「滅びの前のシャングリラ」(凪良ゆう著 中央公論新社 2020.10.10 初版 330ページ)
1か月後、小惑星が地球に衝突し、地球の生き物は滅びる。学校でいじめを受ける友樹(ゆうき)、人を殺したヤクザの信士(しんじ)、恋人から逃げ出した静香(しずか)。荒廃していく1か月間で4人はどうなるか。1か月でモラルもなにも無くなる世界。常識的思考と願望、悲観と楽観、絶望と希望、好意と悪意が混ざり合う。向かう先は滅亡だ。
あり得ない話ではない。
シャングリラは、理想郷のことで、イギリスの小説家ジェームス=ヒルトンの「失われた地平線」中、仏教徒のユートピアであるシャンバラをモデルにして描かれたユートピアとあった。