「京の大工棟梁と七人の職人衆」(笠井一子著 河出書房新社 2020.11.30初版 227ページ)
北海道砂川市のいわた書店の岩田徹さん、イチオシの本である。1999年6月に草思社から刊行された同書が廃刊になり、復刻版としてまた世に出た。
その岩田さんの文章を紹介する。(一万円選書)
「ルポライターの笠井一子さんがまとめた『京の大工棟梁と七人の職人衆』。数寄屋(すきや)大工、左官、表具師、錺師(かざりし)、石工(いしく)、簾師(すだれし)、畳師、庭師。失われつつある日本の美意識と文化を築いてきた。京の棟梁と職人の、匠の技と感覚、仕事と心を知ることができる1冊です。「最後の数寄屋大工」と言われ中村外二さんと家造り・庭造りの職人たち。それぞれがドキュメンタリー番組になるくらいひとつの道を極めてきた人なんだけど、自分にこの仕事は向いていないんじゃないかとか、悩んで迷って、それでも技を磨いていくんですね。どんなプロフェッショナルたちも葛藤を抱えながら、自分の山に登っているということがよくわかります。「仕事とは」―働く意義にぶつかった人にはぜひ読んでほしい本です。
こういう人たち、職人が昔もいまもいる。日本の良さを再発見できる1冊の本だ。