北海道の四季登山と読了記

週末の休みを利用して登山しています。ときどき本も読みます。

(067-0806) エンド・オブ・ライフ

2023年08月16日 | 四季の山登り(2023.1.1~2023.12.31)

「エンド・オブ・ライフ」(佐々涼子著 集英社インターナショナル 2020.2.10 第1刷 315ページ)
終末医療に臨む患者と看護師たちの話である。著者は「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」や「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場」を著している。
京都の診療所で在宅の終末医療に携わる人と家族を追った。感情を抑えつつ、現場の様子や自分の母の在宅医療を語っている。終末期の過ごし方に正解はない。いくつもの選択肢がある。
著者のあとがきに「私たちは、誰も死について本当はわからないということだ。これだけ問い続けてもわからないのだ。もしかしたら生きている、死んでいるなどは、ただの概念で、人によって、それは異なっているのかもしれない。ただひとつ確かなことは、一瞬一瞬、私たちはここに存在しているということだけだ。もし、それを言いかえるなら、一瞬一瞬、小さく死んでいるということになるだろう」
「最後の瞬間まで、誠実に生きていこうとすること。それが終末期を過ごす人たちが教えてくれた理想の生き方だ。少なくとも私は彼らから、『生』について学んだ」(314ページ)

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