この前お茶のお稽古に行った時
(→その時のブログ:「お茶再会」の巻)
床の間に生けてあった茶花の中で、
ひとつ、
分からなかった(忘れちゃった)ものがありましたが
この ムラサキの花。
ブログに載せたのは とっても見にくい写真だったのに、
「それは○○では?」と ご意見を何個も頂き、
ようやっと、
調べがつきました。
正解は、
姫沙参(ヒメシャジン)
でした。
Adenophora nikoensis
キキョウ科ツリガネニンジン属
沙参(シャジン)とは、ツリガネニンジン(釣鐘人参)の漢名。
姫(ヒメ)がつくのは、ちっちゃいから。
(写真の出典:oNLINE植物アルバムより)
どうやら、これでしょう。
、、たぶん。
*
実は
先生に花の名をお尋ねした時、
「それは○○よ!」と仰言った
(たぶん「ヒメシャジン」と仰言った)
のを、
パッ と訊いた印象で、
「ヤシャブシン」
と、
記憶してしまっていたのです。
語感が似てるでしょ。
そして まんまと「ヤシャブシン」で調べたら、
そんなもの
そもそも 無かったのでした。
ただ、
「ヤシャブシ」
それならば、存在します。もちろん植物です。
(多分、この名前を脳裏にうっすら覚えていて、つなげちゃったんでしょう。)
でも 当の「ヤシャブシ」は、
「ハンノキ」の一種。花はいわゆる「毛虫花」。
(写真の出典:wikiより)
ヤシャブシ(夜叉五倍子)
Alnus firma
シラカバ科ハンノキ属 落葉高木
英名:Japanese green alder
「五倍子」(フシ)って、
フツウなら絶対読めない謎漢字ですが、
「ヌルデの若芽や若葉などに ヌルデシロアブラムシが寄生してできる 虫こぶのこと」
で、
タンニンを多く含んでいます。
黒色のインク(顔料)・染料、皮なめしの材料に用いられ、昔はお歯黒に用いられたそうです。
染め物では
「空五倍子色」(うつふしいろ)
という色を作り出していたそうな。(なんて綺麗な名前!)
その色は、こちら→空五倍子色(うつふしいろ)
ちなみにヌルデ(白膠木:Rhus javanica)は ウルシ科。
なので、まれにかぶれる人も居るらしい。要注意。
*
で、(戻って戻って;)
「ヤシャブシ」は 何でそんな名前なのか というと、
「五倍子」は:
果穂に 同じく”タンニン”を多く含み、「五倍子」の代用として使われたことに
その名をちなむ のだそうです。(by wiki)
なるほどね。
さらに
「夜叉(ヤシャ)」:
これも、ある種 日常的な用語ではない、謎ワード。宗教用語です。
wikiでは:
「熟した果穂が夜叉にも似ていることから」と、サラリと書いてあります。
kotobankの「デジタル大辞泉」によると:
《(梵)yakṣa(ヤクシャ)の音写》
顔かたちが恐ろしく、性質が猛悪なインドの鬼神。
仏教に取り入れられて仏法を守護する鬼神となり、毘沙門天の眷族(けんぞく)とされる。
だそうです。
、、夜叉に似てるって、言われても。。。
*
って、
wikiやら語源やらを辿っていると 話がずんずん逸れて行きます!が、
「夜叉五倍子」と 例のムラサキの茶花と
どうふんぞり返って見ても、
全然 別モノなのでした。
*
では 何か?
ということで
候補に挙がったのが
(写真の出典:wikiより)
ソバナ(岨菜)
Adenophora remotiflora
キキョウ科ツリガネニンジン属
これは、「姫沙参」そっくりです。なにしろ属名が ”Adenophora" 、一緒ですもの。
というか、
むしろ、こっちのほうが、生けてあったやつに似てる、、、。
でも「ソバナ」ではなく「ヒメシャジン」と仰言ったのは、たぶん確実。(なにせ「ヤシャブシン」と語感が似ているもの。)
、、んーーー?
どっち?
*
ちなみに 「ツリガネニンジン」属(ゾク)の頭(カシラ)、
「ツリガネニンジン」御大は
これ。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)
Adenophora triphylla var. japonica
キキョウ科ツリガネニンジン属 多年草
英名:Ladybells
*
こうして見て来ると、やたらと「ヒメシャジン」周辺にだけは、詳しくなったような、
混沌として、わけのわからぬ 夜叉五倍子的地獄に落ちたような。
少なくとも
「ツリガネニンジン属」には、だいぶ愛着が湧いて来ました。
ついでに「ヤシャブシ」にも。
*
ツリガネニンジンは、、
ホタルブクロにも似ている。
ホタルブクロ(蛍袋)
Campanula punctata Lam.
