ひょうごの在来種保存会

会員さんも800名を越えました。活動報告を発信します。

220612「京の伝統野菜調査」⑩堀川ごぼうの大谷さん

2010年09月05日 | 保存会の現地研修会
 「堀川ごぼうの種子はどうなさっているのですか?」との質問には、
 大谷さん
 「種はJA京都市が準備しています。種から始めるときは2月に播いて、トンネルで作って、それを起こして6月に植える。」とのこと。
 京都の伝統野菜は、種を管理する人が他にいらっしゃるから、小規模の営農でも経済的に成り立っているのでしょう。

 「どんなごぼうが美味しいのですか」
 「植える牛蒡は太くて短いものが良いと言うわけではない。スッ腕のようなものがいい。最終的には製品としては5~6センチの太さのものが好まれています。昔は7~8センチくらいだったけど、お正月のお重が小さくなったこともあってか、太いのは好まれないねぇ。」

 「販売はどうされているんですか}
 大谷さん
 「市場に出荷すると二束三文だから、今は市場出荷はやめてます。丹後、舞鶴、新潟、香川・・・全国で堀川ごぼうが作られて値が出ませんわ。昔は1箱12本で3500~7000円位したけどね・・・。今はがた落ち。」

 「難しいところはどんなところでしょうか」
 大谷さん
 「連作障害やね。一度作ると7年は作れない。無理してつくると肌が黒くなる。だからどこに植えるか悩みどころ。そんなこともあって、今年植えるのは500本くらい。全て料理屋向け。今からする植え方についても、浅く植えると肌が焼けて黒うなってしまうしね。」

 なるほど。
 堀川ごぼうは特殊なごぼうで食べ方には相当な知恵が想像されますが、産地側でも限られた畑の面積に連作障害という中で料理屋等の要望に答えていくという、生産者が知恵を絞って作り続けてきた歴史の作品です。