朝10時前、グラウンドの周りをひと歩きしてテニスコートに戻ると、黄門様を囲むように輪が出来ていました。「アッ…」-大切なテニス仲間の一人、ポッキーさんの訃報です。丁度1年前、同じコートで練習中に急性大動脈解離を起こして倒れました。救急搬送され、厳しい手術にも耐えて退院。1カ月前には退院後初めてコートに姿を見せ「もう一度、皆とテニスをするんだ」と、帰りには車椅子を降りて自力で歩いてみせていたのに…。
亡くなったのは2週間前。その4日前、胸を押さえて「痛いから、何とかして」と、黄門さまに抱きついたそうです。恐れていた2度目の大動脈解離です。「(我慢強いから)あんな(胸に飛び込んでくるような)ことは、いままでなかった」と言う黄門様。みるまに顔がくしゃくしゃになり、涙が頬を伝いました。こういう情勢(コロナ禍)なので身内だけで、最期のお別れを済ませたそうです。「寂しいよ。何をするのも寂しいよ」-いつも元気一杯の黄門様が人目もはばからず泣いています。こちらも、思わずもらい泣き。でも、さすが黄門様です。すぐに元気一杯に練習開始。きっとポッキーさんも「頑張って!」と空から応援してくれているはず。
きょうの花は我が家の玄関先に咲く「ムラサキシキブ(紫式部)」。日本に自生する低木です。薄紫の小さな花と、秋になる濃い紫の小粒の実は、永遠の文学少女のようだったポッキーさんに良く似合います。有り難う、ポッキーさん。享年82歳。合掌。
(64蛍)