いたします。通学・オンライン どちらも可能です。

詳しくはこちらをご参照ください。

 https://blog.goo.ne.jp/scm123/e/745ef0930cfd8347f772a1f10c02a565

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コブダグラス型生産関数

2018-08-24 11:37:17 | 経済統計

以下の問題は、某大学の経済学部編入試験の問題と解答です。

「コブダグラス型生産関数」という有名な関数が出題されていくます。数式を追うのがメンドウではないと思う人は目を通してみたください。

論点として面白いと思うのは(3)(4)の回答から得られる考察です。

人口が4%減少しても、GDPは資本4割・労働6割で作り上げられるため、GDPの減少は0.6✖4%=2.4%の減少にとどまります。

そうすると、一人当たりGDPは -2.4% - (-4%) = +1.6% で増加することになるのです。

第一印象的には逆説的かもしれませんが、人口減少しても資本一定なので、一人あたりで考えれば利用できる資本は増加することを考えれば納得できます。

人口増加するときには、住宅電気水道道路等のインフラを整備する必要があります。「成長期の隘路」とも呼ばれる問題です。額に人口減少なら一人当たりのインフラ装備は何もしなくても増えることになります。

少子高齢化が問題視されていますが、必ずしもネガティブなことだけではない、ということを考えさせられます。

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米中貿易摩擦と株価

2018-03-26 16:15:09 | 経済統計

ひと昔前までは日中摩擦でしたが、いまは米中摩擦です。

中国は市場の開放性に問題があり、また違法コピー等知的所有権に関する問題に関して、不当な保護主義であるとしてトランプ大統領は報復関税の方針を示し、中国はこれに反論、「米中、水面下で貿易交渉開始、米が要求示す」とウォールストリートジャーナルは報じています。

米国の経済状況は決して悪くはないと思うのですが、対中貿易赤字には大きな不満がありそうです。米国ダウは二日間で4%も下落し、日経平均も先週金曜日だけで1000円近く値下がりしました。

ただ株価は雇用統計の数字はいいのに利上げになるから下落するとか、真の経済実態を反映しているとも思えません。昨年後半に上げすぎた調整を何かと理由をつけて実行しているようにも見えます。暴落暴落と騒いでいますが、ダウは昨年11月頃の水準に戻っただけで、一年前はさらに安かったのです。

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確率論の世界

2017-11-29 10:29:39 | 経済統計

確率論の世界を俯瞰するなど、大胆ではありますが、敢えてやってしまうと…

・加法族の拡張: 有限加法性から無限加法性へ

・大数の法則、中心極限定理

・マルチンゲール、マルコフ過程

・確率微分方程式

数学科的な厳密性を求めてしまうとたいへん難しい世界ですが、言葉でわりきってしまえば楽な世界にもなります。

たとえば、オプション価格を理論化したブラックショールズは確率微分方程式の高度な応用です。厳密に理解できる人の数は限られるように思います。一方、この理論を二項モデルでボラティリティと時間の関数とアバウトに理解しても、それはそれで役に立ちます。

現実世界(私の場合主に経済ですが)で確率論で語られる理論がどうあてはまるか、いくつかレベルがあったほうがやりやすいことは確かです。

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人口知能・機械学習

2017-01-16 21:53:11 | 経済統計

ここのところ更新できませんでした。仕事とともにAI(人口知能)にかかわる「学習」が忙しかったのです。

AIも定義次第でいろいろあると思いますが、私が学習していたのは、画像や音声の認識にかかわるような分野(これだけに限りませんが)です。

簡単な例としては、人間が手で書いた数字を読み込んで、それが0から9のどの数字なのかを判断させるプログラムがあります。

原理は、数字の画像をタテヨコ16×16=256のドットの情報にして、その入力から、0である確率、1である確率、、、9である確率の10個の出力をおこないます。入力256→出力10とするので、情報を集約する方向ではありますが、ときには情報を膨らませることが有効な場合もあります。

I次元の入力をJ次元の出力に変換するときは、J×I行列を使い、これを何層にも重ねていきますが、判断の精度をあげるためにいろいろなテクニックがあります。詳細は以下のような本に書かれています(全部に目をとおすのは大変ですが)。これから時間に余裕があれば、それぞれの書評というか感想を書いていきたいと思います。

統計と似て非なる領域ですが、IoT等とも深く関連し、新しい分野であるだけにそのポテンシャルも大きく、期待感とともに世の中が騒ぐのもうなずけるところです。