SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

簡単メモ帳

2009-01-30 23:57:58 | 






鶏とやにつく候となりました

いつの間にか日が永くなって1月ももう晦日です。慌ただしく過ぎたひと月でした。

月末は和の手作りの提案ですが今月はこんな手作り手帳は如何でしょう。
これは梓の会の香あそびでお土産代わりに作った源氏香の香図を書いた栞です。52の香図を入れるのに苦労しましたが折るのは簡単です。昔はこんな舞踊会の番付やお菓子の栞などがありました。こんな風にプリントすればちょっとしたミニ冊子になります。

白紙で作れば手のひらサイズのメモ帳代わりになります。裏表使うことも出来るのでかなり書くことが出来ます。
ちょっと切れ目を入れるだけで簡単な手帳になるこの折り方は覚えておくと便利です。
上の画像の右側の小さいのは葉書サイズの紙で作った水茎香の香図ですが開くとこんな風になります。
 
作り方
 説明と大きくなる画像は掲示板の方に載せておきますね。A4でもB5でも紙の大きさはどんなでも出来ます。



継紙の軸

2009-01-24 15:37:01 | 







水沢あつく堅しの候となりました

梓さんでの会も無事に終了しました。おいで下さった方々ありがとうございました。
梓さんの贅沢な空間と羽子板や薬玉などふるきよき美しきものの力を借りてなんとか新春らしい華やぎとなりお越し頂いた方々にもお喜び頂けたようで胸をなでおろしております。
今日の香遊びと2月9日の折形が終われば肩の荷が下ろせます。

この画像は会場で撮った継紙の軸です。
一文字と風帯の刺繍が三十六人家集の雰囲気をよく醸し出してくれました。繍子さん、ありがとうございました。
長年の夢が皆様のお力添えで叶いました。それこそがこの軸の宝だと思っています。


総角(あげまき)

2009-01-20 15:37:50 | 










 大寒となり蕗のとう花咲く候となりました

大寒だと言うのに昨日はぽかぽか陽気で梅の南枝に花が一輪ほころびました。
今日から梓さんでの展示会が始ります。贅沢な空間をたっぷり使わせて頂いてありがたいことです。

この写真は展示の中の源氏香之図の折本、総角の帖の香図です。
あげまきは花結びの結び方で、この絵にもあるように薬玉などに結ばれます。源氏物語の中にも玉鬘に求婚する公達たちが薬玉を贈るところがありますね。
このあげまき(総角)は読み難い字ですがこの漢字に意味があるようです。
あげまきは聖徳太子が両耳の所に結んでいるようなみずら(=角髪、角子、鬟、髻と書きます)の髪形からきていて両方のつの(角)の形らしいです。花結びのあげまきはそれで総角と書くようです。



心葉・かざしの花

2009-01-15 15:31:31 | 







雉始めて鳴く候となりました。 

寒さが厳しくなって霜柱がたっています。
早朝のお月さまも凍てつく空に清々しい姿です。

ゆかしい言葉の心葉はぜひ残したい言葉の一つです。
心葉は普通香壺の上に掛ける掛け袱紗のものを言いますが、花を模った飾り金具に結んだ写真のようなものも心葉と言ます。冠に付けるものもあり、これには造花などの花が付いています。

かざしの花と言って冠などに差す花は心葉から発展したものだと思います。
葵まつりの斉王代の髪飾りはこの例だと思います。五色の結びが垂れて綺麗ですが、結びには魔除けの力がありました。
後世子供の背守りに結びを付けるのもこの為です。


末広 ・ おかちん

2009-01-10 15:08:24 | 







泉水温をふくむ候となりました

寒に入り東京も雪になりました。
明日は初満月です。凍てついた空に冴えわたることでしょう。

写真は継紙の扇子です。新年なのでおめでたくタイトルは末広にしましょう。
継紙は15年ほど前に作ったものですが扇子に仕立てたのは2年ほど前でした。

今回工藝サロン梓さんではからずも会を開いて下さることになり、継紙の掛け軸なども出したいと思っています。この軸は扇面の継紙のままやはり15年ほど持ち続けました。書、刺繍、裂地と皆様のお力添えで2年かかってやっと暮れに仕上がりました。長い思いのこもったもです。

おかちん
前回「長き夜の」お話をしましたがお正月で思い出しました。
子供の頃我が家ではお餅のことを「おかちん」と言っていました。おかちんと言うと笑われるのでだんだん使わなくなりましたが、何故そう言うのかあまり疑問も持たず、たぶん「硬いから~」と納得していたようです。

それが昨年分かりました。お餅のことを「かち」と言うのは室町頃からで、賭けに勝った人への懸物としてお餅が渡されていたからでした。「勝」と言って授けた餅が餅そのものの名前になったわけです。これを嬉遊笑覧で見つけた時は喜びました~
こちらは50年余の長い間の疑問が解けました。思い続けるといつか果たされるものですね。