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セイピースプロジェクトのブログ

【活動報告】日韓ユースキャンプ開催しました!

2010年08月28日 | 東アジア情勢・歴史問題
韓国併合100年を迎えた2010年8月、セイピースプロジェクトは、KEY(在日コリアン青年連合)、KYC(韓国青年連合)、東北アジア歴史財団との共催で、東アジアの若者が共に学び、対話し、表現する企画「日韓ユースキャンプ」を開催ました。日本、韓国、在日の約50名の若者が、東京とソウルで行われた1週間のプログラムに参加しました。簡単に報告したいと思います。
 私は、前半の東京プログラムでは、東アジアの平和と安全保障について考える「平和コース」に参加しました。参加者であると同時に、私はこのコースの企画者でもありました。東アジアに未だ国境を隔てた相互不信と軍事的緊張が存在する状況だからこそ、日韓の若者で沖縄戦や核兵器の被害について学ぶことで、共に東アジアの平和について考えることが重要だと思い、プログラムを考えました。
 
 沖縄戦の体験者の証言は、参加者の心を強くつかんでいました。言葉だけでなく、全身を使って表現されるそのお話は、とても臨場感があり、生々しいものでした。日本側の参加者も韓国側の参加者も、話に引き込まれていました。韓国側の参加者から、日本には加害のイメージがあったけれども、「日本の中にもこのように被害を受けて、証言をされて方がいることは知らなかった」という感想があったことが印象的でした。沖縄戦から見えてくる戦場のリアリティ、集団自決・住民虐殺は、その後学んだ核実験の被害とともに、歴史から学ぶことのできる普遍的な教訓であり、参加者全体に共有することが出来たのではないかと思います。私たちは、国や立場は違っても、加害・被害という壁を乗り越えて、同じ一人の市民として、これからの未来を担う世代として、同じように過去の歴史から学ぶことのできる立場にあるということを実感することができたことは純粋に嬉しかったです。

 一方でソウルプログラムでは、日本側にその責任が強くつきつけられました。元日本軍姓奴隷制度の被害者が暮らす「ナヌムの家」訪問、そしてハルモニのお話は日本側参加者に大きな衝撃を与えていました。日本側参加者は自分たちの責任を感じていました。一部の韓国側参加者の中では、反日感情が再燃。一時、場の雰囲気は重くなりました。もちろん、それだけではありません。むしろ「実際に交流する中で日本人に対する不信感が払拭された」という意見や、「ハルモニが生きているうちに自分達はできることをやらなければならない」という前向きな意見の方が多く見られました。「この問題を解決するためにどうすべきか」、この一点で私たちの心はつながっていると感じました。

 軍事境界線・DMZ付近を訪れたことは、とても新鮮でした。日本にいては決して感じることの出来ない南北分断のリアリティを肌で感じることができました。閑散とした都羅山駅と南北出入事務所が寂しく見えました。そしてここでもまた、韓国、日本、在日コリアン、脱北者で南北関係について4者4様の意見が交わされました。何よりも、この4者が同じ体験をして同じ場で議論をするということ自体が貴重な大切なことだと、参加者全員が感じていたのではないでしょうか。特に脱北者との出会いは、私にとっても忘れることができない経験です。


 今回のキャンプは東アジアの平和実現に向けた第一歩、始まりに過ぎません。私たちのつながりは質的にも量的にもまだまだ不十分です。私たちの目の前には、依然として様々な困難と課題があります。しかしながら、私は、今回のキャンプを通じて、今回のような具体的な人と人のつながりが、東アジアの平和実現の大きな力となるのだということ、市民レベルでの取り組みがあれば地域の和解や軍縮を実現することは可能だという確信をより一層強くすることが出来ました。だからこそ、今回の参加者には、ここで終わってほしくない、継続してほしいと思いました。このつながりは、発展させていかなければ意味がないと、強く思っています。

最後になりましたが、今回の企画に協力してくださった多くの方々に感謝します。ありがとうございました。

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