SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

お袖のタペストリー

2007-02-26 08:06:44 | 








暖冬とは言え先週の週末の冷えは厳しいものでした。
今日からまた暖かくなるようで助かりますね。

お庭の梅もすっかりこぼれてしまいましたがお部屋の中では満開です。このタペストリーもそろそろ片付けないとなりませんのでその前に写しました。これはお袖を左右合わせただけのもので何も加工がありません。袖口のふきと袖の丸みが重みになっている気がします。
継ぎ目はかかえ帯で隠してそこに結びの紐をさげています。
これをお正月は亀結びや、玉房結び、又は訶梨勒に代えたりして変化をつけています。
この結びは初めての連続大作?でもう15年くらい前に結んだものですが形崩れはありません。
この身頃は先日のお香会では大きなTVにかけてTV隠しにしましたが、几帳のようでお部屋が華やぎました。なんでもある物を活用して楽しんでいます。



結びの桐板

2007-02-24 00:35:00 | 








霞始めてたなびく候となりました

ほのぼのと 春こそ空に 來にけらし天の香具山 かすみたなびく

昨日の雷雨でお空が澄み切って、昨晩は春星とお月さまが綺麗でした。雷が春を告げたようでした。

この写真は桐板に典具帖を貼ってその下に継ぎ紙をして花結びの台を作りました。横目の桐板に霞がかかったような仕上がりになって思いの他の効果でした。木目が透けるのですから典具帖の薄さがお分かりと思います。こんなに薄く紙を漉く技術は素晴らしいです。

この紐は細い帯留め二本を使いました。帯留めはしっかりしていて花結に適しています。でも輪にならないのでつなぎ目を隠して吊るところを作りました。ちょっとした工夫で手近なものでこんな風に作れます。上から相生、国、八重菊、几帳、叶結びに結びました。



心葉

2007-02-19 23:11:16 | 







雨水となり土が潤い起る候となりました

春一番も吹いて降る雨にも 一雨毎の暖かさ を覚えるようになりました。土も潤って花壇の草花が沢山芽を出してきました。

この写真は心葉と言います。心葉(こころば)は贈答の折に添えた一枝が言葉のもとになっているようです。この写真はその心を金具にこめて布に付け、練り香を入れる壺の上の覆いとして使われるようになったものをうつしました。一種のかけ袱紗の原型と言えるでしょう。金具は梅などを模どり総角に結んだ紐を5箇所につけます。
私の七つのお祝いに締めた帯を縁に使い作ってみました。

物に添える季節の花々、そんな心使いと「心葉」と言う言葉は残したいふるきよきうつくしきものだと思います。

心葉は練香が全盛の源氏物語の世界にはよく出てきます。これをお楽しみ下さい。
http://evagenji.hp.infoseek.co.jp/co-2002-12-8-2-3.htm
http://evagenji.hp.infoseek.co.jp/costume.htm  この8枚目の写真の中に同じ心葉があります。見つけて下さいな
。)



吊香炉

2007-02-14 23:18:12 | 







魚氷にあがる候となりました

この暖冬で天然氷の生産も例年の貯蔵量の半分ほどだそうです。
湖の氷も張らず公魚釣りもままならぬニュースも見ました。
今日の写真は釣りではなくて吊香炉です。

吊香炉が手に入ったので花結びをして房をつけてみました。古書には吊香炉の吊紐の結び方も載っていますので上の部分はそれに倣いましたが下の結びは私の遊びで自由に結びました。結びは確かな要尺が分からないので勘ですることが多いです。メインの結びを決めてあとは残りの紐の長さを考えながら結べる形を決めるアバウトさですが結構上手くいくものです。このメインの結びは唐蝶結びです。
この香炉はガンドウ返しになっていて動いても中の香炉部分はいつも水平になっています。袖香炉と言って袖の中に忍ばせたりもしたようですが、いくらがんどう返しになっていても危ないですよね。



鶯宿梅

2007-02-13 00:25:00 | 
ちょっと忙しくて更新ができませんでした。
鶯宿梅」の軸をかけましたのでこんなお歌を載せておきましょう。

 勅なれば いともかしこし 鶯の 宿はと問はば いかに答えむ

このお歌は御所のお庭の梅が枯れ、代わりの梅を探させた帝がある梅を所望したところ宿の主が詠んだお歌です。帝はこのお歌に感じ入ってこの梅を「鶯宿梅」と名づけたと言うお話です。宿のあるじは紀貫之の娘の紀内侍です。
今頃の時候に頭を過ぎるお歌です。item4