北海道の四季登山と読了記

週末の休みを利用して登山しています。ときどき本も読みます。

(100-0911)のんのんばあとオレ

2022年09月30日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「のんのんばあとオレ」(水木しげる著 ちくま少年図書館37 1977.10.25 第1刷249ページ)
水木しげるの40歳までの半生記である。1924年生まれ。ゲゲゲの鬼太郎に至るまでずいぶんと遠回りした人生だった。
戦争で左腕を失くした。復員して絵描きになろうとしたり、片腕で魚屋をやりながら、武蔵野美術学校にいき、紙芝居描きをしたり、貸本漫画描きもした。
その妖怪漫画は幼少期に「のんのんばあ」が語ってくれたことが土台にある。自由な少年時代があったから水木しげるになれたのだ。人生にけっして無駄はない。

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(099-0910)70歳が老化の分かれ道

2022年09月30日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「70歳が老化の分かれ道」(和田秀樹著 詩想社新書352022.2.21 第11刷188ページ)
ずいぶんと読まれている。今年2月現在で11刷だ。著者は1960年生まれで62歳のこころと体のクリニック院長だ。
かつての70代といまの70代はまったく違う。健康寿命が男性72歳という。70代の過ごし方を努力することで要介護になることを出来るだけ遅らせることができると説く。無自覚ではなく意図的に生活をすれば健康寿命を延ばすことができるとも。
読み終えて思ったのは、健康になる方法はたくさんあるということ。そのときどきのマスコミや本に左右されずに自分にあった、自分の好きと思える生き方でいい。10年前や20年前に良いとされていた生活がいまは否定されたりしているのを見ると何が良いことなのか逆に不安になる。

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(098-0909)家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

2022年09月29日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(岸田奈美著 小学館 2020.10.17 第2刷\221ページ)
車椅子ユーザーの母(病気で)と弟(ダウン症)がいて、父は心筋梗塞で急死。泣きながら笑う技と、怒りながら信じるコツ。
人生は、少しずつ、大丈夫になってゆく。
いちばん感動したのは、良太君が中学生のときに、お金を持っていないのにコーラを持ってきた万引き疑惑事件を引き起こした。問い詰めるとポケットからレシートが出てきて、レシートの裏には「お代は、今度来られるときで大丈夫です」。コンビニ店主の厚意でコーラを「掛け売り」にしてくれたのである。著者と母がコンビニに行き、詫びたが店主は「喉が渇いて困った良太君がこの店を頼ってくれたことがうれしい」という。地域の人たちはフォローしてくれる。困っている人への接し方が素晴らしい。
「死ななきゃ、なんとかなっちゃうよ」(幡野さんの軽やかな言葉。200P)、「人を大切にできるのは、人から大切にされた人だけやねんな」(214P)、「岸田さんが苦しいのは、いまの岸田さんを好きになれていないのかもしれない。自分が嫌いだと、他人に評価を求めようとするからね。」(あとがき 220P)。
読んで損はない本だ。

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(097-0908)プリズン・サークル

2022年09月26日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「プリズン・サークル」(坂上香著 岩波書店 2022.3.24 第1刷 278ページ)
著者はドキュメンタリー映画監督。受刑者が互いの体験に耳を傾け、本音で語り合う刑務所はいままでなかった。それが島根県にある刑務所で実験的に行われている。塀の中を長期撮影し、映像化した人が著者である。
日本の刑務所は沈黙の世界である。受刑者は人と接触する機会がない。多くの場面で会話は厳しく禁じられている。それに違反すると懲罰の対象になる。
プリズン・サークルで活動を続けると各段に再犯率が下がる。人と人の対話や接触がないまま、社会に出ると再犯率が下がらない。人は人の中で成長していく。この刑務所の活動が他の刑務所に広がることを望む。

 

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(2022-47) 小屋整備

2022年09月25日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

金曜日と土曜日は雨天で登山できずにいた。金曜日は羊蹄山登山を予定していたが、朝からの大雨であえなく自宅で読書。
土曜日も午前中まで雨天でおとなしく自宅にいた。

日曜日は所属する会で小屋の整備で屋根にあがってペンキ塗り。落下しないようロープをつかって屋根と破風を塗った。
15年ぶりの塗装。屋根の状態は良かった。

 

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『10代の君たちへ――自分を育てるのは自分』 東井義雄

2022年09月22日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「致知」で出ていたものを転載する。

『10代の君たちへ――自分を育てるのは自分』
東井義雄先生が子どもたちに向けて語った
不朽の名講話録『自分を育てるのは自分』
東井義雄・著
東井義雄先生が68歳の頃に、中学校の生徒の皆さんを前に
話をされた講演二篇をまとめたものですが、秀逸の講演です。
こんな話を直に聞けた中学生は幸せというべきでしょう。
東井先生の祈りのようなものが聞こえてきます。
全篇これ、至極の内容ですが、中でも特に心に響いた、
あるお婆さんのお話をそのまま紹介します。

