徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書 ロボッチイヌ 獅子文六

2018-08-06 10:24:42 | 日記
徐仙日乗 読書 ロボッチイヌ 獅子文六 ちくま文庫
読了 読書メーターと重複

文六センセの短編集。かなりの人がバラエティにとんだ各編に意表をつかれたのではないか。異彩を放つのは「文六神曲編 」か。大病時の回顧と思いきや、神曲編に相応しいおぞましさ、不気味さは文六センセには珍しいテイスト。「カニババ」って言葉を初めて知った。辞書を当たると赤ん坊の最初のウンコの事らしいが、文六センセは最後のウンコって意味で使っている。ここら辺の事情が気になる。解説でも指摘しているが、文六センセは長生きしたので執筆年代を考慮しないと混乱したり誤読する可能性があり、短編ではその可能性が更に高まる。戦前の段階で、未来を予測した「先見明あり」なんて作はご用心。各編に通暁する豊穣な知性を堪能した。