NPO法人さなぎ達ブログ

横浜市寿地区や近隣地域を中心に社会的生きづらさを抱えている人々を対象としながら活動を行っているNPO法人です。

「さなぎ達」とは

日本三大寄せ場の一つである、横浜市寿地区、寿周辺地区を中心に、路上生活者及び路上生活に至るおそれのある人々が、自ら自立に向かいやすい環境を整える「自立自援」を主な目的とし、メンタルを一番大切にしながら「医・衣・職・食・住」の各方面で活動しているNPO法人です。

起承転結-4

2012年07月31日 | さなぎ達理事長 山中 修
岡部理事や岡野君率いるチームが開いてくれた寿パーティやらブログやら口コミのおかげで、この一週間、多数の若者と知り合えた。
純粋看護師のR嬢、K大学の熱血Yくん、やや中年に入りかけたが気持ちは超青年の歯科技工士のK君、そして秋からカナダの大学を出てニッポンのS医大に学士入学が決まった元サンモール・インターナショナルスクールのH君。それぞれがKMVPやさなぎ達全体の活動、ポーラのクリニックの活動などに興味を抱いて、これからの人生を変えられようとしている人たちである。

今月58歳を迎えた小生であるが、最近よく思うことがある。
人の長所と短所はコインの裏表。
いつからかは知らないが、私は良くも悪くも人に影響を及ぼす人間であるらしい。
こういうタイプは通常、ヒットラーや麻原や小沢一郎のようにある種のカリスマ性を備えることが多いが、私には幸いそれが欠けている。影響を与える凡人と危害を与えるカリスマが紙一重ならば、凡人の域にとどまっていたい。

さなぎ達という法人の人格は集団としてのパワーやメッセ-ジを持つため、寿という町のわかりやすさも相まって、当然影響力は少なくない。特に若者に対して。
さなぎ達のおかげ(せい)で人生が変わった若者は、これまでの12年間で数百人以上にはなるであろう。
事務局のKやA、さなぎの家のI,食堂のTやO自身、また彼らの背中を見てボランティア活動した若者、コトラボのO自身、Oが率いるチーム、KMVPに参加した若者、さなぎ通信編集にかかわった若者・・・。AO入試にさなぎの体験を発表して慶応大学に入ったN君、博報堂に就職予定だったのに新聞社に変心したI君、高校生から生保を受給しつつ一流大を卒業し、精神的外傷をさなぎ達で癒して素晴らしいママになったS子。みんなこのHPをのぞきに来ているはずだ。
おびただしい数の若者達がさなぎによって人生を変えられた。
変わるとか変えられることは、すべて起承転結の「転」である。

3年前に亡くなった父が何度も何度も言っていた。
ここに道標がある。右あっちで、左そっち。
どっちに進んでも、しばらくは、選択しなかった方の道が視野にとどまっている。しかし、歩き続けるにつれて、非選択の道との距離は股割き状態はどんどん離れ、やがていつか選択しなかった道は見えなくなる。だから、道標を見たその瞬間、どっちだ?!の選択は大変重要になる。よーく覚えとけ。
この論理の正しさは循環器内科部長になった時に思い知った。
心筋梗塞の患者が入る。直ちに治療方針を決定しなければ、待ったなし。右?左?選択を誤れば即悲惨な結果が出る。毎日これの繰り返し。
医師は人への「転」の影響力の大きい仕事である。S医大に入るH君には昨年のポーラのクリニックの往診同行時にしつこく伝えた。忘れんな。
 
若者への影響力の大きい「さなぎ達」。
認定NPOに昇格した。
ふらここさんのいうとおり、脱皮、大切な「転」の転換期である。
心して、理念や具体的行動目標の確認が必要な時期に来ている。

若者たちに10年前から口約束していることがある。
「さなぎ達のシニア達は、さなぎ達にかかわる若者達の漬物石には絶対にならない」
上にのっかって身動き取れなくして内部で腐らせることはしない。
影響力があるならば、人を育てること、地域を育てること、国を育てることのみに行使したいものだ。
「国民の生活が第一」のキャッチほど、あざとく歯の浮く感のコピーはない。
「私の人生が第一」となぜ言わない?!
さなぎは「私の人生が第一」と思って活動している。
一人一人がそれを尊重しあう社会でありたい。
夏休み。
多くの若者に寿を見てもらって、人生の「転」としてほしい。

