・東梅田で面白い宣伝(競馬雑誌?)をみかけ、そのまま地下鉄で四天王寺前夕陽ケ丘下車、会場へ。途中、2人づれ(他人)の話を聞くともなく聞きながら歩く。一人が話役。「ここが、桂ざこば(だったと思う)の実家や。通りの向こうが○○の実家やったかな」「荷物預けてから行こか」(ここもそれができたのか)「終わったら、ここ集合」…… 先導役なのですね。
・関西の古本市の初日といえば、何ということなく、とある人がいないかなと気になる。まったくの他人ですが、初日の早い時間帯に居る人。白髪の長髪(ロン毛ではなく)で、近藤正臣を連想させる、二枚目の部類。スラックスかジーンズで、軽いジャンパー様の上着が似合う。もうそれなりのお歳なんだけど、キビキビ動く。顔見知りの店主が多いのか、「先生、先生」と呼ばれる場面もちらほら見かける。私が関西の古本市に顔を出すようになって20年くらいになるけれど、その当初から同じような風体でした。で、今日もいらっしゃいました。
・顔なじみといえば、5年ぶりくらいで挨拶したのが、京都の古本屋さん。覚えていてくれたとはウレシイ。仙台にいたころ、毎月送られてくる古書目録でよく買ってました。が、岐阜にきてからは、実体距離は近いのに、目録の郵送が遅くなり、逃してばかり…… そうか、仙台時代からの付き合いだったんだ。岐阜にきた当初くらいだったか、毎月のように顔を出していたから覚えちゃったのかな。
・和本の均一台で10冊ほど拾う。いま思い返すと、安かったんだから、すでに持ってるものでも重複して買ってもよかったかも。状態は個々別々なのだから、互いに補い合う部分もありそうだし、「同じもの」と思っても、よくよく見たら別の版木からのものかもしれないし。
・ここで粘って物色してると、入れ代わり立ち代わり、いろんな人が来る。いずれも他人ですが、まずは2人組の老人。片方の人が「ほれ八犬伝や。これ買いなはれ」「あんた、人のものはえーから自分のほしいもの探さんか」。今度は初老の二人。学術関係者かも。「んー、もう30年もすれば、和本なんぞなくなるやろ」「そうですか。後継者もおらんかもしれませんしね」。さびしい話をしますね。でも、そういう日はいつか必ずやってくるのだが。おばちゃん3人組みの一人「私らなんぞには分からへんけど、よーけ探してますな」。
・ほかにも大正期の料理本や明治初期の小さな英和辞書(日本語が縦書き)や『捷解新語』の研究書などを買うとそこそこの重量になった。「1箱500円」という格安設定の宅急便で送ってしまう。
・軽く疲れたので立派な無料休憩施設で一休み。多分、冷暖房完備だろう。こういう場所があるところを会場に選ぶのだろうか。助かります。少し元気がもどってまたぞろ同じ場所へ。いかなければ良かったのだけれど、送った本の続き(ツレ)を見つけてしまい、しかたなく買う。
・ついでに境内散策。これは「知恵の輪くぐり」という施設(?)。神社などでやってる「茅の輪くぐり」の真似かな。名前もなんだかねぇ。
・近くのカフェで昼食。和風チキンフライ定食(日替わり)。薄めの衣がパリっとしてたのは嬉しい。肉がジューシーならなお良かった。
・梅田にもどって阪急で岡町へ。十三からだったか、小学3年生くらいの団体さんが乗り込んできた。相応にしつけられているのか、大声をあげる子とてない。ひそひそ声でもないけれど、最低限のマナーは守ろうとしてる感じが好印象。結局、岡町まで一緒だった。それにしても、岡町ってなんだか落ち着く。なんででしょうね。商店街がなんとなく昭和な感じだからかな。少し歩けば床しい雰囲気の家もぱらぱらある。
・岡町では、語彙集の充実した用文章ほかを購入。もう一箇所、たとえば神戸とか、がんばって京都とか行こうかとも思ったが、さすがに疲労を覚える。突然の雷鳴とともに雹も降ってきたし… で、とりあえず撤収。ホテルで一休みしたらデスクワーク。(大フィルのマーラー2もあったみたい。大がかりな曲だから実演を聞くのもよかったかもしれない。が、力尽きそうなので自粛(自滅?)。