SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

作ってみましょう 箱貼り

2010-08-28 00:09:00 | 







天地始めて寒し 候となりました

残暑は厳しいものの夜分は虫の音がしてお月さまは秋の月のように冴えています。今は月の出が遅いので明け方まで残った朝の月が清々しいです。
来月22日が中秋の名月ですね。

今月の作ってみましょうは在り合わせの箱に千代紙を貼って変身させてみましょう。

私は小さい時から箱に千代紙を貼るのが好きでよい箱を見つけると貼っていました。幼少時からそうしたことに馴染むのが好きになるきっかけになるのではと思います。

この箱にはチョコレートが入っていましたがしっかりした引き出しでしたのでアクセサリーなど小物を入れたいと思い取っておきました。どんな風にしたらよいのか決まらずに寝むったままでしたが今回生地を生かして紋切の型を貼ってみました。

全体を貼る時は年齢が小さい方は面の大きさでカットせず紙をちぎって適当に貼って重ねるとモザイクのような面白みが出るかもしれません。貼り方も年齢や能力にあった作り方で自分だけの箱を作って下さい。創造と工夫で思わぬ効果が出ると楽しいものです。



切紙遊び

2010-08-23 00:05:00 | 






処暑となり 綿の花しべ開く 候となりました

処暑ともなれば暑さも緩む頃ですが相変わらずの猛暑が続いています。

夏休みも終盤となりました。親子で紙切り遊びは如何でしょう。
今回は家紋を切り抜く紋切です。これも折形や花結びと同じように女子の嗜みであったのか古い女子教育の本にはよく出てきます。
それにはいろいろな割り出し方も書いてあり、だれでも描けるように説明があります。
家紋は刺繍したり手描きすることもあったのでその為と思われます。

紙は神聖なもので切って(しで=四手、垂)のように結界やよりしろとし使われています。神棚に捧げる切り方もいろいろあるようで、そんなご本の写真もいつか載せたいと思います。
お供えとしての切紙が基にあって紋切や寄席の紙切りなど娯楽になっていくのでしょうね。

今回は古典的な模様ですが家紋が難しければ自由にカットするだけでも開く時はわくわくします。
折り方を間違えますと繋がるところが切れてしまったり、まったく違った模様になったり、それだけでも親子で楽しく過ごせます。
また折り紙を五角や6角、8角など自由に等分出来るようになると花紋折りの手始にもよいでしょう。
鋏を使いますからくれぐれも気を付けてお母さんと一緒に遊んでみて下さい。



伊勢型

2010-08-18 00:00:00 | 







濃霧昇降す 候となりました

このところの残暑は事の外厳しくて日本中で猛暑にあえいでいるようです。冷房嫌いな私も一日中かけているせいかなんだか体がだるくてお盆休みの家族のご飯作りもさぼりがちでした。
皆さまも体調に気をつけて下さいませ。

今回は伊勢型で千代紙を作ってみましょう。  伊勢型は左のように渋紙に小刀で模様をカットしたものです。大変細かな作業で驚きの技術です。
着物の染めはこれに糊を引いて染まらなくして地色を染めて糊を落とすと模様が白抜きになります。
今回は紙なのでそのまま堅い刷毛で叩いて色をつけてみました。

上の写真は三角や台形の形に切り取った紙を伊勢型の上に置き部分的に色を付けたもので封筒やポチ袋を作ったり箱に貼たものです。

先日文具屋さんに行きましたらステンシルの紙形がありました。
伊勢型が手に入らない時はこんなものやケーキなどを載せる銀色のレースペーパーでも応用出来るのではないでしょうか?
伊勢型と言う伝統文化のお話をしながら親子で工夫して楽しい夏休みを過ごして下さい。

私の生家の近くに竺仙があって娘時代に作ってもらったことがあります。ここは江戸小紋などを染める老舗で、江戸小紋は伊勢型で染めます。
浴衣も同じように伊勢型で染める長板があります。裏表違った柄の両面染めなど凝ったものがあってその技術はたいへん高度です。
改築の折母の長板の残り布が出てきました。
「長板よ」と言っていましたから母にとっても贅沢な浴衣だったのでしょう。

searchsakura18日はteacupのメンテナンスだそうで午前10時半頃までアクセス出来ないかもしれませんのでお知らせしておきます sakurasearch


墨流し・板染め

2010-08-13 00:00:00 | 








蜩鳴く候となりました

蝉の音が五月蠅いほどになりました。
数日前に蜩を聞きましたがその音は格別で哀愁をおびた音色に魅かれます。蜩が鳴いて夕暮れが早くなるといつももの哀しさを覚えます。

夏休みも佳境ですが親子で千代紙作りは如何でしょうか?
昔ながらの技法の墨流しと板染めです。

墨流しは私の大好きな西本願寺さんの三十六人歌集の料紙にも見られますから平安の頃より続く技法です。ゆったりと水の流れのままに出来る模様は予想のつかない即興の面白みがあります。
作り方
墨を水面に一滴落として松葉の葉で墨を軽く突きますと墨が松の油にはじかれて輪に抜けます。優しく息で吹いたり松葉で墨を切るようにすると水の流れで模様が描けます。それを和紙に吸わせます。
今回はバットを使い松葉には竹串を代用しました。竹串には油分がありませんから鼻の油をちょっと付けるだけで十分効果があります。
丁度経師屋さんが入って墨流しの話をしていましたら「墨流し用の絵具があるよ」と教えてくれたので色のものはそれを使いました。
 これは板染めで紙を折って折り線に色を付けます。折線に水を浸けてから色を吸わせるととぼかしになります。折り方によっていろいろな模様が出来ます。
これも墨流しの絵具を使いました。

下は板締めの紙でお箸入れと篭を折ってみました。 
板締めも古い技法で、本来は折った布を板に挟んで防染しますがこれは折った筋に色を吸わせただけの簡単なものです。
買った折り紙でなく自分だけの千代紙や折り紙を作ってみると楽しいですよ。


ちえの小筥

2010-08-07 00:09:00 | 








立秋となり 涼風至る 候となりました

今夏は猛暑日が続きました。残暑も厳しそうですが空には鰯雲も見えて立秋も頷けます。今朝は涼しいようで暑さも峠を越したでしょうか?

先日雀蜂が巣を作り駆除してもらいました。以前のもの(2006年9月http://purple.ap.teacup.com/applet/yaya/msgsearch?0str=%82%A0&skey=%90%9D%96I&inside=1&x=26&y=9)よりは小ぶりでしたが発見が早かったからでしょう。
一作年も足長蜂の巣を退治しましたし街中なのに蜂が多い環境のようです。

夏休みなのでこんな
ちえの小筥を作ってみては如何でしょう。

左の写真は蓋を開けたところでこんな具合にパーツが納まっています。四角あり、三角錐、台形ありさまざまな多角形があります。
これは昨年田中早穂子先生にお教え頂いてから 『たのしい立方体―ちえの小筥パズル雛』 のご本を見ながら作ったものです。
作るのは簡単ですが立体なので納めるのが難しいパズルです。

3月にこのお雛様を載せましたが先生は外にもお花やら雪ん子やらいろいろ考案なさって85才とは思えないすてきなおばあさまです。