認定NPOさなぎ達・脱皮記念パーティー

2012年07月30日 | ふらここ
 7月28日、さなぎ食堂にて認定NPO「さなぎ達」主催の
パーティーが開催されました。
 思えば11年前、勢いで発足した「さなぎ達」でしたが
そのノリが簡易宿泊所街らしからぬ華やぎを持っていたせいで
大勢の人が出入りするようになりました。
 私もその一人です。

 しかし11年もたてば、いろいろと変わってきます。
 一時のお祭り騒ぎは終わり、人も去っていきました。
 行き場のない高齢者、心身障害者は増える一方なのに、
社会の不景気や東日本大震災などの影響で、寄付も
なかなか集まらなくなりました。
 私のような、時々出入りしているだけという無責任な
傍観者は、よくやっていけるものだと感心ししつつ、
一方でひやひやしながら眺めていました。

 今年に入ってから、「あんた、そうして見てるだけ?
中に入って少しは協力しようと思わないの?」と
理事長である山中先生に言われました。
 山中先生は私のホームドクターです。長いこと
お世話になっています。
 そりゃ、協力はしたいけど、お金集めもできなければ
人寄せをしたり動かしたりすることも苦手な私が、
いったい何の役にたつのか。
 悩みつつも、確かに傍観者でいるのもいけないと反省し、
思い切って「さなぎ達」のメンバーに入れていただきました。

 まずは勉強だと、寿地区に関する資料はたくさん読みました。
 しかし、いまそこにある現実は、資料と微妙に異なります。
 寿地区の「現実」は、刻々と変化しており、過去の資料は
過去のものでしかないのです。
 現場にたずさわるメンバーの話を聞き、住人と少しずつ
触れあうにつけ、自分が何もわかっていないということに
ショックを受けました。
 腹を立てたり偉そうな意見を述べた後は、いつも
恥ずかしさで消え入りたくなります。
 それでも、知らなかったことを知るのは、ショックを上回る
新鮮な歓びです。

 厳しい時世にもかかわらず、「さなぎ達」は「さなぎの家」
「さなぎ食堂」「KMVP」などを存続させ、今年は国の
認定NPOとなりました。
 さらにいま、増えつつある障害者の自立に向けて、
新しい事業にとりくもうとしています。
 誰かがやらなければならないことだからです。
 「蝶」になって華麗に翔ぶわけではありませんが、
少し殻を破り、脱皮を始めたところ……ということは
できるでしょう。

 簡易宿泊所街にはマイナー・イメージの人が多くいます。
 でもイメージはともかく、その心にあるのは、
私やあなたと同じ、人間としての喜怒哀楽。
 彼らを知ることによって、自分自身が見えてくるのだと、
私は信じています。

 パーティー開始寸前。会場となる、さなぎ食堂スタンバイ!


 並んだ料理の前で、若くてイケメンの岡野店長、少し緊張気味。


 続々と集まるお客様を前に、挨拶をする山中理事長。


 女性客も大勢。この写真はたまたま「おばさん」ばかりですが
若い女性もいっぱいでした。


 寿の夜は静かです。


 

起承転結-3

2012年07月29日 | さなぎ達理事長 山中 修
きみは死をみたことがあるか?

点滴や酸素や心電図に管理支配されない、ごく自然な死をみたことがあるか?

自分の歴史や生きてきた思いを饒舌に語る死をみたことがあるか?

「まだあなたに言い残したことがある、まだあなたとやり残したことがる、もっと伝えたい、もっとあなたにしてあげたかった」、と言いながら旅立つ無念な顔をみたことがあるか?

冷たくなっていく手を、おでこを、足を「ありがとうね。お疲れさま。ありがとうね。」と、叫びながらさすったことがあるか?

呼吸だけが荒々しく、その他のものは静寂の世界へと日々時々刻々と移ろい、やがて呼吸さえ静寂の世界へと落ち着きを迎える自然な死をみたことがあるか?

神々しく、神秘的な、感動的な死をみたことがあるか?

