徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書 月別まとめ

2018-09-01 07:42:19 | 日記
8月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1409
ナイス数:459

昭和史の10大事件 (文春文庫)昭和史の10大事件 (文春文庫)の感想
半藤と宮部が表題通り大事件を選定しそれを元に対談を行うという趣向。二人の背景、問題意識の違いが垣間見られる。当然、宮部の生まれる前は半藤先輩(卒業校が同じ)に教えを請うという形になるが、この雰囲気が実に良い。半藤先輩の顔がほころんでいるのが分かる。各項目は勿論知っている(つもり)のだが、それぞれに新しい教示があり楽しい。金閣寺放火事件なんて三島の小説のイメージが強すぎて実話を知らなかったし。大政翼賛会の成立、東京裁判時の生の庶民感覚も意外な感じ。目から鱗程では無いが、程よい読書の快感。
読了日:08月31日 著者:宮部 みゆき,半藤 一利
春琴抄・吉野葛 (中公文庫)春琴抄・吉野葛 (中公文庫)の感想
吉野葛のみ青空文庫で。いにしえの南朝、義経伝説を採取しつつ吉野を訪ねる。更に同地を紹介してくれた旧友の母親に対する思慕と生い立ちを探る要素が加わる。狐の鼓伝説、葛の葉伝説の背景が母親への愛惜の念を更に高める効果を上げている。美しい一遍。
読了日:08月21日 著者:谷崎 潤一郎
教養としての官能小説案内 (ちくま新書)教養としての官能小説案内 (ちくま新書)の感想
読書メーターで存在を知り購入。年代順に発表媒体、作家、作品とサワリを紹介している。教養と言えるかどうか、一応チャタレイ裁判、四畳半襖の下張り(永井荷風か)、ファニーヒル(吉田健一訳)とかの話もフォローしてある。エッチも人間生活の一部だし。取り上げられている作家がすごい数で古い人は見覚えがあるけど、ある年代を過ぎると分から無いのは他の分野と同じで、新しい作品に対して「現役」だった時期を確認出来るのが何か物悲しい。普段表に出にくい分野に関する考察、紹介なので色々考える材料にはなった。
読了日:08月18日 著者:永田 守弘
図録 性の日本史図録 性の日本史の感想
良書。この先生、自分で挿絵を描く。これが味わい深い。昔の教科書風。内容は極真面目で古い順、つまり古事記の国生み、アメノウズメ辺りから始まって、昭和後期・モーテルまで網羅されている。戦後のカストリ雑誌とかマッチ売りの少女とかが入っているのは珍しい。真面目な話、明治以降編は歴史教科書の副読本にしても良いくらい。トルコ風呂の発祥なんてキチンとして置かないと歴史の彼方に埋れてしまうだろうし。小生の知っているのは「形ばかりで使われない家庭用蒸し風呂」で冗談で「あれに入りたい」とか相方に言った事も。続く
読了日:08月16日 著者:笹間 良彦
春琴抄 (新潮文庫)春琴抄 (新潮文庫)の感想
何回か読んでる筈だが記憶とは異なり、今回は大変感銘を受けたというか、別世界にトリップ出来た。春琴と佐助の被虐趣味を含んだ純愛物語として纏めてしまうのは余りにも勿体ない。こんな手垢の付いた言葉では掬いきれない「人間の奥底」が流麗かつ周到な文体で表現されている。作者が二人に仕えた弟子の聞書を読んで補足、解説を加えるって体裁が面白いし効果を上げている。自分の創造した書物を引用して、推理解説しているわけで、「豪勢な力業」に酔う。筋としては佐助が盲目になる所でお終いとなってもいいのだが、 続く
読了日:08月12日 著者:谷崎 潤一郎
山の日、殺人事件山の日、殺人事件の感想
面白かったですぅ。こう言うの好き!
読了日:08月10日 著者:ヒデキング
ロボッチイヌ (ちくま文庫)ロボッチイヌ (ちくま文庫)の感想
文六センセの短編集。かなりの人がバラエティにとんだ各編に意表をつかれたのではないか。異彩を放つのは「文六神曲編 」か。大病時の回顧と思いきや、神曲編に相応しいおぞましさ、不気味さは文六センセには珍しいテイスト。「カニババ」って言葉を初めて知った。辞書を当たると赤ん坊の最初のウンコの事らしいが、文六センセは最後のウンコって意味で使っている。ここら辺の事情が気になる。解説でも指摘しているが、文六センセは長生きしたので執筆年代を考慮しないと混乱したり誤読する可能性があり、短編ではその可能性が更に高まる。続く
読了日:08月06日 著者:獅子 文六

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