「私は主人が早くに亡くなりました。
 女の子一人の母子家庭だったんですけど、
 主人が亡くなってから、くず屋の仕事を続けて、
 女の子を養いました。

 幸い、小学校の頃は、いい子だ、やさしい子だと、
 皆さんから誉めていただいていたんですが、
 中学校になってから、ぐれ始め、
 とうとう中学二年の時には警察の
 お世話になるようなことになってしまいました。

 あのいい子だいい子だといわれた子が、
 なぜこんなことになったんだろうか、
 どう考えても分かりません。

 それが偶然わかったことですが、
『いくら勉強できるからといって、くず屋の娘やないか』
 といわれたことが大きなショックになって、
『お母さんがあんな仕事をやってるから、
 いくら勉強やったって、みんなからバカにされる』
 と考え、それからぐれはじめたということがわかりました。

 しかし、このくず屋の仕事をやめてしまっては、
 もう今日からの暮らしに困ってしまいます。
 かといって、ただ一人の女の子が、
 そんなことでは、亡くなった主人に申し訳ございません。
 長い間、ずいぶん迷いましたが、
 結局私の仕事をわかってもらう以外にはないと
 考えつきました。

 ある時、
『お母さんが長い間こんな仕事をやってきて、
 足腰が痛んで、どうにもこうにもあの下からの坂道、
 家まで車を引いて登ることが
 できなくなってしまったんだ。
 すまんけど、あの下のポストのところまで、
 明日の晩迎えに来てくれないか』

『ボロ車の後押しなんかイヤだ!』
 思った通り、はねつけられてしまいました。

『イヤだろうな、ボロ車の後押しなんてイヤだろうな。
 でもお母さん、足腰がもう痛んで、
 どうにも車があがらなくなってしまった。
 頼むからあのポストのところまで、迎えに来てくれないか』

いくら頼んでも、
『ボロ車の後押しなんてイヤだ』
『イヤだろうな、ボロ車の後押しなんて、イヤだろうな。
 でもな、6時には間違いなしに帰ってくるからな。
 あのポストのところまで迎えに来てくれんかい』

『じゃあ、6時ちょっきりやで。
 すこしでも遅れたらよう待たんで』
 ということで、どうにか承知してくれました。

 あくる日、車を引いてポストのところまで帰って来ると、
 ポストのかげに、恥ずかしそうに、
 しゃがんで待っていてくれました。

 そして、後を押してくれたんですが、
 車を引きながら、このボロ車に顔をそむけながら、
 どんな思いで後押ししてくれているかと思うと、
 こんな仕事やってきて、
 そして娘にまでこんなみじめな思いをさせると思うと、
 たまらん思いでしたが、おかげさまで
 家まで車を引いて登ることができました。

『あんたのおかげで、今日は久しぶりに
 車を引いて帰り着くことができた。
 明日もすまんけどな、お願いするよ』

 そのあくる日も迎えに来てくれていた。
 そんなことが五日ばかり続いたある日、
 ポストの倍のところまで迎えに来てくれていました。

 後押しをしながら、
『お母さんの仕事って、大変なんだな!』
 と叫んでくれました。

『お母さんだって、この仕事が好きなはずはない。
 でも私のために、この仕事、
 足腰が動かなくなるところまで頑張り続けてくれた。
 私のために。だのに私はお母さんを恨むなんて』

 気付いてくれていたんです。
 そのあたりから、立ち直ってくれました。
 今ではおかげさまで、いい母親になって、
 二人の子どもに恵まれているんですが」
 と聞かしてくれました。

この話に続けて、東井先生はこう言われています。

「自分を生かしてくれるものに、目が覚めてみるとね、
 ぐれたりなんか、自分勝手な生きざまが
 できなくなってしまうんですね。
 願いの中に自分が生かされている。
 どうかそのことを一つ味わっていただきたいんです」

おそらく、この言葉は聴いている生徒の心に
深く響いたことでしょう。

願いの中に自分が生かされている――すばらしい言葉ですね。

そのことを忘れると、バカになる、といわれています。
どうか皆さんは、自分で自分の人生を
粗末にするバカにならないようお願いしたいんです、と。

バカにならないよう、
心して人生を歩みたいものです。

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(2022-46)ニセコ西端

2022年09月17日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

今日の行先は岩内岳(1211m)と雷電山(1085m)。岩内町のキャンプ場横にある登山口から登り、岩内岳を経由し、雷電山頂上を往復するコースだ。
累積標高差は1175mで雷電山までの往復時間を8時間を見込み、その時間どおり登り下りした。