きみは覚えていないだろう。

同じ道を、きみは歩いたことがあることを。
そう、思い出してごらん。
あたたかい羊水に包まれ、すべてにまもられた世界から静寂の道を、声を発することもなく、息をこらえて走り抜け出て、「オギャー」と、声高らかに来した道。
死とは、だれもが忘れていたその道を、薄れていく自分の力で歩いていく自然なものであることをきみは忘れていないか?

生という一文字、死という一文字の間にのみしか存在しえない人生のふた文字。そのふた文字には、老、病、愛、幸、苦、友、親、子、という一文字が寄り添う。
来た道を戻る。
臨終の世界はただそれだけ。
金も要らない、切符も要らない、身分証明書も、車椅子も、杖も要らない。出てきたように、自分の力で戻って行く。

ただひとつだけちがうことがある。

それは、きみが創った歴史と時間、君が愛した家族と友人。
きみの、きみだけの、ONLY MINEのストーリーだけが残っていく。

自慢するがいい。誇るがいい。

人が日々時々刻々為すべきことは何か?

自然な形の死をみたことがある君ならば、おのずとわかるに違いない。

昨日さなぎの食堂にお集まりいただいた方々、暑い暑いなか、本当にありがとうございました。

28日はお休みさせて頂きます(さなぎの食堂)

2012年07月26日 | 事務局より


7月28日(土)「さなぎの食堂」は、休業させて頂きます。

直前のお知らせになって申し訳ありません。
「さなぎの食堂」は、元日以外無休で営業しておりますが、都合により臨時休業させて頂くことがあります。
ご理解の程宜しくお願い致します。
なお、お盆は休みなく通常営業となりますので、お近くにお越しの際には是非ご来店下さい。


本日「木曜パトロール」実施します。
来月は実施しないため、休み前、最後の木パトとなります。
ご参加お待ちしています。

さなぎの家のイベント ボーリング大会②

2012年07月24日 | 事務局より
10日に行われたさなぎの家のボーリング大会のレポートです。
(続きものですので、こちらからお読みください)

さて、ボーリング場に着き、エントリーを完了した一行。
(涼し~)
さー!ボーリング大会の始まりだ!!と行きたいところですが、誰もそんな元気はありません
もー暑い中、歩いて来たわたしたちですから。(たった10数分の距離ですが)
まずはひと休みです

さあ、元気を取り戻して。
各自、球を選んで、いよいよゲームスタートです

ひとり、またひとりと投げ始めます。
「惜しいっ」
「あ~~~~~っ
「いける、いける」

序盤は、みんな仲良く団子状態で、残念ながらスペアさえ出ていない状況です。
9ピン…また9ピン…え?また?9ピン…
まさかの連続1ピン残り…
なかなか最後の1ピンが倒れません。

「頑張れ~」
(さーそろそろ誰かとってー!)
そんなときです。
(きたー!!!)
ゆっくりと球がピンを倒していきます。
「目標は100いけば…」と謙虚に言っていたインターン生のAさん。
最後の1ピンが…やった!倒れた!
今大会、スペア第一号です!!!
「やったー
立ち上がり、ハイタッチで歓迎するわたし。
みんなとハイタッチ、これでこそボーリング

「よし、みんな続いていこー」
この後は、徐々にみなさん調子を上げ、ハイタッチの連続!なんてことも

そんなこんなで、(省略しすぎてすみません)ゲーム終了です。
「もう1ゲームします?」
「やる、やる~」

すみません、続けてレポートしたいところですが、1ゲーム終わったとこでいい時間になってしまったので、わたしは途中で失礼させて頂きました。


終わってから「さなぎの家」で、参加メンバーの何人かに会ったのですが、みんな笑顔
1ゲーム目からトップだった、Bさんはそのまま逃げきって優勝!
おめでとうございます
「わたし、2位だったんですよー」
と、インターン生Aさんもうれしそうに話してくれました。
おめでとうっ

メンバーの中で一番印象的だったのは、「ボーリングがやりたい」と言い出しっぺのCさん。
フォームは誰よりも綺麗で、球の速さもNO1でした。
(昔ボーリングをやっていたと後から聞いて納得しました)
楽しそうに投げる姿、ガーターが続いてしまったときは、悔しそうだったな。
ボーリングが好きだってことが、伝わってきました。

スコアは、まあおいといて、みなさん(そこそこ)楽しめたようで良かったです
ボーリング大会?って感じではなかったですが、楽しむってことが一番の目的でもあるので、大成功!ってことで、幕を引かせて頂きます。
ちなみに、今日のわたしの目標は「みんなとハイタッチ」でした。
これも達成!
参加者のみなさん、おつかれさまでした。


ここで反省。
10日にイベントを開催して、ブログをUPするのに時間がかかってしましました。
人は忘れる生き物です。すみません。
今後は、なるべく早くUPしていきます!



