NPO法人さなぎ達ブログ

横浜市寿地区や近隣地域を中心に社会的生きづらさを抱えている人々を対象としながら活動を行っているNPO法人です。

死を見ることで変貌した街

2015年05月14日 | さなぎ達理事長 山中 修
寿は10年先を歩んでいる。

巷では少子高齢化がすすみ団塊世代が終焉を迎える際に起こる現象が、すでに10年すすんだ寿では今や死は茶飯事。

かつては腐乱や白骨で発見されたが、いまはそれも減っている。つまり誰かが見届けている。

今日、さなぎ事務局長の川崎と二人で、寿町内のY荘の帳場に挨拶に行った。
さなぎへのご寄付のお礼で伺ったのであるが、帳場の女性達と、必然的に入居者の介護みとり話に花が咲いた。

帳場をつとめるのは30代前半の美しい(コトブキにはまれに見る)女性二人。

「何人もここで、あるいは病院で見送りましたが、病院に入れるとすぐに元気がなくなっていくので、ここに戻したいんです! ここでみとりたいんです。私たち」
「でも私たちがここにいられるのは9-17時なんです。」

現場の意見は切実だ。
傾聴した後にこう説明したかったが・・

「病院に入れると元気がなくなるのは、みんなそうだよ」
「病院に入れると“闘病”に変わってしまうからね。」
「闘病行為は人間の活きるエネルギーの最後のしずくを奪ってしまうんだよ」
「とくにコトブキの人は独りだから、独り闘病はきつい」
「みんなの気持ちとチーム作りで9時5時でもみとりはできますよ」


ていねいなせつめいをするには時間が無く、とにかく
「困ったらまずはポーラのクリニックに電話して」
と、結論した。

若い女性たちが、日常茶飯事に死を直視できる街 コトブキ。

川崎事務局長も30代女性。
3人の女性達は、教育者でも、政治家でも、医療介護関係者でもない。
そんな彼女たちでも、死を直面せざるを得ないまいにちを過ごしていると、「やらなければいけないことが見えてくる。コトブキが有無を言わさず彼女たちを変貌させていく。



「ことぶきみまもりボランティアに力を入れないとだめですね。」
これが、川崎の感想だった。
そのとおりです。


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