リフト最終点は残骸。

岩内岳頂上は1等三角点だった。登りはほとんど雲のなかで景色を楽しむことができなかった。頂上近くから風が強くなり、ジャケットをザックから取出し、着込んだ。

リンドウはいまが盛りだ。

高層湿原。花すでに終わっていた。

2度目の雷電山。前回は朝日温泉からこの頂上を往復した。このときは5時間半かかった記憶がある。

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(096-0907) やがて訪れる春のために

2022年09月17日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「 やがて訪れる春のために」(はらだみずき著 新潮社 2020.9.15 253ページ)
主人公真芽(まめ)の祖母が住む家屋と季節の花々がたくさんある庭を中心に物語は進む。祖母「ハル」は認知症らしい。祖母は大腿骨を折り、老健施設に入ることになった。場所は千葉県佐原の線路沿いの家。ハルが入院し、庭は荒れ放題になった。真芽は日曜日だけカフェを開いたことで話が展開する。幸せという花は、どんな場所でも咲かせることができる家族と庭の再生物語で読了後、すがすがしさを感じた。

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(095-0906)一橋桐子(76)の犯罪日記

2022年09月16日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「一橋桐子(76)の犯罪日記」(原田ひ香著 徳間文庫 2022.8.15初版 348ページ)
 高齢者にとって収入が少ない、蓄えがないというのは切ない。主人公はひとり暮らしの76歳女性で刑務所入りたいと願っている。いまの日本の高齢者が直面している住居の不安、収入の少なさ、孤独になること、働けなくなることで社会から役に立っていることから疎外されること。だから終の棲家を刑務所に見出そうとしている主人公の考えも出てくる。「人の死、特に老人の死と言うのは結局、これまでの人生の答え合わせなのかもしれない。もちろん、桐子自身だって、どんな死を迎えるのかまったく予測はつかないのだ(337ページ)。老後の不安を解消するために桐子が選んだのは刑務所に入ることだとはいえ、刑務所に入ることによって国の負担(施設維持や食費、刑務官の人件費など)は200万から300万円かかるというのを以前読んだ本に書いてあった。
著者は「三千円の使いかた」。

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(094-0905) 中村天風の生きる手本

2022年09月15日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「中村天風の生きる手本 世界でいちばん価値ある贈り物」(宇野千代 中村天風述 三笠書房 236ページ)
宇野千代が中村天風の講話の中から編集した。
「人間も何事も自分の考えた通りになる。自分の自分に与えた暗示の通りになる。」「出来ないと思うものは出来ない。出来ると信念することは、どんなことでも出来る。」と宇野千代は「天風先生と私」(231ページ)に書いてある。
人間には、辛がったり、苦しがったりするほうの自分と、喜びと感謝で生きられるほうの自分とがあります。個人の幸福はまた人の世の幸福です。

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(093-0904)NASAより宇宙に近い町工場

2022年09月13日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「NASAより宇宙に近い町工場 僕らのロケットが飛んだ」(植松努著 ディスカバー 2009.11.15 第3刷 199ページ)
工場は北海道赤平市にある。赤平市は田舎。そこにリサイクルで使う「マグネット」を開発し、シェアは90%を超えている。
そこの元専務、現社長がロケットや人工衛星の研究開発をしている。植松電機の社員は20人、経営方針は「稼働率を下げる、なるべく売らない、なるべくつくらない」だ。どんなことがあっても壊れない製品をつくり、安売りしない。時間を余らせて新しいことに使う。文章の中に珠玉のことばが沢山出てくる。以前、youtubeでこの人の講演を聞いたことがあるが「どうせ無理から脱却」「人生、最後に勝つのはどれだけやったかです。どれだけもらったかではない」は人生論である。

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(2022-45)2週続けて同じ沢

2022年09月12日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

今日の行先は先週日曜日に行った富岸沢。
というのは今日は所属する山岳連盟の沢・登攀研修会の日で今日が本番だ。
総勢14人を2班に分かれて沢を上り下りした。

安全のため、懸垂下降で河原まで降りる。

遠くにかすんで見える羊蹄山

カムイヌプリ頂上近くの3等三角点。ここまで林道歩き50分、入渓して3時間、獲得標高670m。数か所の滝のぼりをクリアして、全員怪我無く、終了した。

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(2022-44)2日連続の沢

2022年09月04日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

今日は登別市にある富岸沢(とんけしさわ)を遡行した。入渓するまで約50分の林道歩き。
入渓して約3時間でカムイヌプリ頂上にたどり着いた。

昼食はカムイヌプリ頂上で摂った。下りは登山道を使い、登山口に戻り、帰宅した。

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(2022-43)沢登り

2022年09月03日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

今日は支笏湖の近くの漁川(いざりかわ)支流の「ラルマナイ川」を遡行した。

沢際を歩くことを「ヘツル」というがこれがなかなか難しい。そのまますべって「ドボン」となることがある。これが嫌で全員濡れて対岸に行く。約4時間かけて遡行を終えた。高巻が2回。初級というより中級レベルに近い沢だった。

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