【お知らせ】7月24日 野菜市開催@かどべや

2012年07月24日 | モトコ
7月24日(火)14時から18時まで、
石川町5丁目にありますレンタルスペース「かどべや」にて、野菜市を行います!
久しぶりの開催です。
当日は、枝豆、トウモロコシ、きゅうり等、販売予定。全て横浜の取れた野菜です。
この機会に是時お越し下さい!

日時: 7月24日(火) 14時~18時
場所: レンタルスペース かどべや (住所: 横浜市中区石川町5-209-3 1階)

起承転結-2:オババの近況

2012年07月23日 | さなぎ達理事長 山中 修


昨日の日曜日、朝往診点滴に行った。
「きのうは良かった。ぐっすりねむれた。いいゆめみた。元気になってまたあるけて。みんなにサンドイッチつくったんだ。ハム・ベーコン・マヨネーズ。こんなにたくさん!みんなに配った。ウサギせんべい(ウサギの形のせんべい)も作った。ミシンでズロースも。これがよお、寿の夏祭りでとぶように売れてさ。みんなに5万ずつあげたんだよ。これからよくなるってことだな。やまなかよオ~、8月になったら待ってろ、うまいもんくわしてやっから。また夏祭り出たいな~。
炊き出しの雑炊が良くないんだよ~。配り方心配だな~。盛りが悪いんだよ。少ないの!。一回祭りんときに見てやんないと。見てやりたいけどこの状態じゃや-なー。」

1月に肺がん末期と診断されたオババ。
通常なら余命3ヶ月。
そんな時期などとうの昔に通り過ぎ、
みんなの心配をよそに、麻薬を使うこともなく、タバコ吸いながらしゃべり続けている。
本来なら、入院して抗がん剤。
でもやらなくて良かった。
つくづく思う。
抗がん剤をやらない勇気。
同居する家族のいないオババだから選択できる。
やってたらこんなに長生きしない。
ある種の癌は闘わない方がいい。
寿でみとりをやるようになって、癌への考え方が大きく変わった。

この町で100人足らずの男を看取った。
逝く男はプライドだらけ。自慢話に花が咲く。
男は見栄。
東映のヤクザ映画やカミカゼ特攻、腹切り寸前の辞世の一句。フーテンの寅のやせがまん。男はやせ我慢の動物。

女はどうだろう?
かねてから、「?」だった。
たぶん、こうだろう、と仮説は持っていた。
仮説の代表例は番町皿屋敷のお菊。
「一枚たりな~い~」
もっとやってあげればよかった。 「面倒見たりな~い~」。
女は母性の動物。

みとりの時、女はこう感じるのだろう。
「あれもしてあげなきゃ、これもまだしてあげてない。もっと生きていたらサンドイッチもせんべいも、ズロースも作って売って、炊き出しの指導も・・・」
まだまだやることはいっぱいあるんだ。オババも女だった!!

最近、オババが電話してこなくなった。
「なんで電話してこないの?」って聞いたら、
「心配かけるから」だと・・・。
これまで電話してきたのは、威勢のいいとこ見せて私を笑わせ楽しませるためだったらしい。
「これからは、滅多なコトじゃ電話しないよ!」
だって。
思わず涙がでそうになった。
点滴しながら、生い立ちの話、オババの起承転の話を聞いていた。
なるほどな~ なるほどな~。
よく生きてきたもんだ。決して怠け者じゃないよ。
オババえらいよ。
えらいよ。こればっかり言い続けていた。


さなぎの家のイベント ボーリング大会①

2012年07月20日 | 事務局より
前回は前置きが長くなり、失礼いたしました。
10日に開催されたボーリング大会の様子をお伝えします。

さて、今回は10時に「さなぎの家」に集合でした。
何人参加者がいるのか、ちょっと不安も感じつつ5分前に到着。
「今日の参加者は7人だよ」
「あ、そうですか」
と答えつつ、内心(この人数では、ボーリング“大会”にならないんじゃないのー?)と思うわたし