キキョウ科ホタルブクロ属
英名:Bellflower
これは属名が「カンパニュラ」だから、「ツリガネニンジン」グループではないわけです。
でも
(東京・仙川の森のテラスのそばで見つけたホタルブクロ。2007.6.10)
ちょこちょこ、似てる。
*
そうして、
あれよあれよと言う間に、
どんどん繋がっていって、
果てしなくなってしまう。
ザ・植物連鎖。
さて、
結局あの花は、「姫沙参」だったのか、はたまた、「岨菜」なのか。
、、、エンドレス。
(→その時のブログ:「お茶再会」の巻)
床の間に生けてあった茶花の中で、
ひとつ、
分からなかった(忘れちゃった)ものがありましたが
この ムラサキの花。
ブログに載せたのは とっても見にくい写真だったのに、
「それは○○では?」と ご意見を何個も頂き、
ようやっと、
調べがつきました。
正解は、
姫沙参(ヒメシャジン)
でした。
Adenophora nikoensis
キキョウ科ツリガネニンジン属
沙参(シャジン)とは、ツリガネニンジン(釣鐘人参)の漢名。
姫(ヒメ)がつくのは、ちっちゃいから。
(写真の出典:oNLINE植物アルバムより)
どうやら、これでしょう。
、、たぶん。
*
実は
先生に花の名をお尋ねした時、
「それは○○よ!」と仰言った
(たぶん「ヒメシャジン」と仰言った)
のを、
パッ と訊いた印象で、
「ヤシャブシン」
と、
記憶してしまっていたのです。
語感が似てるでしょ。
そして まんまと「ヤシャブシン」で調べたら、
そんなもの
そもそも 無かったのでした。
ただ、
「ヤシャブシ」
それならば、存在します。もちろん植物です。
(多分、この名前を脳裏にうっすら覚えていて、つなげちゃったんでしょう。)
でも 当の「ヤシャブシ」は、
「ハンノキ」の一種。花はいわゆる「毛虫花」。
(写真の出典:wikiより)
ヤシャブシ(夜叉五倍子)
Alnus firma
シラカバ科ハンノキ属 落葉高木
英名:Japanese green alder
「五倍子」(フシ)って、
フツウなら絶対読めない謎漢字ですが、
「ヌルデの若芽や若葉などに ヌルデシロアブラムシが寄生してできる 虫こぶのこと」
で、
タンニンを多く含んでいます。
黒色のインク(顔料)・染料、皮なめしの材料に用いられ、昔はお歯黒に用いられたそうです。
染め物では
「空五倍子色」(うつふしいろ)
という色を作り出していたそうな。(なんて綺麗な名前!)
その色は、こちら→空五倍子色(うつふしいろ)
ちなみにヌルデ(白膠木:Rhus javanica)は ウルシ科。
なので、まれにかぶれる人も居るらしい。要注意。
*
で、(戻って戻って;)
「ヤシャブシ」は 何でそんな名前なのか というと、
「五倍子」は:
果穂に 同じく”タンニン”を多く含み、「五倍子」の代用として使われたことに
その名をちなむ のだそうです。(by wiki)
なるほどね。
さらに
「夜叉(ヤシャ)」:
これも、ある種 日常的な用語ではない、謎ワード。宗教用語です。
wikiでは:
「熟した果穂が夜叉にも似ていることから」と、サラリと書いてあります。
kotobankの「デジタル大辞泉」によると:
《(梵)yakṣa(ヤクシャ)の音写》
顔かたちが恐ろしく、性質が猛悪なインドの鬼神。
仏教に取り入れられて仏法を守護する鬼神となり、毘沙門天の眷族(けんぞく)とされる。
だそうです。
、、夜叉に似てるって、言われても。。。
*
って、
wikiやら語源やらを辿っていると 話がずんずん逸れて行きます!が、
「夜叉五倍子」と 例のムラサキの茶花と
どうふんぞり返って見ても、
全然 別モノなのでした。
*
では 何か?
ということで
候補に挙がったのが
(写真の出典:wikiより)
ソバナ(岨菜)
Adenophora remotiflora
キキョウ科ツリガネニンジン属
これは、「姫沙参」そっくりです。なにしろ属名が ”Adenophora" 、一緒ですもの。
というか、
むしろ、こっちのほうが、生けてあったやつに似てる、、、。
でも「ソバナ」ではなく「ヒメシャジン」と仰言ったのは、たぶん確実。(なにせ「ヤシャブシン」と語感が似ているもの。)
、、んーーー?
どっち?
*
ちなみに 「ツリガネニンジン」属(ゾク)の頭(カシラ)、
「ツリガネニンジン」御大は
これ。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)
Adenophora triphylla var. japonica
キキョウ科ツリガネニンジン属 多年草
英名:Ladybells
*
こうして見て来ると、やたらと「ヒメシャジン」周辺にだけは、詳しくなったような、
混沌として、わけのわからぬ 夜叉五倍子的地獄に落ちたような。
少なくとも
「ツリガネニンジン属」には、だいぶ愛着が湧いて来ました。
ついでに「ヤシャブシ」にも。
*
ツリガネニンジンは、、
ホタルブクロにも似ている。
ホタルブクロ(蛍袋)
Campanula punctata Lam.
キキョウ科ホタルブクロ属
英名:Bellflower
これは属名が「カンパニュラ」だから、「ツリガネニンジン」グループではないわけです。
でも
(東京・仙川の森のテラスのそばで見つけたホタルブクロ。2007.6.10)
ちょこちょこ、似てる。
*
そうして、
あれよあれよと言う間に、
どんどん繋がっていって、
果てしなくなってしまう。
ザ・植物連鎖。
さて、
結局あの花は、「姫沙参」だったのか、はたまた、「岨菜」なのか。
、、、エンドレス。
つぼみの感じとか、葉っぱの感じとか。
写真で見る限りは。
茶花って、よーく見るとちょっと違う園芸品種でも、
伝統的な綺麗な和名を使うような、習慣が、あるのでしょうか。そんな気がします。
ということで、「ほんとはソバナ」説が有力。