SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

花兆会の作品

2009-10-29 00:10:00 | 








夜ごと月が膨らんで明晩は十三夜です。そばには金星が輝いて澄んだ夜空が綺麗です。

花兆会の時期となりました。
今回は場所が松島ギャラーに変わりましたのでお間違いなきようお知らせいたします。今までより銀座4丁目寄りとなり、松島眼鏡店の3階になります。日時は11月月11日から15日までです。

今回初めて袋物と筥を出します。袋物は古い本にも載っていない珍しいもので昔の龍村の袋物を見本にしてそれに高さをつけて工夫しました。
筥はお姫様の旅の化粧箱で、中に鏡を建てる溝があるのですが今回は形状だけを真似ています。袋物には香包を入れるのですが300包ほどの香包になりますので袋が三つになりそれを納める箱にお姫様の化粧箱を考えました。こちらも折りの入った変わった筥です。箱は展開図から作るような簡単なものしか作ったこともなくまたもや試行錯誤で作っています。
お姫様の筥なので金襴で大きな房付の花結びが付きますが私のは自分用の実用品ですので羽織を解いたゆかりの布を贅沢に使いました。
まだ完成していないのが不安ですがどうやら先が見えてきました。

写真は今月のテーマの接ぎにも関係があるので寄せ木細工の香合をのせておきました。
銀座にお出かけの折りにはお立ち寄り下されば幸甚です。


後の月

2009-10-28 00:24:00 | 






小雨時々降る候となりました

11月のような陽気にあわてて炬燵を出しましたら時ならぬ野分となり翌日は暑さがぶり返し寒暖が激しいです。
インフルエンザにも気をつけなくてはなりませんね。

先日も書いたように今は花兆会の作品の大詰めなので月末の手作りのコーナーは我が家のコーナーの飾りで失礼します。
写真は十五夜の飾りで満月ですが30日は後の月です。栗名月とも豆名月とも言われる十三夜なのでこんなものでお茶を濁します。
毎年コーナーに出していますが今年は真綿の雲と月を加えました。

真綿はどんな人にもアレルギー反応が出ないそうで優れた自然素材です。
真綿の保温力は素晴らしく子供の頃は寒中になると祖母に真綿を背負わされました。嵩張らずに貼りついて温かでした。

お富さんではありませんが「おかいこぐるみ」は絹の着物に包まれた裕福な環境を云いますが絹織物は贅沢品でした。
綿と云えば木綿か今ではポリが一般になりましたが真綿(=絹の綿)は木綿の綿に比べると着心地といい保温といいずっと勝た贅沢品です。真綿はあまり見かけなくなりふるきよきものになりつつあるようです。

search 明日花兆会のお知らせを載せたいと思います。よろしくお願いいたします sakura




金繕い

2009-10-23 00:03:00 | 






霜降となり 霜始めて降る 候となりました

秋桜は花数が減ってきて庭は艶蕗の花が満開です。秋もそろそろ名残でしょうか。

写真は子供の頃にいつも御膳に出たきたお皿で、京都に因んだ図柄の10枚揃いの一つです。私の生まれる前から在ったもののようで70年以上の古いものですが今も妹のところに8枚残って現役だそうです。 普段使いでしたからそんなによい物でもないのでしょうが縁が欠けたので妹が金繕いをしてもらいました。
金継ぎ とも言いますが欠けた器を繕って再生する心は今の使い捨てとは違いゆかしいものです。

障子なども小さな紙を継ぐことによって光と影の美しい別の景色を醸してくれます。
継ぐ、繕う、接ぐ(はぐ)は物を大事にしつつ、継いだ景色に別の美を見いだすふるきよきうつくしい手法です。

このところ自作の作品でなくて恐縮ですが今花兆会の作品に大童です。花兆会のお知らせは月末にいたしますのでまたよろしくお願いいたします。


扇つなぎの袋物

2009-10-18 00:01:00 | 








蟋蟀戸にありの候となりました。      

朝夕は肌寒さも覚えて千両の実が色ついてきました。
「肩させ裾させ寒さがくるぞ」と冬支度を促される頃です。明日からべったら市も始まります。

この写真は私の作品ではありませんが作りたいと思い見本に求めたものです。 扇つなぎ 切りつぎ 小袋と書いた紙縒りが付いていました。
昔の袋物にはこうした小さい布を接ぎ合せたものが多々あります。
テープのように紐状の布を編むようにしたり切り嵌めと云ってある形を切り取ってその形を地の布に嵌めこむように縫い付ける技法もあります。
平たい押絵のような仕上がりになります。貼るのでなく縫うのですからその技術には驚嘆します。これは私も是非応用したいのですが縫う技術が伴いません。昔の方はこうして縫いの技術を楽しみながら研鑽したのでしょう。
左の画像は袋の底ですが見えない部分が凝っているのも昔の袋の特徴です。鏡などを仕込むように出来ているものもあり女性ならではの工夫が施されています。いつかこうした手の込んだ袋も作ってみたいと思っています。



撮み

2009-10-13 00:00:00 | 









菊花開く候となりました 。  

庭の秋明菊が風に揺れています。陽だまりの暖かさが心地よく金木犀の香りも流れてきます。
おっとりと静かな小春となりました。

以前から作りたいと思っていた撮み(つまみ)の講習を春に受けました。写真はその折初めて作った撮み細工です。左が丸撮み、右が剣撮み です。始めてのことで剣先もピンとしていませんがこの二つが撮みの基本のようです。
撮みは簪が多いようですが、箱や写真立てなどの小物や、色紙、短冊などに四季の風物を画いたりして身近な手芸であったようです。
小さなものは1㎝四方の布を摘まんで折るのですから細かな作業です。私もいつか念願の撮みの薬玉を作ってみたいと思っています。