ボーリング場までは歩いて行きます。
この日は暑くて、日差しも強くて(すいません、自分だけ日傘さしてました)、汗がダラダラ。
日陰を選びながら歩きます。
途中、気の利いたスタッフ(わたしではない)が、お茶を全員に配り、水分に救われました

(余談です。)
利用者さんの1人と、今の時季の仕事の話をしながら歩いていたんですけど、なんとその方は1日にアイスを5本も食べるらしい。
交通量調査や、プラカード持ちなどの仕事をしていると、とても暑くてアイスがないと耐えられないらしい。
夏場の外仕事は、本当に大変ですよね
でも、別の意味で体が心配です。どうぞ体は大事にして下さい!!!

ボーリング場は「さなぎの家」から歩いて15分ほど、伊勢崎モールの雑居ビルの中です。
(こんなところにボーリング場が!!)
エレベーターを降りると、そこは昭和の雰囲気を漂わせるボーリング場。
お客さんも、他に1グループが入れ替わりでゲームしていたくらいです。
(空いてます。穴場です。)

名前をエントリーし、(今回スタッフはゲームの参加を見送りました)いよいよボーリング大会の始まりです。
つづく(…どうぞお付き合いください)


それにしても、今日と昨日の温度差…これってありですか?
暑かったり、寒かったり、タイヘンです
がんばりましょう!

人生の起承転結-1

2012年07月19日 | さなぎ達理事長 山中 修
寿の人たちとかかわりあいを始めた12年前、
「なんで??」 
この考えに取り憑かれた。 
なんでこの人ここに居ざるをえなかったの?
なんで他に選択肢なかったの?

生まれは? 親いる? 片親? いじめ? なんで家出? どうしてその人と結婚? なんで離婚? なんで結婚しなかった?
寿の人たちの話は、聞けば聞くほどに、「?」が増え、その回答毎にいちいち「なるほどな~」と納得させられる。

納得するってコトは、腑に落ちるわけであり、内科医療で言えば、問診して病名診断がついちゃうようなもんである。
寿のおっちゃんの話は、今から考えると、かなり都合のいい嘘っぱちもストーリ-の中にはちりばめられているんだろうが・・・。いいんだ。そのウソも含めて本人として受け入れていくなら、腹も立たない。
なんでそんな明々白々なウソつくんだろうね??
ほめてもらいたいんでね。感心してもらいたいんだね。認めてもらいたいんだね。

なんで?? っていうのは、医療の基本である。
問診、視診、聴診、打診、触診、と五感を駆使してさらに、長年のカンを第六感に入れて医療しないと、ポーラのクリニックにはCTもMRIもPETのような高額医療機器はないから、病歴と勘だより。
寿の医療の世界で一番一番大切なのは「起承転結」の人生ストーリー。

起:どこに?誰を親に?生まれたの?
承:小さい頃はどんな育てられかたをしたの? いじめられたの? 無視されたの?すべてを承たまわざるをえなかったの? そうだよね~。そうして生きていくしかなかったよね。
転:思春期に反抗期はあったの? ちゃんと反抗できた? 反抗できる親は居たのかな?人生の転機に相談できる友や先輩はいたのかな?
結:寿で人生を終える今、最期の選択は何? どうしたい? なに食べたい? 誰かに会いたい? 誰と話したい? 誰とも話したくない? JAZZ聞きたい?それとも浪曲?
お墓はあるの? 故郷に戻りたい?

このあたりを大切に診療をしているつもりである。
これから、「起承転結」をテーマに寿の住民の人生を紹介していこうと考えている。
やがてこの町で100人看取ったことになる。
100通りの「起承転結」がある。
何回シリーズになるのか?
決めてないけど、とりあえず、今回は「起」のつもり。
いま、はやりのイジメ問題の答えにもなるかもしれない。
イジメ問題の解決は、国家権力の介入でしかないのだろうか?

