PCR検査についてはこれまで多くの方が色々な場で色々なことを仰っており、意見が異なる人を説得したり、考えを変えさせたりすることは不可能だ、ということが良くわかったので、これまであまり自分の考えを述べてきませんでした(怖い人も多いし)。しかし東京でもまた感染者(症状がない人も多いので「ウイルス陽性者」という言い方の方が正確かもしれませんが)が増加してきて、再びPCR検査の議論が喧しくなってきたので、自分の考えをまとめてみたいと思います。とはいえ、自分の意見だけが正しいとも思いませんので、異なる考えの方の意見を変えたいというような野望はありません。
私自身はPCR検査(や抗体・抗原検査)は「病院で医師が必要と考えた人に対して、速やかに、面倒くさい手続き(ストレス)なしに行えればそれで良い」という考えで、2月ころのように必要な検査ができないという状態はダメですが、とにかくたくさん行うべき、という意見には反対です(医療関係であれば同様の考えの方は多いと思いますが)。PCR検査数に数値目標を設けるというのもナンセンスで、これは数値が一人歩きするだけです(「今日のノルマを達成するために、あと2時間で100人集めろ!」というような指令が飛びそうです・・)。
さらに言えば「新型コロナウイルスは無症状感染者が多く、そのようなヒトから周りに感染を広げるので、広く検査が必要」という意見にも反対です。理由はいくつかあります。
他の職場と同様、私の職場でも毎年職員健診というのがあり、もちろん無料ですし、受診は義務ということなので、面倒くさいとは感じながら受診しております。しかしそれでも受診しようとしない人が必ず毎年一定数います。それを考えれば、たとえ新型コロナウイルスのPCR検査を「義務化」したとしても、恐らくかなりのヒトは検査を受けないでしょう。罰則規定がなければなおさらです。「無症状感染者を捕捉して感染拡大を抑制する」ことが目的とすれば、大部分が検査を受けなければ目的は達成されません。
多くの方がおっしゃっているように、感染者が少ない段階で無症状感染者を捕捉する目的で絨毯爆撃的に検査を行うのはあまりに無駄が多すぎます。これはPCRでも抗体検査でも同じで、感度や特異度が低ければなおさらです。そもそもいくら検査で陰性でも偽陰性かもしれませんし、次の日には感染しているかもしれません。
もちろんクラスターが発生した場所で濃厚接触者全員に検査を行うのはやむを得ないと思います。また病院(入院患者)や介護施設など、リスクが高い人が集まる場で全員にスクリーニングを行う、というのは人数も限られていますし、意味があるかと思います。「PCR陰性という検査結果をもっていかないと出社許可がおりない」というようなアホな会社に勤めている方の場合は、「そんな会社辞めなはれ」とも言えないので、自費での検査は許可する、としてはどうかと思います。
「それでは無症状感染者・未発症感染者からの感染の広がりは抑えられないではないか」という意見はその通りで、それに対する私の答えは「それは仕方がありません」です。これは「あきらめろ」ということではなく(そういうつもりも少しありますが)、「今後は自分が感染を広げるかもしれないと皆が考えながら生活をするべき」ということです。
これをふまえてどのような対策をすべきか、については論点がずれるのでここでは触れません。「新しい生活様式」というのは、基本的に現在行っているような感染予防を、日にちが経っても忘れることなく続けていく(感染予防を文化にする)ということかと思います。これについてはまた別の機会に論じたいと思います。
私自身はPCR検査(や抗体・抗原検査)は「病院で医師が必要と考えた人に対して、速やかに、面倒くさい手続き(ストレス)なしに行えればそれで良い」という考えで、2月ころのように必要な検査ができないという状態はダメですが、とにかくたくさん行うべき、という意見には反対です(医療関係であれば同様の考えの方は多いと思いますが)。PCR検査数に数値目標を設けるというのもナンセンスで、これは数値が一人歩きするだけです(「今日のノルマを達成するために、あと2時間で100人集めろ!」というような指令が飛びそうです・・)。
さらに言えば「新型コロナウイルスは無症状感染者が多く、そのようなヒトから周りに感染を広げるので、広く検査が必要」という意見にも反対です。理由はいくつかあります。
他の職場と同様、私の職場でも毎年職員健診というのがあり、もちろん無料ですし、受診は義務ということなので、面倒くさいとは感じながら受診しております。しかしそれでも受診しようとしない人が必ず毎年一定数います。それを考えれば、たとえ新型コロナウイルスのPCR検査を「義務化」したとしても、恐らくかなりのヒトは検査を受けないでしょう。罰則規定がなければなおさらです。「無症状感染者を捕捉して感染拡大を抑制する」ことが目的とすれば、大部分が検査を受けなければ目的は達成されません。
多くの方がおっしゃっているように、感染者が少ない段階で無症状感染者を捕捉する目的で絨毯爆撃的に検査を行うのはあまりに無駄が多すぎます。これはPCRでも抗体検査でも同じで、感度や特異度が低ければなおさらです。そもそもいくら検査で陰性でも偽陰性かもしれませんし、次の日には感染しているかもしれません。
もちろんクラスターが発生した場所で濃厚接触者全員に検査を行うのはやむを得ないと思います。また病院(入院患者)や介護施設など、リスクが高い人が集まる場で全員にスクリーニングを行う、というのは人数も限られていますし、意味があるかと思います。「PCR陰性という検査結果をもっていかないと出社許可がおりない」というようなアホな会社に勤めている方の場合は、「そんな会社辞めなはれ」とも言えないので、自費での検査は許可する、としてはどうかと思います。
「それでは無症状感染者・未発症感染者からの感染の広がりは抑えられないではないか」という意見はその通りで、それに対する私の答えは「それは仕方がありません」です。これは「あきらめろ」ということではなく(そういうつもりも少しありますが)、「今後は自分が感染を広げるかもしれないと皆が考えながら生活をするべき」ということです。
これをふまえてどのような対策をすべきか、については論点がずれるのでここでは触れません。「新しい生活様式」というのは、基本的に現在行っているような感染予防を、日にちが経っても忘れることなく続けていく(感染予防を文化にする)ということかと思います。これについてはまた別の機会に論じたいと思います。