「日本のヘソ」といわれる和歌山県。そんな和歌山県の名物はといえば・・・そう紀州梅です。でもいざ和歌山県を訪れた際、その土地の名物を食べたいと思った時、紀州梅をお腹いっぱい食べるわけにはいきません。では和歌山県で有名な食べ物は何か?調べたら有りました伝統の味が。
紀伊半島の南西部分にある和歌山県。その中で一番大きな街は、県庁所在地の和歌山市です。大阪市内から高速道路や電車を使って約1時間ほどで和歌山市に着きます。和歌山市にはJR和歌山駅と南海本線の和歌山市駅の大きな二つの駅があります。さて今回目的のお店は、南海本線の和歌山市駅の目の前にある小鯛雀寿司 角清さんです。和歌山市駅の改札を出て、エスカレーターで1階に下り、すぐ目の前の交差点を渡った角にお店があります。
お店の中が覗けない昔ながらのつくりで、よくある町のお寿司屋さんって感じ。一見お客さんの出入りもなく、本当に営業しているのか不安になりますが、でもちゃんと暖簾も出ているのでここは勇気を出してお店のガラス戸をガラガラと開けました。お店の中は薄暗く、外観以上に旧さを感じさせました。そして驚くのはお寿司屋さんのはずが、なんだか食堂のような雰囲気が漂ってます。現に店内に掲げられたメニューにラーメンがある。テーブルといい椅子といい、これはまさしく昭和の大衆食堂のようですね!
では早速お目当ての小鯛雀寿司を注文しますが、今ランチ時なのでお吸い物が付く小鯛雀寿司セットにしました。注文を受けると角清のご主人が奥に引っ込んでいきました。お客は僕一人・・・・窓際に置かれたラジオから地元の放送が流れてます。しばらくして一組のお客さんが来店。お客さんの注文に耳を傾けながら、僕はお茶をすすりながら静かな空間でこの余韻に浸る。すると数分して奥からご主人が出てきました。寿司桶には6個のにぎりが並んでます。これが和歌山名物小鯛雀寿司ですね。見た目は普通の鯛のにぎり寿司?まずはそれを一つ箸でとり食べてみました。おおっ!しょっぱい!?これは予想してなかった味です。なるほど、この鯛は塩じめなんですね。そしてすぐにもう一つ口の中に入れてみました。確かにしょっぱいけれど、このしょっぱさはいけるなー。とここでお茶をすすり味覚を平常値に戻す。そして再度一つ食べてみた。味もそうだがこの鯛の身が肉厚でなかなかの歯応え。そしてセットに付いてきたお吸い物をすする。この澄んだ汁が、薄味でありながらなんともいえずいい味。これにこの小鯛雀寿司の塩加減が合うんですよね。じっくり味わって食べるつもりでしたが、あっという間に6個食べてしまいました。これは関東では味わえない寿司です。
ご主人が「ほんま和歌山は何もないところです」って言ってましたが、この味はここでしか食べられない物です。僕が「この店いつからやっているんですか」とご主人にたずねたところ、少し離れた所から奥さんが「文化7年から」と答えてくれました。僕が「ということは・・・」と検討もつかない年号に戸惑っていると、奥さんが「だいたい210年」と関西風に即答。「ということはご主人は何代目ですか」と聞き返すと、またまた奥さんが「七代目」と元気に答えてくれました。帰り際にご主人が小鯛雀寿司の由来についての内容の物をくれました。そこには「昔は頭をつけ中身をとり、背びれを残し、その中に寿司飯をはさむようにしてにぎった形が、『雀の姿』に似ている事からそう名付けられてそうです」と書かれたありました。この味と姿を元気に作り続けて下さい。
最後に名詞代わりにといって、ご主人からこの挨拶文をいただきました。最近いろんな人がブログなどで紹介しているようで、僕もその一人と知ってか笑顔で気さくに応対してくれてありがとうございました。
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