オババ~さなぎの家~さなぎ食堂

2012年07月17日 | ふらここ
 ついに猛暑となった。ああ、夏はいやだ。
 私はクーラーを使わないので、朝から晩まで汗だく。
 節電のためではない。エアコンは複数あるのだが、
付ける場所を間違えたり、部屋が小さいのに容量の
大きなものを付けてしまったりで、使えないのだ。

 どうせ暑いなら連休にはオババ(77歳、自分の
ことをオレというが女性、寝たきり)を見舞いに
いこうと決めていたのだが、ばててしまい、
外出といえば近所のスーパーへ行っただけ。
 連休明けの今日、やっと寿へ。

 オババは布団をはだけていた。そばに同居の
ケンチャンがいて、かいがいしく世話している。
 笑顔のやさしい人だ。
 オババはゆうべ、ずいぶん嘔吐したらしい。
 それでも煙草を吹かしている。
「体中、痛くてさあ、まいったよ」
「たいへんだったねえ」
「だけどさ、ヤマナカが、離れてたとこにいても、
ちゃんと見てるからって言うからさ、オレは大丈夫」
「へえ、山中先生、そんなやさしいこと言ってくれるんだ」
「そうだよ、オレなんかいっつも、顔見るたびにさ、
ヤマナカ、バーカ、バーカって言ってやるんだけどさ、
怒らないよ。オレにだけはね。他の者は駄目だよ」

 そうでしょうねえ。もし私がクリニックへ行って、
先生を見るなり、「バーカ、バーカ!」と言ったらどうなるか。
 ついに狂ったかと、救急車を呼ばれるのがオチだろう。

 「だけどさあ、オレはもっともっと働きたいよ。
 昔みたいにさ、炊き出しやったり『船舶』やったりしてさ。
 働くのはやっぱり楽しいよ」

 「かんかん虫」と呼ばれた仕事がある。船の錆落としだ。
 オババはそれをやってたことがあるらしい。
 それにしても、オババは愚痴を言っても前向きだ。
 会うのはこれが4度目だが、こちらが答えに困るような、
後ろ向きの愚痴は聞いたことがない。
 私にはできない。いまでさえ、言っても仕方のない愚痴を
人に言い、またバカなことをと、後で後悔している。

 さすがに疲れた様子だったので、20分ほどいて引き揚げた。
 そんな状態でも、「ありがと。暑いから気をつけるんだよ。
ちゃんと食べてさ。オレは大丈夫だから」と、
明るい言葉で見送ってくれた。

 オババんちの猫。名前は「ボス」。窓際の特等席でだらり。


 「さなぎの家」は、今日も混んでいた。
 ここは少しクーラーが入ってるので、外の暑さから
みれば天国だ。
 冷たいお茶をご馳走になり、「さなぎ食堂」へ。

 ちょうど休憩時間で、スタッフが一人、二人と
遅い昼食をとっている。
 30分ほどお喋りして、スタッフのSさんと一緒に
近くのファミレスへ。
 野菜ジュースなど飲みながら、一時間余り話す。

 Sさんと別れてから、また「さなぎ食堂」へ。
 さっき、人が食べるのを見てたら、無性におなかが
すいてきたのだ。
 「さなぎ食堂」は持ち帰りもできる。
 本日の日替わり「サワラのフライ定食」を弁当にしてもらい、
さらにアジフライも別に買った。

 私は持ち帰り弁当というのが、あまり好きではない。
 あの容器が嫌いなのだ。
 だから帰宅して、お皿に入れ替えた。
 まずはアジフライでビールを飲み、その後、
サワラのフライ定食をいただく。
 ちょっと揚げ物に偏ったし、暑さでばててるわりには
けっこうな食欲だ。
 アジフライには枝豆がたっぷり付いててお得感あり。
 外でも家でも汗かいて、いや、なかなかに充実した一日
だった気がする。
 
 
 向かって左、「サワラのフライ定食」、
 右、アジフライ、枝豆付き。
 持ち帰りでなければ味噌汁がついて、
それぞれ定食は300円。
 「さなぎ食堂」は安くて、おいしいです! 

