SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

角杉で五行鮑を結ぶ

2011-02-24 00:11:00 | 








霞始めてたなびく候となりました

寒くて暫く庭に出ないでいましたら椿が綺麗に咲いておりました。これからは三寒四温の予報ですがこうして春に移るのでしょう。待春の今頃は好きな季節です。

これは角杉と云う組方です。結んだのは五行鮑です。
四角に組めるので結びには適しませんがあえて結びましたので下の五行結が歪みました。もう少し堅く結ぶと形が締まると思います。

五行結びがないものが神社に下がっている荘厳の結びです。下を叶結びにしたものは御簾の飾りにも使われます。
この結びはあわじ結びが基本です。
亀結びや釈迦結、木爪結なども同じように紐を通しながら結んでいきます。

これに対し前回のけまん結びは輪を3つ作って引き結びます。総角も左右の重なった輪を左右に交互に引いて結びます。
こうした結び方は対面で結ぶ事が出来るので鎧などの武具にも結び易い結び方です。今なら相手のリボンを結ぶような感じで簡単に結んだことでしょう。花結びが生活に根差したものであったのが分かります。



網代 けまん結び

2011-02-14 00:07:00 | 







魚氷にあがる候となりました

二月の早さは逃げるなどと言いますがもう9日の『鶯啼く』候も過ぎて半ばを迎えます。
雪も降って月の風情も如月を感じるこの頃です。

今日の画像は組紐の網代と云う組方です。ようやく房もついて仕上がりましたのでけまんに結んでみました。

組紐も四組、八組、網代、角杉、と進み5本目の鴨川の完成も間近になりました。やっと基本の作業が分かってきた気がします。たいへん厳しい先生でおろおろしながらも3月に初等科が終わります。
自分で組んだ紐を結びに使いたいと思い始めましたので難しい事を望むわけでもありませんがもう少し続けてみようと思います。おいおい出来上がったものも載せたいと思っています。

組紐は縄文の土器や埴輪にも見られるようで奈良時代には唐組、高麗組の技術も渡来し正倉院に残されているように盛んになったようです。貴族の時代には装飾の飾り紐、武士の時代には武具の飾りや茶道にも欠かせないものになりました。明治になって廃刀令によって刀紐の需要が無くなってからも帯締めとしてその伝統が残りました。

単純な糸の移動で美しい模様が出るのは不思議で、この網代も色糸の掛け方で7、8種類もの模様が生まれそれぞれイメージが変わります。こんなところが組紐の魅力でしょうか~



花包 辛夷

2011-02-04 00:00:00 | 









立春 となり東風凍を解く候となりました

袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらん
今日の時候の元歌のようで毎年つい口ずさむお歌です。折り良く寒さも柔らんで嬉しいことです。

2月の花包みは木々に魁けて咲く辛夷にしました。花包は春の花を包んでよい海棠包みです。
辛夷は桜と同じように葉に先だって開花しますがもう蕾の下には一枚の葉を付けてかわいいです。この堅い蕾から小ぶりの木蓮のような優美な花が咲くとはちょっと想像しにくいです。
菩提寺には大きなこの木があってそこだけ雪山のように見えるほどたわわに花を付けます。

花言葉は 友情 乙女のはにかみ 歓迎 信頼 などと書いてありました。

2月の呼称はこのようなものがあります。
仲春  如月 衣更着  麗月  令月  雪消月  梅月 梅見月  初花月  仲の春  木の芽月   春分  夾鐘 (きょうしょう ) 為如 (いじょ)  殷春( いんしゅん)   華朝  花朝(かちょう)