とはずがたり

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胆汁酸代謝物による免疫制御

2020-03-13 17:00:22 | 免疫・リウマチ
胆汁酸は腸内細菌による形質転換を受けて多くの生理活性物質を産生することが知られていますが、この論文で著者らは胆汁酸代謝産物をスクリーニングし、リトコール酸(LCA)の2つの異なる誘導体、3-oxoLCAおよびisoalloLCAがTH17とTregとの分化を制御することを明らかにしました。3-OxoLCAは、RORγtに直接結合することでTH17の分化を阻害し、isoalloLCAはミトコンドリア活性酸素種(mitoROS)の産生を介してTregの分化を促進しました。IsoalloLCAによるTreg分化促進にはFoxp3エンハンサーに存在するconserved noncoding sequence (CNS) 3が必要でした。これは、以前報告された(Arpara et al., Nature. 2013 Dec 19;504:451-5)Treg細胞分化促進作用(CNS1を介する)とは異なる作用機序でした。マウスへの3-oxoLCAおよびisoalloLCAの投与は、腸粘膜固有層でそれぞれTH17細胞分化減少、Treg細胞分化増加に作用しました。胆汁酸代謝物には様々なものが存在するので、今後免疫系以外にも様々な生理作用を有する物質(骨代謝制御物質も?)が見つかるかもしれません。 
Nature. 2019 Dec;576(7785):143-148. doi: 10.1038/s41586-019-1785-z. Epub 2019 Nov 27.
Bile acid metabolites control TH17 and Treg cell differentiation.


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