禁煙のすすめ

2012年07月12日 | さなぎ達理事長 山中 修
きのう20になる娘とデート。
二人で犬の映画を見に行った。
タイトルは「LOVEまさおくんが行く」。
高校時代から親友の小倉久寛がナレーションをやっていることもあって見に行った。
実はこれまで犬映画を見ると嗚咽にむせぶほど、泣きしゃっくりが止まらないほど、泣ける。父親の死より泣くんで父親に申し訳なくさえ思う。犬関連は涙腺が全開になる。
ハチ、マリー、キナコ みな全開。 クイールなんて未だに音楽だけでブワーッ!
だから、今回は「ポチタマのまさおくん」なんで覚悟して出かけた。
が、残念ながら泣けなかった。
主人公であるまさお君は当然NONSMOKER。
しかし、他の脇役の誰とは言わないが、明らかにヘビ-スモーカーの唇の色にゲンナリ。
テレビじゃわからんが、最近の映画は映像がクリアだから。
何人かの口唇色をみせつけられた二時間弱。
毎日の禁煙外来の患者のこと、「寿のアイツはまだ吸ってる」、「この俳優の横で、撮影中休憩後はまさおくんよく煙草のニオイを我慢できたな」、「映画監督の人選ミスだな」
、「黒澤明の頃は白黒だからこの唇の色でも良かったんだな・・・」
なんて考えていたら、全く映画どころではなくなった。
タバコは寿の人、映画俳優、タレントを問わず、歯周病から総入れ歯になる、早く小じわが増える。脳梗塞や心筋梗塞や癌ばかりじゃないのよ。
寿のおっちゃん達に煙草をいかにしてやめてもらおうか??
毎日こればっかり考えているところの息抜きに、むせび泣くはずの犬の映画。
ふらここさんがネコ写真ばっかり出すから、ウチのローズちゃん(OHIO州在住12歳のゴールデン・レトリバー)の写真を載せておこう。

まさおくんよりかわいいよ
この内容、さなぎのブログでいいのかな??
たまには、いいわな。



さなぎの家のイベント

2012年07月12日 | 事務局より
蒸し暑い毎日…
事務所にいるだけなのに汗がひどい
残念なことに、事務所にはエアコンがないんです。
「節電」という意味では、非常に貢献しているんじゃないでしょうか…
室内熱中症にならないように、水分補給はこまめに行います。
どうぞみなさま、元気に夏を乗り切って下さい

さて、さなぎの家では、月に1回イベントを開催しています。
今月は10日の火曜日に開催されました。
今回は「ボーリング大会」です。
参加者は、さなぎの家の利用者さん、ボランティアさん3人とインターンの学生2人、スタッフ2人の7人です。
んー…残念、少ない…(ちなみに、前回は「美術館見学」で6人でした。)

さなぎの家にポスターを掲示したり、声掛けを行うことが主なため、大体参加者が決まってきてしまっているような…。
参加者が増える工夫を考えてはいるのですが、予定を立てて行動するのが苦手な方も多く、当日にならないと何人集まるかがわからない現状です。(参加したいという方、大歓迎です。お気軽にお問い合わせ下さい。)

イベント内容は、利用者さんからの要望に応えて決めています。
人気なのはスポーツ大会や料理のイベント。
そういえば、去年の夏はそうめん大会をやりました

お出かけ系ですと、ランドマークタワーの展望台やマリンシャトル、ズーラシア、江の島水族館、大船観音や鎌倉散策(初期のブログにレビューがあります。ただ、長ったらしいので時間があるときにでも覗いてください)にも行きました。

自分の提案したイベントの時は、普段「さなぎの家」で見る表情とは、また違った表情が見れます。
楽しそうな感じ、すごくいいなって思います。
なかなか外に出る機会も少ない方が多いので、これを機に楽しいことを増やしていってほしいです。
さらに言えば、月に一度のイベントを楽しみに、日々のモチベーションをあげられるくらいになればいいなあと、密かに願ったりもしています。

すみません、ボーリング大会の様子をお届けする予定が、長くなってしまいましたので、また改めてUPします。
前回の美術館レポもUPする予定ですので、また覗いてください


オババんちの猫

2012年07月06日 | ふらここ
 五匹いるんだけど、そのうちの二匹。

 オババが「この子が一番好き」という「ぴょんぴょん」。
 オババが寝てる部屋のこの台の上で、オババを見守るかのように
いつも丸まってる。


 ぴょんぴょんと似てはいるが、別猫。
 名前、性別不明。
 私のそばへ来て、後ろから前から横から、ためつすがめつ凝視。
 なかなかの見返り美人猫。